厳しい冬の寒さを耐え抜いて、雪の下から小さな花を咲かせるのがミスミソウ。
別名、雪割草とも呼ばれていて、こちらの名前で覚えている方も多いのではないでしょうか?
今回は実写映画も公開された『ミスミソウ』を紹介します。
作者の押切蓮介はアーケードゲームを取り上げたコメディ漫画『ピコピコ少年』シリーズや、アニメ化も決定している『ハイスコアガール』の他にも『デロデロ』などのホラー漫画も人気を博している漫画家です。
そんな押切蓮介の代表作である本作の魅力について、迫っていきましょう。
本作のあらすじと見どころ紹介!
「私は家族を焼き殺された――。」
三角草(ミスミソウ)。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花。
閉鎖的な田舎町の中学に転校してきた少女「春花」を待っていたのは、壮絶な
イジメだった。
せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する―――!!
(C)押切蓮介/双葉社
引用元:Comee.net
過酷なイジメと少女の復讐劇
本作は過疎化が進む小さな村で廃校になることが決定している中学校に通う、3年生の少年少女たちの物語です。
東京から親の仕事の都合により引っ越してきた主人公“野崎春花”は転校先の中学校で激しいイジメにあいます。持ち物を盗まれて隠されるだけではなく、ピンで刺されるなど、読んでいくのも耐え難いような過酷なイジメです。
親もその現状を見て学校に相談をしますが、廃校が決定していることもあって担任の“南京子”はその状況を放置します。
春花は中学校卒業までは必死に耐え抜こうと我慢を重ねていきますが、日々イジメはエスカレートしていき、やがてその危害は家族にも及んでしまいます。
そして春花は復讐を果たすために、クラスメイト達を次々と攻撃していくことになります。
過激なイジメとバイオレンスの描写
本作はバイオレンスな描写も非常に多く、過激なシーンあります。
序盤のイジメもなかなか心に刺さるものがありますが、それ以上に辛いのが春花の復讐のシーンです。
それまで辛く当たってきたクラスメイト達に復讐を果たす場面では、ナイフで切られた後の傷を生々しく描写しており、時には目を背けたくなるほど。
バイオレンスな作品や、ホラー漫画を多く書いている押切蓮介の描写力が遺憾なく発揮されています。
キャラクターデザインはどちらかというと幼く可愛らしい印象を与えるので、そのギャップもあり、より恐ろしい印象を与えます。
バイオレンスな作品が苦手な方には、オススメしづらい作品です。
暴力と切なさと
では、本作の売りとはそのようなバイオレンスな暴力描写と、イジメに対する復讐のシーンだけなのでしょうか?
もちろん、そんなお話ではありません。
春花をいじめていたクラスメイト達や先生も、実はどうしようもない現実にもがき苦しんでいる現状があります。
イジメの主犯格である“小黒妙子”は東京の学校で美容師として働きたい夢を持っていますが、一人暮らしは許さないと親に反対されています。
また担任の南先生も過去に過酷なイジメを受けており、そのことが大きなトラウマになっています。
中学校が廃校になることが決まっているほど過疎化が進む地域にですので、娯楽施設もありません。
溜まったストレスのはけ口がなく、人間関係も都会よりもずっと濃い環境です。
そしてやりたいことができない苦しさなどに戸惑い、中学生という年齢もあって彼らのイジメは徐々にエスカレートしていきます。
元々は普通の少年少女だったのですが、家庭環境や悩み、トラウマによって傷ついた心を癒す代償として行為がエスカレートしていく様子にリアリティがあります。
そして読後、すべてが片付いたはずなのにどこか切なさを覚える……そんな作品です。
まとめ
いかがでしたか?
実写映画も原作のバイオレンス描写も同じように描かれていますが、原作よりもある部分を強調することによってまた違う味わいを残す作品に仕上がっており、非常に評判もいい作品です。
ぜひ原作と映画の両方を楽しんでいただくことをオススメします。
ミスミソウの花言葉はいくつかありますが、その中に『信頼』『忍耐』というものがあります。
まさしく本作はそんなミスミソウのタイトルにふさわしい物語です。
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