『恋わずらいのエリー』の主人公エリーは、影が薄く、クラスメイトに名前も覚えてもらえません。
寂しさを紛らわすため、ひたすらイケメンとの妄想をツイートしまくる学校生活を送っていました。
しかし妄想相手本人の近江にツイートを見られ、エリーも学年一の王子様の近江の裏の顔を知り、二人の仲は徐々に縮まっていきます。
さらに、エリーの変態さを知られたことをきっかけに念願の親友もでき、エリーの学校生活はバラ色に。
「なぜこんな変態がもてるの?」と思った方や、普段素の自分を出せずにいる方にエリーの魅力をご紹介します。
ただ妄想しているだけじゃない!?人とは違うエリーの魅力
地味で目立たない高校生活を送る女子高生の市村恵莉子。唯一の楽しみは、かっこよくて爽やかなオミくんこと近江章を眺めつつ、日々の妄想を“恋わずらいのエリー”の名前でつぶやくこと。でもある日、オミくんの裏の顔をうっかり知ってしまったうえに、恥ずかしいつぶやきが彼にバレてしまって……。変態地味女子×ウラオモテ男子のアブノーマルLOVE!
(C)藤もも/講談社
引用元:Comee.net
主人公のエリーこと“市村恵理子”は、「日々の妄想をひたすらつぶやくJK喪女」という明け透けなアカウントで日々の妄想を、多いときは5分おきにつぶやいています。
「彼が他の女の子からクッキーもらっててあたしが拗ねてたら「オレはクッキーじゃなくて餅が食べたい」って言うの。「ヤキモチやいた君をね」だって、きゃ~~~#彼氏いません」
引用:藤もも/講談社『恋わずらいのエリー』1巻第1話
ハッシュタグの「彼氏いません」が笑いのセンスとインパクト抜群です。
アカウントには鍵をかけていないため、毎回コメントをくれるフォロワーもいるほどです。
しかし、エリーの魅力は妄想のおもしろさだけではありません。
普通の人とは一味違うエリーの魅力をご紹介します。
人目を気にせず「ありのままの自分」でいられる
妄想ツイートがばれたことをきっかけにエリーは妄想相手の“近江章”と仲良くなります。
現実の近江が自分の妄想の中のキャラと全くは違うことを理解しても、近江と話すたびにエリーはドキドキしてしまいます。
しかし、好きな人相手には少なからず自分をかわいく見せようとするのが普通だと思いますが、エリーは自分の変態さを本人に真っ向から伝えてしまいます。
偶然近江に手を握られ、顔を真っ赤にしてしまった際、驚いた近江から「なんだよその顔」と手を振りほどかれますが、エリーは「妄想で鍛えたトキメキスイッチが暴走中です……」と緊張しながら答えます。
これには近江も「筋金入りの変態だな」と思わず笑ってしまうほど。
訳あって自分を隠し、男女だれからも好かれる王子様キャラを演じている近江も、エリーの正直さにつられてうっかりありのままの自分を出してしまうようです。
エリーの親友になる美少女“三崎沙羅”も周りの視線を気にして悩んでいた際に、エリーの変態さを隠さない姿勢を見て「自分の好きにやっていいんだ」と救われています。
自分のやばいところを隠そうともせずに真正面からぶつかってきてくれるエリーのような女の子はなかなか稀です。
それは、人間には無意識のうちに「こうしなければならない」「こうならなければならない」という潜在意識が影響しているからです。
心理学では人間の意識の97%を潜在意識が占めていると言われており、近江や沙羅のように周りの人間や常識を気にして生きている人間がほとんどなのです。
エリーのようにありのままの自分でいるためには、自分の行動を自分自身で認めてあげることが大切です。
例えば、自分を肯定する「今の自分でいいんだよ」という言葉をシャワーのように浴びることで次第に「こうしなければならない」という思い込みの枠を外し、ありのままの自分で良いと考えられるようになります。
心理学では「アファメーション」、俗に「言霊」と言われることもあります。
友達のいなかったエリーが、ありのままの自分を認めることができるのは、妄想を誰にも気兼ねなく自由にツイートしてきたことの効果です。
自分を認める言葉を直接つぶやいていた訳ではありませんが、ありのままの自分を言葉という形で外部に表現し、フォロワーからも受け入れられてきたことで、エリーは無意識のうちに「変態である自分」を間接的に肯定し続けてきたのです。
人の内面をちゃんと見て、ありのまま受け入れられる
現実の近江と仲良くなったことでエリーは近江が自分の妄想中の王子様キャラと全然違うことを知ります。
しかし、そこで幻滅するのではなく、本当の近江を知ろうとするところがエリーの凄いところであり、近江もそんなエリーに惹かれていきます。
幼い頃からイケメンだった近江は、周囲に勝手なイメージを持たれ、少しでもイメージと違うと落胆されるため、人知れず必死に努力してイメージを保っていました。
しかし、周囲からは「才能があるから」、「贔屓されているから」とさらに偏見を持たれるようになってしまい、中学生の近江はグレてしまいます。
そして、中学卒業時にある事件があったせいで、近江は高校から王子様キャラを演じるようになります。
隠れて努力していた頃も、中学時代にグレた時も、高校での王子様キャラも、周囲に見せていた性格は違いますが、近江はどの時期も「ありのままの自分では周囲には理解されない」という潜在意識に支配されています。
しかし、エリーだけは近江に借りたノートを見て、近江が毎日真剣に授業を聞いている努力型であることを見抜きます。
さらに、近江が中学時代にグレた際も唯一素の自分を見せることができていた過去の友人から、「近江は最強で、ステージが違う人間だ」と言われても、エリーはすぐさま否定します。
「近江くんって全然最強じゃないです。弱いところだってきっといっぱいある。だから……私と近江くんのいるステージは同じだって思ってます。そのままの近江くんの全部をもっと知っていきたいの」
引用:藤もも/講談社『恋わずらいのエリー』2巻第7話
エリーは最初こそ近江の本当のキャラと普段のキャラのギャップに驚いていましたが、自分に都合のいい妄想をずっとしてきたにもかかわらず、すぐに偏見を持たずに近江に接し、ありのままの近江を受け入れるということを自然にやってのけています。
実はこれもありのままの自分を受け入れられるエリーだからこそできることです。
エリーは誰かと比較して自分を認めているのではなく、自分は自分、人は人と分けて考えているために、ありのままの自分を認められるのです。
同様に、「自分の期待する近江」と「現実の近江」を比較するわけではなく、現実の近江のこともありのまま受け入れることができているのです。
ずっと誰かに「ありのままの自分」を認めてほしかった近江からすれば、これ以上うれしいことはないのではないでしょうか。
まとめ
変態なのに人から愛される『恋わずらいのエリー』の主人公を心理学の面から考察してみました。
他人や常識にとらわれすぎず、ありのままの自分や他の人を受け入れるのは難しいことですが、エリーのように生きられたら素敵ですよね。
『恋わずらいのエリー』では、エリーに影響され、近江や沙羅をはじめとした周りの人々もさらに魅力的に変わっていきます。
まだまだ連載中の作品なので、今後登場人物たちがどう成長していくのかとても気になる漫画です!
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