『ランウェイで笑って』都村育人がトップのデザイナーになれるか、世界のトップデザイナーの名言と比較して考察してみた

『ランウェイで笑って』都村育人がトップのデザイナーになれるか、世界のトップデザイナーの名言と比較して考察してみた
     

大学卒業以降職を転々としたが、幼い頃から三度のメシより本が好きなことを思い出し、自分には物書きしかないと一念発起。
現在はフリーライターとしてひた走る。
漫画は少女漫画を中心にオールジャンル読むが、闇が深いものとミステリー要素があるものが考察しがいがあって好き。

人気連載中のファッションを題材にした少年漫画『ランウェイで笑って』。

モデルには致命的な低身長でパリコレを目指す千雪と、同級生の都村育人がプロデザイナーを目指します。
逆境に立ち向かい、夢を追いかける若い2人の姿は、大人になって夢を追うことを諦めがちな私たちのモチベーションも上げてくれます。

独学で服を作ってきた高校生でありながら、才能の片鱗をみせ、プロに揉まれて成長すさまじい都村育人は、果たしてトップデザイナーになれるのでしょうか?

世界的にも有名なトップデザイナーの名言と比較しながら考察してみました。

 

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デザイナーへの道は夢のまた夢だった都村育人の日常

服を作るのが好きな“都村育人”は、趣味の範囲で家族や知り合いの服やバッグを作成し、高校は手芸部に所属していました。

見よう見まねでパリコレの服を模したり、生地を何度も再利用して服を作り、幼いころはファッションデザイナーを目指していました。

 

「5歳からドレスアップで遊び始めたけど、まだその遊びがやめられないの」
――ケイト・スペード

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest

 

ケイト・スペードや、多くの天才たちと同様に、育人にとっても服作りはやめられないもので、彼にとっては生活の一部ともいえる、するのが当たり前の行為だったのでしょう。

しかし、デザイナーになる道は育人にとって厳しいものでした。
まず、専門学校か大学を卒業していなければ、デザイナーとして就職する門戸さえ開かれていないのが現実です。
都村家は母子家庭であり、母親は過労で倒れて入院中と経済的に厳しい状態。

それだけでなく、育人には3人の妹がいます。
上の2人は勉強や部活の才能があり、一番下の妹はまだ5才。
妹たちがやりたいことをするためには、育人には高校を卒業したら就職するという選択肢しかありません。

そのため、育人にとって服作りは、趣味の範囲でやれるだけで幸せだと諦めていました。

逆境でも諦めず、わずかなチャンスをものにする都村育人

しかし、クラスメイトの“藤戸千雪”のために作った服が、パリコレモデルでタレントの”セイラ”にSNSで拡散されたことで、育人の作った服が一気に注目の的に。

さらに千雪の父親から「自分が経営するブランドのデザイナーにならないか」と直接スカウトを受けます。
結局高校生だったことが理由でスカウトの話は白紙に戻されてしまいます。

しかし、育人は雑誌で千雪が自分の作った服を着ている写真を見て自分の作る服と千雪の可能性を感じ、プロのファッションデザイナーになる覚悟を決めました。

 

「誰かが着てこそ、その服に価値が生まれる」
――マーク・ジェイコブス

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest

 

そして、自分で作った服を着て、自分から千雪の父親の元を訪れ、再度自分を雇ってくれるよう申し入れます。

その際作った育人の服は、千雪の父親に、大学や専門学校で探せばゴロゴロいる程度ではあると現実を突きつけられながらも、「鳥肌が立った」と言わしめるほどのものでした。

 

「つらいときほど、常にファッションは大胆にね」
――エルザ・スキャパレリ

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest

 

育人がこの日のために作った服にはワンポイントに縞模様が取り入れられています。

縞模様はもともと囚人や道化が身にまとう”蛮族の象徴”。
まだ高校生で専門知識を何も知らない自分を未開の蛮族に例え、それを十分に自覚したうえでもプロの世界に飛び込もうとする育人の覚悟の表れを現しています。

黒を基調にした一見シックな服ですが、自分の覚悟を表現した点において非常に大胆と言える服です。

 

「ファッションは毎日を生き抜くための鎧である」
――ビル・カニンガム

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest

 

育人はプロの世界に飛び込む戦いを覚悟して千雪の父親に会いに来ました。彼が用意した服は、その戦いに挑むために自分を奮い立たせる装備なのです。

 

「スタイルとは、言葉を使わずに自分が何者かを伝える方法」
――レイチェル・ゾー

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest

 

作中では、千雪の父親に聞かれたことで自分の服の説明をしていますが、ただ服を作るのではなく、今の自分がどういう立場に置かれているかを認識し、「自分が何者か」をコンセプトに服を作った育人は、技術こそ未熟ではあるものの、すでにトップデザイナーと同じ志を持ち、その思いを具現化することが出来ています。

プロの世界で揉まれる都村育人

千雪の父親に気に入られた育人は、駆け出しながらも群を抜いた才能を持つ、プロデザイナーの“柳田一”のアトリエを紹介されます。
知識も技術もない育人は出勤初日から柳田に「帰れ」と言われ、相手にもされません。

しかし、育人は食い下がり、諦めませんでした。
若手デザイナーの登竜門であるファッションショー・東京コレクションでのトラブルを何とかしたことで柳田に認められ、正式に雇ってもらうことになります。

さらに、東コレでの育人の活躍は日本一の服飾大学である芸華大の学園長に評価され、学園祭のファッションショーへの参加を誘われます。
ファッションショーは大学内でも特に洗練された3,4年生の出場がメインですが、意欲旺盛な1,2年生や外部者のエントリーも許可されています。
育人はまず芸華大の1,2生と本選への出場をかけて争うことになります。

 

「翼がないなら、翼を生やしてみせる。だれも私の人生を代わりに生きてはくれない。だから、私は私の人生を生きていくことにした」
――ココ・シャネル

引用:徳間書店/酒田真美『ココ・シャネル99の言葉』より

 

運やタイミングにも恵まれましたが、千雪の父親に気に入られたのも、柳田に正式に雇われたのも、芸華大のファッションショーの参加のチャンスをもらったのも、すべて育人が自分の努力で勝ち取ったものです。

そしてその結果、プロのデザイナーや本気でプロを目指す学生たち、有名百貨店のバイヤーなど、本気で服と向き合う人たちとの出会いが増え、「甘い」と言われていた育人の志を変えていきます。

プロの中でもまれることを自分の力でつかみ取ったことによって、育人は着実にプロへの階段を一歩ずつ上っていきます。

 

「かけがえのない存在になるには、常に人とは違っていなければならない」
――ココ・シャネル

引用:「FAMOUS WORDS OF FASHION’S GREATESTあなたのスタイルを輝かせる、ファッション名言集50」(閲覧日:2018/05/23)
(http://harpersbazaar.jp/fashion/famous-words-of-fashions-greatest)

 

「私の若いころは、みんな何も知らなかった。知らないということも時には悪くない。」
――ココ・シャネル

引用:酒田真美/徳間書店『ココ・シャネル99の言葉』より

 

育人は専門学校に行くでもなく、服飾大学に行くでもなく、高校生でありながら、プロデザイナーの下で働くという異例の経歴でデザイナーへの道をひた走っています。
そのため、専門学校生なら常識と言える知識も技術もなく、プロ意識もほかの人たちとは違ってまだまだな部分が多いです。

しかし、それこそが育人の常識にとらわれない独自な観点を育んでいるのです。

まとめ

『ランウェイで笑って』の都村育人は、初めは家族のためにファッションデザイナーを目指すことすら諦めていました。

しかし、育人がプロのファッションデザイナーを目指す志となったのも、これまでの家族の喜ぶ姿を思い出して、「着た人が笑顔になる服」を作りたいと思ったからです。

才能があって当たり前、才能だけでは厳しいと言われるプロのデザイナーの世界ですが、育人はむしろ知識も技術もなく、社会もわかっていない高校生だからこそ、臆せずプロに立ち向かうことができ、自分の力でファッションデザイナーの道を切り開いているのではないでしょうか。

育人が持つ、逆境にも折れない心と立ち向かっていくチャレンジ精神、着る人を喜ばせたいという純粋な気持ち、そして知識がないからこそできる柔軟な発想は、実際に活躍している世界のデザイナーたちの志の片鱗をすでに持っているように思います。

これから育人がプロ意識の高い周囲の人たちに揉まれながら、どのように知識や技術を身につけ、トップデザイナーへとなっていくのか、『ランウェイで笑って』の今後の展開がとても楽しみです。

 


身長は、158cmから伸びなかった・・・。藤戸千雪の夢は「パリ・コレ」モデル。モデルとして致命的な低身長ゆえに、周囲は「諦めろ」と言うが、千雪は折れない。そんなとき、千雪はクラスの貧乏男子・都村育人の諦めきれない夢「ファッションデザイナー」を「無理でしょ」と切ってしまい・・・!?「叶わない」宣告をされても、それでも一途に夢を追って走る2人の物語。

(C)Kotoba Inoya/講談社
引用元:Comee.net

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