『ふらいんぐうぃっち』は、石塚千尋によって連載中のほのぼのファンタジー漫画で、2016年にはアニメ化もされた人気作品です。
この記事では、派手な魔法を使うわけではなく、日常生活に溶け込んで生きる魔女を仮に”現代魔女”と定義し、メジャーな現代魔女の1人に挙げられるである、ジブリ映画「魔女の宅急便」のキキと、『ふらいんぐうぃっち』の主人公の真琴を比較することで、現代魔女の変遷と『ふらいんぐうぃっち』の魅力に迫ります。
『ふらいんぐうぃっち』のあらすじ
木幡真琴(こわた・まこと)、15歳。青森で魔女はじめました。――黒猫のチトと一緒に横浜からやってきた真琴は、青森の親戚の家で暮らしはじめました。実は彼女は魔女。今はまだ空をとぶくらいしかできないけれど、またいとこの圭(けい)や千夏(ちなつ)たちと毎日げんきに暮らしてます。
(C)Chihiro Ishizuka/講談社
引用元:Comee.net
主人公の“木幡真琴”は魔女の家系に生まれた新米魔女。
横浜に住んでいましたが、15才になったら家を出るという魔女のしきたりに従い、自然が豊かで魔法が使いやすい青森県の親戚の家に居候することになります。
普通の高校にも通い、又従弟の“圭”や“千夏”、同級生“那央”など、一般人の友達とも仲良く生活しながら、一人前の魔女を目指して少しずつ成長していきます。
ジブリ映画「魔女の宅急便」のキキとの比較
キキと木幡真琴の共通点
“キキ”と真琴はどちらも魔女の血を引く少女で、古くからの魔女のしきたりに従い、家をでて一人前の魔女になるために修行します。
魔女と言っても、2人とも最初は箒に乗ることと、使い魔の黒猫と会話することしかできず、悪の敵と戦ったりするなどのダイナミックな魔法シーンはありません。
2人はお届け物屋さんや、子守など、少しの魔法を使って困っている町の人たちを助けており、どちらの作品でも日常生活の中に溶け込んだ魔女として描かれます。
キキと木幡真琴の相違点
2人とも魔女のしきたりに従い、決まった年齢になったら家を出て修行をすることとなりますが、キキは13才、真琴は15才と年齢が若干異なっています。
わずか2年の差ではありますが、この年頃の少女にとっての2年という差は結構大きいでしょう。
また、真琴は、両親から親戚の家に預けておけば安心できるということで、又従兄の家に居候することになります。
自力で住む街、住む場所を見つけたキキの修行とは大きく異なっています。
その他にも真琴はあまり気にしていませんが、『ふらいんぐうぃっち』の世界では、魔女ということは家族や親せき以外の関係者には内緒ということが推奨されています。
そのため、一般人には魔女の存在はほとんど知られていません。
これも、魔女ということをアイデンティティに仕事までしていたキキとは大きな違いです。
2つの作品には数多の相違点がありますが、どちらの作品もその時の時代背景を反映していると考えます。
ジブリ映画「魔女の宅急便」が1989年に制作された映画ということを踏まえると、いかに魔女とはいえ、キキが13才という若さで独り立ちすることが許され、周りに受け入れられたことも頷けます。
そして、キキに比べ、魔女であることを公にせず、15才で親戚の家で修行することになった真琴はの姿は、昔よりも子供の1人行動が問題視されたり、SNSなどで噂がすぐに広まってしまったりする現代社会を反映した魔女の姿と言えるでしょう。
『ふらいんぐうぃっち』はより現代になじんだ魔女が描かれている
高校に通う真琴
東北に引っ越してきた真琴は、学校にも通います。
伝統ある魔法魔術学校ではなく、一般人が通う、普通の高校で、一般人の友人もできます。
高校に通う理由は、両親に「今の時代…魔女はいろいろ不安定だから、どう転んでもいいように高校だけは出ときなさい」と言われたからという現実的なものです。
これも不安定な現代社会を反映していると言えます。
「いろいろなことを知っているほど立派な魔女として認められる」ということで、真琴は放課後に道端で摘んだフキノトウを天ぷらにしたり、畑を耕したり、いろんな人に会いに行きます。
そのため、田舎での自然豊かでまったりとした生活の様子も楽しむこともできる漫画です。
人生経験を積むことが一人前の魔女への第一歩となるのです。
これは、魔女ではない一般人の私たちにも当てはまることで、魔女も普通の人間となんら変わりはないというメッセージではないでしょうか?
魔女の衣装も自由
キキは真っ黒なワンピースに黒猫というモノトーンコーデが地味だと愚痴を言うシーンがありますが、『ふらいんぐうぃっち』に登場する魔女の服装は自由で、魔女ごとに個性が見られます。
真琴は制服や女子高生らしい私服で空を飛ぶこともありますし、千夏の魔女用のマントを作った際には、赤い色の布を材料にしています。
古いしきたりだけにとらわれるだけではない、魔女の多様性が見られます。
『ふらいんぐうぃっち』の世界には魔女や不思議な生き物が多い
「魔女の宅急便」では、1つの街には1人の魔女と決まっていたため、他の魔女との出会いの機会は少なかったですが、『ふらいんぐうぃっち』では、東北地方が自然の資源が豊富で魔術が使いやすいことから新人魔女に好評ということもあり、真琴と同じ年頃の魔女や、幽霊や梅雨が近づくと雨を降らせる準備をしに来る神様のような存在の子供や四季の運び屋さんなど、不思議な生き物がたくさん登場します。
そして、それぞれが個性豊かな人物ばかりです。
『ふらいんぐうぃっち』での魔女の定義は、「悪いこと以外は何をしても良い自由な存在」であり、自分の好きなこと、得意なことをして人の役に立つように生きている魔女の姿は、一昔前のサラリーマンやOLなど、画一化された生き方が当たり前だった時代ではなく、それぞれが個性豊かな現代人と通じるものがあるではないでしょうか?
まとめ
『ふらいんぐうぃっち』の魅力は、なんと言っても普通の日常生活の中に魔女と魔法の存在が溶け込んでいることです。
真琴は、箒で空を飛んだり、感受性が豊かになるお菓子を作ったり、雨を降らせる子供の面倒を見たりと、簡単で素朴な魔法もつかいますが、テレビを見たり、学校に通ったりなど、現代の社会に適応して生きています。
「魔女の宅急便」のキキは、こんな魔女が本当にいたらいいなという憧れの存在でしたが、『ふらいんぐうぃっち』に登場する魔女は、こんな魔女たちが本当に身近にいるのではないかと思ってしまうような存在です。
それは、やはり真琴の方が、よりいま現在の日本を反映した魔女として描かれているからでしょう。
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