僕はアニメ版『ボールルームへようこそ』のPVを見て衝撃を受けました。
その理由は大好きなバンドの曲がアニメのPVに起用されていたからです。
アニメとロックバンドの相性は良く、アニメの主題歌に起用されたのがきっかけで大ブレイクしたバンドなんていくらでもあります。
バンドがアニメの主題歌を担当する場合、新曲を書き下ろす場合がほとんどで、既存の曲がPVに使われるなんてあまり例がありません。
なのでPVで”シャンデリア・ワルツ”が流れた時は思わず自分の耳を疑いましたね。
今回は『ボールルームへようこそ』とUNISON SQUARE GARDENの楽曲との関連性に関してご紹介します。
『ボールルームへようこそ』のあらすじ
俊英が贈るダンススポーツ青春譚、開幕! その一歩(ステップ)で僕は変わる――。平凡な中学生、富士田多々良(ふじた・たたら)は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。そんなある日、謎のヘルメット男に出会った多々良は訳もわからず連れ去られてしまう。男が向かった先は……何と社交ダンスの教室だった。ダンスの世界に一歩を踏み出した多々良の日常が、みるみる変わり始める――!! 剥き出しの才能が描く“ボーイ・ミーツ・ダンス”!! 踊り手の魂が交錯する舞踏室(ボールルーム)で繰り広げられる、激アツ! ダンスストーリーに酔いしれろ!!
(C)Tomo Takeuchi/講談社
引用元: Comee.net
中学生の少年”富士田多々良”は熱中できるものが無く、パッとしない毎日を送っていました。
そんな時に偶然日本トップのダンサー”仙石要”と出会ったことで社交ダンスの魅力に目覚めていきます。
本作は特技を何も持っていなかった少年が、社交ダンスという熱中できるものを見つけて、ダンスを通じて成長していく物語です。
UNISON SQUARE GARDENとは
2008年7月23日に”センチメンタルピリオド”にてデビューした3人組のロックバンドです。
テレビアニメ『血界戦線』のエンディングテーマに起用された”シュガーソングとビターステップ”や『3月のライオン』第2シリーズ第2クールオープニングテーマ”春が来てぼくら”などが代表曲としてあげられます。
独特のリズムと歌詞が特徴的なバンドで、楽曲は中毒性があり、何回も聞いてしまいます。
原作の世界観を表すのにピッタリの”シャンデリア・ワルツ”
本作のアニメのPV第1弾を見て、本作と”シャンデリア・ワルツ”は相性がとても良いなと感じました。
というも『シャンデリア・ワルツ』ではステップやワルツなど社交ダンスを思わせるような単語が多く入っているので、本作の世界観を表すのにピッタリな曲だったからです。
聴くと思わずリズムを取ってしまうほど良いメロディーをしています。競技ダンスを題材にしている本作との相性は最高ですね!
多々良の無念と未来への一歩を描いた”mix juiceのいうとおり”
本作の主人公の多々良は競技ダンスと出会ったおかげで熱中出来るものを見つけたものの、幼い頃からダンスをやっていた実力者との差を目の当たりにします。
「もっと早くダンスに出会わなかったんだろう」
多々良は天平杯で体力が切れそうになり、仙石さんが教えてくれた特別なバリエーション(振り付け)ができなくなった時に、このように考えてしまいした。ダンスに出会わなかった自分自身の過去を悔いているのです。
ですがこの曲では過去なんて忘れて、一生懸命頑張ればなんとかなるんじゃないかと思う希望を歌っています。
歌詞の中でも過去をイメージさせるような表現が何回も出てきますが、その度に嫌な過去と向き合うよりも、理想の自分の姿をイメージして努力し続けた方が良いということが描かれています。
ダンスと出会わなかった過去と向き合う必要はないから、ダンスという熱中できるものを見つけた今の自分と真剣に向き合えばよいというメッセージ性を感じました。
社交ダンスの激しさをメロディーで表現した”徹頭徹尾夜な夜なドライブ”
本作を読んで社交ダンスは激しく情熱をぶつけ合うものだと分かりました。
この曲の激しいメロディーは、キャラクター達のダンスにかける情熱と、試合前の高ぶる感情を示していると解釈できます。
曲と作品を見比べる内に、メロディーと富士田多々良たちのダンスにかける情熱的な感情が曲の激しいメロディーとシンクロしていくのです。
本作では試合中に女性はヒールを履かなくてはいけないので、常時転倒してしまう危険が付きまといます。
パートナーと体を寄せて踊っているので、転倒してしまうと共倒れになってしまい減点される要因になってしまうのです。
このような試合中どんなハプニングが起こるのか分からない、ハラハラした感情をうまく表現していると考えます。
社交ダンスを題材にした作品ならではの、試合前の高ぶる感情と試合中のハラハラしたスリル感を表すのにピッタリな曲でした。
テレビアニメ1クール目オープニングテーマに起用された”10% roll, 10% romance”
この曲は本作のアニメ版第1話から第11話にかけてオープニングとして起用されていました。
多々良から見た真子を表現した曲
この曲を初めて聴いたときは社交ダンスと出会う前の多々良のことを歌っていると思っていました。
しかし曲を聴くにつれて多々良自身のことを歌っているわけではなく、彼から見た”赤城真子”のことを描いていることが分かります。
真子はダンサーとして優秀であるものの主体性がないので、パートナーである兄の”赤城賀寿”を怒らせてしまい、カップルが解消しそうになりました。
この曲では真子に主体的になって自分のダンスをもっと表現して欲しいという多々良の期待が込めれられているのです。
この曲が示すフレームとは?
本作においてフレームとは額縁、リーダーである男性の事で、女性はフレームの中に入る花として表現されていました。
例えば賀寿のダンスは荒っぽく自己主張が強いので、派手なフレーム(額縁)として例えられます。
しかし天平杯が始まる前の多々良は、ダンスを始めたばかりなのでスタートラインにも立っていない状態でした。なのでどのようなフレームをしているのか分からなく、ダンサーとしての才能は未知数です。
この曲におけるフレームとは仙石さん達の、多々良に対して期待する気持ちが現れていると考えます。
ドアはリードの事
サビに入る前のドアもこの曲における重要な要素だと言って良いでしょう。
本作では本来女性にとっての理想のリードとは、男性がドアを開けて女性に道を譲るのが理想だと表現しています。
多々良のリードは他のリーダーとは違い、自分よりもパートナー重視のダンスをします。
それと同様にこの曲におけるドアを開けるという表現も、多々良の女性に対しての優しさと、パートナーに輝いて欲しいという期待が込められています。
テレビアニメ2クール目オープニングテーマとなった”Invisible Sensation”
この曲はアニメ版の『ボールルームへようこそ』の第12話から第24話 (最終回)までのオープニングテーマです。
2人の挫折と葛藤を表現
この曲の歌詞を読んでみると時折厳しし言葉や表現が使用されていることがわかります。
その理由は多々良とパートナーである”緋山千夏”の挫折を表現したかったのではないかと考えました。
千夏は良いパートナーが見つからなかったのが原因で社交ダンスの世界から離れていました。しかしその間もダンスを続けたいと思い続けており、雑誌などを処分しきれずにいました。
一方で多々良も周りのリーダー達と比べると自分の実力が劣っていると実感して苦悩していきます。
この曲は2人のダンスと真剣に向き合うことで生まれる苦悩を描いているのです。
アニメ最終回では今までのシーンを振り返る場面も
アニメ版の最終回にて多々良と千夏が踊るときに今までのOPを振り返るようなシーンがたくさんありました。
最初のオープニングとなった”10% roll, 10% romance”映像の冒頭シーンで多々良は”花岡 雫”とペアを組んでいました。
しかしアニメ最終回では、パートナーを雫から千夏に差し替えられています。
これは2人が衝突を重ねてやっとカップルとしてスタートラインに立てたということを表現する演出ですね。
そして”Invisible Sensation”のオープニングムービー冒頭の、多々良の瞳に千夏が映り込むシーンでは、カット全体が暗くなっています。
一方でアニメ最終回にて2人が踊った時は、全体的に明るいカットになっていました。
このシーンは多々良が千夏という人間とどのように向き合って良いかを理解し、2人なら最高のダンスができることを確信したことを表しているのでしょう。
まとめ
今回は『ボールルームへようこそ』とUNISON SQUARE GARDENの楽曲との関連性について解説しました。
コラボした楽曲の順番に聞いてみると、曲の解釈が変わって面白いですよ。
ぜひ『ボールルームへようこそ』の原作やアニメとともに、紹介した楽曲にも注目してみてください。
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