壮絶すぎる半自伝的漫画!ふみふみこ先生最新作『愛と呪い』が心に突き刺さる!

壮絶すぎる半自伝的漫画!ふみふみこ先生最新作『愛と呪い』が心に突き刺さる!
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。
   

ふみふみこ先生の最新作『愛と呪い』という漫画を知っていますか?
”半自伝的”と銘打たれた今作は、ふみふみこ先生ご自身の壮絶な人生そのものが原作となっています。
今回は、その衝撃的すぎる内容を紹介します。

『愛と呪い』ってどんな漫画?

 

物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。

(C)ふみふみこ/新潮社
引用元:Comee.net

2018年6月9日に発売されたばかりのふみふみこ先生最新作。
内容は、とても衝撃的なもので、読んでいて胸が締め付けられるような気持ちになります。

ふみふみこ先生のツイートに、「この作品は売れないかもしれないけれどどうしても描きたい」と編集長にお願いしたというエピソードがありました。

 

 

それほどまでにふみふみこ先生が描きたかったこととは一体何なのか。
次項からその内容に少し触れていきます。

『愛と呪い』の作者・ふみふみこ先生と主人公・山田愛子

この作品は”半自伝的”ということで、ふみふみこ先生の実体験が元に創作されている漫画です。

主人公・山田愛子の壮絶な少女時代がとても恐ろしく、思わず目を背けたくなります。

物心がついた頃から続く父親からの性的虐待。
それを見て笑う母親と祖母。
宗教にのめり込む家族や学校の友人たち。

小・中学生時代の愛子を取り巻く人たちは、決して”普通”ではありませんでした。
周りがそんな状況なので、どんなに辛くても怖くても、誰にも助けてもらえないのです。

まだ中学生の愛子が、この世界も家族も自分自身もすべてを誰かに殺してほしい、と涙ながらに願ってしまうシーンは胸が痛くなりました。

”半自伝的”ということで、どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのか、読者にはわからないところにもゾッとします。

実際にあった事件ともリンクしている

『愛と呪い』では、阪神大震災、地下鉄サリン事件、酒鬼薔薇聖斗事件など、90年代に実際に起こった大きな出来事が取り上げられています。
86年生まれの僕も幼いながらもその年代を生きていたので、作品をよりリアルに感じることができました。

震災で弟を亡くした子が宗教を信仰しなくなったり、愛子の苦悩のシーンとともに酒鬼薔薇聖斗の犯行声明が取り上げられていたり、現実の事件と漫画がリンクしていることで、読者はさらに深くまで引き込まれます。

現実とリンクした生々しい内容に対して柔らかい絵柄のギャップがさらにクセになります。
辛くて痛くて読み進めるのが怖くなってしまうほどの内容なのに、ページをめくる手が止まりませんでした!

浅尾いにお先生とふみふみこ先生の特別対談

巻末では『おやすみプンプン』『ソラニン』などの著者として知られる浅野いにお先生とふみふみこ先生の特別対談も収録されています。
90年代真っ只中を生き抜いたお二人の、この作品に対する想いや捉え方がわかる内容となっていて、とても読み応えがありました。

その中でも、浅野いにお先生の

 

『愛と呪い』を読んでいて一番怖かったのは、性的虐待する父親を見ながら母親がずっと笑っている場面なんですよ。お父さんだけがおかしいんじゃなくて、家族もおかしいっていうのは、僕には想像できない部分だった。こういう、ふみさんにしか分からないディテールが入ってるから、この話はすごい説得力がありました。

引用:ふみふみこ先生/新潮社『愛と呪い』 1巻205頁

 

という言葉にはすごく共感しました。

性的虐待をする父親を見て家族が笑っている、というのはたしかに怖いシーンなのですが、猟奇的で異常なシーンであることもあり、自身の経験などからはなかなかリアルに想像できない状況です。
なので、普通の作品でこういうシーンを見ても、「気持ち悪いなあ」とどこか他人事のような感覚で終わっちゃうと思うんです。
でも『愛と呪い』の場合は、ふみふみこ先生の実体験を元に描かれている、という土台があるため、怖すぎて非現実的に感じるような場面も、まるで自分の身に起きているかのように鮮明に突き刺さってきます。

愛子の弟が、オウム真理教の麻原彰晃の歌を口ずさんだときの家族の反応が、いわゆる”普通の家族”の反応とは違って、オウム真理教ではないけど他の宗教にのめり込んでいる家族ならではの反応だったことも、ふみふみこ先生ならではのディテールだと思います。

そういう細かい部分が作品をよりリアルに感じさせるのもポイントです。

まとめ

いかがでしょうか?
丸くて優しいタッチの絵ですが、内容はとても重苦しくドロドロしたものです。

漫画というのはどんなリアルな内容でもどこか非現実的で他人事だと思ってしまうものだと思うのですが、この作品に関しては作者さんの実体験が基になっているということで、「もし自分だったら……。」と読者がまるで自分のことのように真剣に入り込んで読めるのです。

面白いという表現が適当であるかはわかりませんが、第一話から完全に引き込まれてしまう、非常に”面白い漫画”だと思います。

暗くて重い内容ばかり続くので読者を選ぶ作品ではあると思います。
しかし、帯の担当編集者のコメントに『すべての読者に捧ぐ救済の物語』とあり、ネットでも「この漫画の存在に救われた」「ひとりじゃないと思えた」など、この漫画に心を救われた読者の声もたくさんあがっています。

楽しい漫画ではありませんが、ものすごく考えさせられる漫画です。
是非いろんな方に読んでいただきたいと思います。

 

物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。

(C)ふみふみこ/新潮社
引用元:Comee.net

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