「逃げきれたら結婚する」誘拐犯と被害者の歪な愛の形を描いた話題作『幸色のワンルーム』をご紹介

「逃げきれたら結婚する」誘拐犯と被害者の歪な愛の形を描いた話題作『幸色のワンルーム』をご紹介
     
元少女漫画大好き芸人。今はComeeの中の人をやってます。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。

2017年にネットを中心に大きな話題となった『幸色のワンルーム』という漫画をご存知でしょうか?
作者のはくり先生Twitterpixivで公開されたことをきっかけに注目を集め、後に書籍化。
2017年4月の『このマンガがすごい!』オンナ編で第7位、同年6月に開催されたWEBマンガ総選挙で第3位に選ばれました。

2018年7月からはTVドラマの放送も開始される大人気漫画です!

「誘拐犯」と「被害者」の関係である主人公2人の、恋愛でも友情でも家族でもない、いびつな愛の形を描いた本作の魅力を紹介します。

『幸色のワンルーム』ってどんな漫画?

その日、少女は誘拐された。しかし、それは少女にとって一縷の希望にかけた生活の始まりだった。少女は誘拐犯に結婚を誓い、誘拐犯は少女にたくさんの“幸せ”を捧ぐ。被害者と誘拐犯の関係なのに―――どうしてこんなに温かいの? pixiv&Twitterの超話題作が待望の書籍化!!! 半分以上が本書限定の描き下ろしエピソードを収録!!

(C)2017 Hakuri
引用元:Comee.net

 

“お兄さん”と呼ばれる青年は、毎日密かに盗撮や尾行などのストーカー行為をしていた14歳の“少女”を誘拐します。

誘拐された少女はそんな状況にも関わらず誘拐犯のお兄さんになついています。
両親から虐待され、学校ではいじめられ、教師からも暴行を受けていた、どこにも安らぐ場所がなかった彼女にとって、お兄さんは《救世主》のような存在だったのです。

 

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

「誘拐犯」と「被害者」という立場の2人が、警察や探偵の捜査から逃れながらの共同生活の中で少しずつ心を寄せ合っていく、というお話です。

お兄さんの名前は不明で、少女も作中ではずっと“お兄さん”と呼んでいます。
元々は少女のストーカーで、自室の壁は少女の盗撮写真で埋まっているほどの異常さを持つものの、危害を加えるつもりや下心などは一切なく、少女に対してとても優しく接します。
「誘拐犯」という立場ではありますが、とても優しくて穏やかで、少女を守り幸せにすることを何よりも優先しているようです。

少女も本名は不明で、自分を虐待し続けた両親につけられた名前は捨てて、お兄さんが「君が幸せになれるように」という願いでつけてくれた“幸(さち)”という名前を名乗ります。

幸は虐待やいじめを受け続けていたことで恐怖心や痛覚が麻痺してしまっています。
自分をストーカーし誘拐したお兄さんが異常であるとも認識はしているけれど、それよりも地獄から自分を救ってくれたという事に感謝し信頼しています。

そして2人は「誘拐犯と少女」という関係をなんでもない会話に溶かして濁しながら日常生活を送っています。

 

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

このページだけを見ると、2人が誘拐犯と被害者にはまったく見えないですよね。

現実に背を向け、目の前で繰り広げられる異常を、何事もないかのように振る舞う姿とシリアスなストーリー展開、警察や周りの人達にバレないかという緊張感。
それぞれのバランスが絶妙すぎて夢中になります!

ワンルームで交わした約束

第一話で、2人はある大事な約束をします。

幸がお兄さんに「ゲームをしよう」と提案するのです。

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

 

 

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

 

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

 

この約束のために、これから二人はいろいろな障害を乗り越えようと協力し、少しずつ心を寄せ合っていくのです。

「誘拐犯と結婚するか、死ぬか」という極端な未来しか選ぼうとしない幸は、虐待やいじめに疲れ果ててもう人生を捨てているのかもしれません。

でも幸は自分が変なことを言っているという自覚は持っているのです。
お兄さんが異常だということもちゃんと理解しています。

それでも、お兄さんと一緒に逃げることを選んだのは何故か?
幸は恐怖心が麻痺しているので、もちろん怖くて逃げられなかったわけではありません。
お兄さんが幸を部屋に残して買い物に行ったときも、逃げようと思えばいくらでもチャンスはあるのに、逃げるどころか寝転がって雑誌を読んでくつろいでいました。

幸は単純に、お兄さんと一緒にいたかったのです。

幸がお兄さんと一緒にいたい理由

先程も述べましたが、幸はお兄さんが異常であることは理解しています。
結婚するか死ぬかという約束も、二人の共同生活も、どれも普通ではない歪なものであるとわかっているのです。

それでもお兄さんと一緒にいようと思ったのは、お兄さんが幸にはじめてをたくさん教えてくれたからです。

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

お兄さんに誘拐されて、生まれて初めて夕日が綺麗だと思えた。
誰かに好きだと言われたのも生まれて初めて。
誰かが自分のためにご飯を作ってくれたのも、誰かに頭を撫でてもらったのも初めて。

今まで不幸すぎる人生を送ってきた幸にとっては全部が初めてのことで、それが幸にとってはこの上ない幸せだったのです。

テレビの中では、幸を心配する世間の声や、お兄さんを非難する声が聞こえてきますが、幸は皆は何もわかっていないと言います。
皆の言ういわゆる普通の幸せと自分の幸せは違うんだ、と。

お兄さんといることが幸せだと感じている幸の気持ちは、幸以外の誰にも理解できないことなのかもしれません。
幸が14年間生きてきた中で、幸の欲しい言葉をくれたのは、誘拐犯のお兄さんだけだったのだから。

だから、第三者から見れば二人の関係は歪んでいるのかもしれませんが、幸はそのことに気づかないフリをして、すがるのです。

予想外の大どんでん返し

序盤からずっと歪な関係ながらも寄り添い合う二人の姿が描かれるのですが、二人ともお互いに本心を隠していそうな描写が見られます。

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

 

(C)Hakuri / SQUARE ENIX

このようなシーンがたまに出てくるので、一見幸せそうな二人が実際には心の中ではどう思っているのかわからなくなります。

実は幸せそうに見える二人の関係は脆いもので、いつかどちらかの本心が明らかになったときに簡単に崩壊してしまうんじゃないか、とハラハラします。

それでも二人の幸せを願いながら読み進めていくのですが、、、

なんと、第4巻でお兄さんの口から二人の関係を大きく揺るがす可能性のある衝撃の事実が明かされます。

ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、僕はこの真実を知って一瞬頭が真っ白になり固まってしまい、慌てて第1話からもう一度読み返してしまいました。

それほど衝撃的でした。

すべてがひっくり返るようなお兄さんの告白を、是非ご自身の目で確認していただきたいです。

まとめ

いかがでしたか?

逃げきれば結婚、逃げきれなければ一緒に死ぬ。
二人の未来はどちらに転ぶのでしょうか。
もしくは、そのどちらでもない未来が待っているのでしょうか。

『幸色のワンルーム』WEBマンガ雑誌ガンガンpixivにて連載中。
単行本は4巻まで発売されており、ガンガンpixivでは読めない話まで読めますので単行本で読まれることをぜひお勧めします!

これからも二人が辿る数奇な運命から目が離せません!

2018年7月から朝日放送でTVドラマ化もされるので、そちらも楽しみ。

はくりさんのTwitterアカウント(@89hakuri)では作品の最新情報が随時更新されていますのでこちらものぞいてみてくださいね。

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