【W杯を全力応援!】日の丸背負っていざ世界へ! 『キャプテン翼』のスーパーゴール集【ジュニアユース編】

【W杯を全力応援!】日の丸背負っていざ世界へ! 『キャプテン翼』のスーパーゴール集【ジュニアユース編】
     

サブカルクソ研究者。
英文学・言語学・メディア記号論を専攻。
新聞社を退職後、翻訳補助を通じて総合文化研究に携わるも、中の人がどオタクであった為に、研究対象は漫画、アニメ、ゲーム等に限られる。Twitter→@semiotics_labo

   

2018 FIFAワールドカップ ロシア大会が開催されました。
本田圭佑選手が1966年以来、史上6人目となる3大会連続ゴール&アシストを決めるなど、日本の快進撃はまだまだ続いておりますが、今回も引き続き、伝説のサッカー漫画『キャプテン翼』のスーパーゴールシーンをお届けします。

引用元:Comee.net

ジュニアユース編では、「自分達のサッカー」というキーワードが何度も出てきます。
南米スタイルでもヨーロッパスタイルでもない、アジアスタイルの日本のサッカー(J・BOY’S SOCCER)をすると、全日本チームがこの合言葉のもとに統一されています。

現在ではポゼッション重視のパスサッカーの意味で使用されている言葉ですが、この頃はもう少し根源的な意味を持っておりまして、トータルフットボールの考え方にある「メンタリティー」を説明するのに用いられています。

サッカーとは面白いもので、個が秀でた国で11人集めれば、我が強く他人を低く見るチームになり、劣勢時ほど統率が取れなくなる。
組織を重んじる国で11人を集めれば、いざという時に決断力の足りないチームになり、練習でやってきた事が通じない相手に手も足も出なくなる。

対する日本は、真面目で愚直。
11人全員が日の丸への帰属意識が高く、自分達のサッカーを頑としてやり通す、職人気質のサッカーなのです。

フランスユース代表、華麗なるフィールドの薔薇こと”エル・シド・ピエール”くんは、退場で1人欠いた後にも追いついてきた全日本チームを、このように評しております。

ひとり抜けた穴を全員でふさぎ、守り切り、そして全員で攻撃してくる。
南米スタイルでも、ヨーロッパスタイルでもない、これが日本のサッカー。

引用:高橋陽一/集英社『キャプテン翼』ビッグボリューム版19巻

 

作中では、五輪代表チームの監督代行を務めたデッドマール・クラマー氏の「大和魂」という言葉を翼くん達のサッカーに引用していて、様々な局面を魂のプレイで乗り切ります。
ゲーム版の仕様で例えるなら、基礎能力が高く設定されているのが外国ガッツを消費しながら戦うのが日本、といった所でしょうか。

全体的に大味な試合展開だった中学生編とは異なり、チームプレイが復活したジュニアユース編は、好バウトの連続です。

初代『キャプ翼』を締めくくるワールドクラスのゴールの数々を見ていきましょう。

『キャプテン翼』のスーパーゴール集・ジュニアユース編

全日本ゴールデンコンビ(翼、岬)

 

第1回フランス国際jr.ユース大会の予選グループにて、黄金の右腕、”ジノ・ヘルナンデス”くんを破ったイタリア戦でのベストゴールです。

イタリアのパーフェクトキーパー・ヘルナンデスくんの指示で翼くんと岬くんに2人ずつマークが付き、ゴール前に固い守備が敷かれる状況で、岬くんのドリブル突破から翼くんに横パス、翼くんがオーバーヘッドを空振りさせて逆の足で岬くんにリターンパスし守備を突破。
岬くんがダイビングヘッドで合わせるも、ヘルナンデスくんの右腕に防がれそうになった為、再度翼くんに戻して2発目のダイビングヘッドで決めます。

翼くんへのラストパスがオフサイドくさい

のですが、そこは勢いで何とかしました。

対戦相手のレベルが格段に上がった事で、「こんな凄いチームからどうやってゴールを奪うのか?」と衝撃を受ける読者にもたらされた描写が、後半から投入された岬くんとのコンビネーションからの得点です。

ヘルナンデスくんは世界大会序盤の壁にして、全日本チームの戦い方を提示した最初の相手であり、ドライブシュート、隼シュート、カミソリシュートを立て続けに防ぐなど、日本のライバル達が開発した必殺技が全く通用しませんでした。

試合途中から岬くんが出場、岬くんのダイビングヘッドからの折り返しを、翼くんがダイビングヘッドで決め、難攻不落のゴールキーパーを破る流れは、”若林”くん率いる修哲小との対抗戦の試合になぞらえてあるのです。

やっぱり『キャプ翼』はこうでなくっちゃ!

ミラクルオーバーヘッド(ディアス)

 

同じく世界大会の予選グループ、アルゼンチン戦で前半開始1分で失点。
決めたのはアルゼンチンの至宝こと、天才・”ファン・ディアス”くんでした。

日本のディフェンスの要、”松山”くんのスライディングを足を踏み台にしてジャンプ、ボールに右カーブをかけて後ろから走ってきた相棒の”パスカル”くんへと渡し、その間に守備の間を側転ですり抜け、バク転からのバク宙でオーバーヘッドを決めるという、凄まじいまでの美技です。

『キャプ翼』で登場するオーバーヘッドは、体を180度捻りながら打つのがほとんどで、捻った方向に力が拡散する為、キックの衝撃をボールに伝えきれていません。
この技は側転→バク転で体を反転させてから、勢いを付けたままオーバーヘッドを放つ為、威力は運動力学にも適った申し分のないもの。

別名・バク宙オーバーヘッドと呼ばれるこの技は、ボールに合わせるタイミングが極めて難しく、ディアスくんの天才性をよく表しています。
それを難なくこなすマラドーナ2世・ディアスくん凄い。

そしてそれを練習無しのアドリブで真似する翼くん凄い。

大人になってから後のシリーズでも時々使用されていますので、この2人はジュニアユース時代には既にプロの域に到達していたという事になります。
もっとも、その頃には翼くんのライバルの座は、ブラジルの若きサッカー王、”ナトゥレーザ”くんに引き渡されるのですが…。

スカイラブツインシュート(立花兄弟、次藤)

 

強敵・アルゼンチンに前半で3失点を喫した日本が、ドライブパスからのタイガーショットで1点を返した後のシーン。

「いくぞ次藤!!」→「おうタイ」

“立花兄弟”の掛け声を合図に、パワーディフェンダーの”次藤”くんが発射台となり、

「よし」→「いけェ」→「タイ」

と、立花兄弟を両足に乗せて前方へ発射。
翼くんからのセンタリングに合わせて、空中姿勢から双子のツインシュートを放つ、作中でも有名なスカイラブハリケーンの発展技で2点目を奪います。

「や…やったァ」→「きまった!!」→「やっタイ」

 

発射台の人がもはや「タイ」しか言ってねえ。

 

着地が未完成の技だったそうで、立花兄弟はこのシュートの後に左右のゴールポストに直撃し、無念の負傷交代となります。
小学生の頃からオーバーヘッドや空中技で負傷してたしなあ…。

とは言え、全日本チームにとって貴重なゴールであり、怪我をするリスクを取るより貪欲にゴールを狙いに行く事を選んだのが、ジュニアユース編のキーワードとなる「大和魂」を象徴していました。
数多く存在する合体技の中で最もインパクトを与え、読者の心を鷲掴みにした点でも、サッカー漫画の後進に多大な影響を与えたと思います。

ツープラトンダイビングヘッド(日向、沢田、翼、岬)

 

フランス国際jr.ユース大会の決勝戦の相手は、最強の敵・ドイツ。
ドイツのゴールキーパー、鋼鉄の巨人の異名を取る”デューター・ミューラー”くんは、身長2mの15歳、サッカーボールを片手で握りつぶすほどの握力の持ち主であり、翼くんと日向くんの合体技、ドライブタイガーツインシュートまでワンハンドキャッチされ、全日本チームに絶望感が広がっていました。

それでも勝利を諦めない日本に、「これがヤマトだましいか」と、さしもの皇帝、”カール・ハインツ・シュナイダー”くんもたじろいだ所にチャンスが生まれます。

シュナイダーくんからの横パスを受けた中盤のテクニシャン、”シェスタ―”くんのダイレクトシュートを、日本が誇るSGGK(スーパグレートゴールキーパー)若林くんが何とダイレクトで打ち返して80m先のゴール前まで一気に運び、”日向”くんと”沢田”くんの東邦中コンビがオーバーヘッドとジャンピングボレーでツインシュート。

2人のキック力に差があった為、このシュートは右に大きく曲がって岬くんへのパスとなり、岬くんがそれに合わせてダイビングヘッド。
ミューラーくんはこれも止めてしまいますが、ブロックされた後ろから翼くんが岬くんの両足をドロップキックしてプッシュするという超絶技で、ついにゴールを割ります。

若林 → 日向・沢田 → 岬 → 翼

と、全日本チームの総力を結集して奪ったゴールは、初代『キャプ翼』の中でも最もテクニカルなゴールに数えられる1つです。

惜しむらくは、翼くんの最後のドロップキックが

高確率でファウルを取られる

事でしょうか。

サッカー漫画だから許される事もあります…。
翼くん…。

バー当てドライブオーバーヘッド(翼)

 

初代『キャプテン翼』の最後にして、最高に熱い必殺技。
翼くんの師・”ロベルト本郷”が最初に教えてくれたバー当てオーバーヘッドを、決勝ゴールに使用する見事な展開で、ドイツの鋼鉄の巨人を打ち破ります。

小学校からのチームメイト“石崎”くんが顔面ブロックで負傷退場し、

この試合の決勝ゴールをうばうのはおまえしかいないんだ!!

引用:高橋陽一/集英社『キャプテン翼』ビッグボリューム版19巻

とベンチサイドから声を送る後半ロスタイム。
岬くんから上げられた左サイドからのセンタリングを、日向くんがスルーして翼くんに託し、ノーマークから放たれたジャンピングボレーをシュナイダーくんに一度は防がれるも、上空高く打ちあがったこぼれ球にいち早く反応して空中でドライブシュート。

ミューラーくんの頭上を越えたシュートは惜しくもクロスバーに当たり、ゴールならずと思われたその時、跳ね返ってきたボールを、地面スレスレ超低空で飛びオーバーヘッドの姿勢から再びドライブシュート。

逆さまの姿勢で打ったドライブシュートは、ミューラーくんの手に収まる手前で急激に浮き上がり、ゴール上のネットを突き破って、日本の勝利を高々と示しました。

 

ドライブシュートをオーバーヘッドで打つとホップするか?
という理屈が正しいかどうかなんて、もはや関係ありません。

 

小学校からのチームメイトの声援を受け、

小学生時代からの大技で決勝ゴールを奪う。

 

この一連の流れが、抜群に格好良すぎます。

初代『キャプ翼』の中でも間違いなくこれがベストゴールです。
最高です。

その他のシュート

ファイヤーショット(シュナイダー)
ドイツの若き皇帝・シュナイダーくんの必殺技。
その名の通りこのシュートは実際に燃えていて、ゴールインしたシュートが回転の摩擦により焦げくさい臭いを放っているとか何とか。
若林くんの帽子を引き裂き、クロスバーに当たるとボールが四散する威力で、まともにセービングしようとした若島津くんは右手を砕かれた。

ネオタイガーショット(日向)
ファイヤーショットの威力を見た日向くんが、通常の3倍の重さのブラックボールで鍛えなおし、改良を重ねたタイガーショット。
これを受けたヘルナンデスくんは、右手の人差し指と中指を骨折し全治1ヶ月、黄金の右腕を失い、アルゼンチン戦に出場出来なかった。
いよいよキーパーが重症を負うほど威力がやばい事になってる。

前転シュート(ディアス)
前転して踵落としシュートで全日本から2点目を奪った、ディアスくんの必殺技。
翼くんも小学生の頃に同じ技で点を取った事があるが、ディアスくんのは右カーブがかかっており、さらにレベルが高くなっている。
ゲーム版『キャプ翼』の必殺技、ネオサイクロンが誕生するヒントとなる。

8人抜きゴール(ディアス)
ディアスくんの4点目、マラドーナの5人抜きを越える8人を抜いてゴール。
何で6人じゃなく8人なんだろうと薄っすら思いつつ、全日本チームが元祖天才・”三杉”くんを投入する布石となっている。
三杉くんのオーバーヘッドでアルゼンチンとの死闘を制し、逆転勝ち。

キャノンシュート(ナポレオン)
フランス代表の点取り屋、”ルイ・ナポレオン”くんの必殺技。
ジャイロ回転が掛かったシュートで、キャッチしたキーパーの手に納まりきれず、なおも回転している。
ワールドユース編以降のインフレに押され目立たなくなった技の代表格

スライダーシュート(ピエール)
同じくフランス代表の司令塔、ピエールくんの隠し玉。
ドライブシュートを前に押し出すように蹴ると、キーパー手前で小さくストンと落ちるシュートになるのだそう。
野球のカーブとスライダーの違いと同じであると説明されていますが、ボールの回転の掛け方から言って多分それはスライダーじゃない

まとめ

以上、ジュニアユース編のスーパーゴール集でした。

『キャプテン翼』のゴールシーンを3回に渡って振り返ってきましたが、やはりサッカーの面白さは、いかにして得点するか、これに尽きると思います。
ワールドカップではどんなゴールが生まれるのか、日本代表の活躍に期待しましょう!

 

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