【ロングインタビュー・前編】少女漫画大好き芸人・別冊なかむらりょうこ!彼女が歩んできた”まんが道”

【ロングインタビュー・前編】少女漫画大好き芸人・別冊なかむらりょうこ!彼女が歩んできた”まんが道”
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。

今回はいつものオススメ漫画紹介記事とは趣向を変えまして、少女漫画大好き芸人“別冊なかむらりょうこ”さんにインタビューをしてきました!

なかむらさんにインタビューをするのは、元・少女漫画大好き芸人である、わたくし田舎はるみです!

 

 

左:田舎はるみ 右:別冊なかむらりょうこ

 

芸人時代から少女漫画仲間として大変お世話になっていた先輩であるなかむらさんに、少女漫画のことを存分に語っていただきました!

 

【プロフィール情報】

 別冊なかむらりょうこ(中村涼子)
ワタナベエンターテインメント所属のピン芸人・中村涼子の別名義。
少女漫画あるあるを盛り込んだ一人コントやモノマネなどで大活躍中!
2017年の『女芸人No.1決定戦 THE W』にて決勝進出。
漫画関連の活動をする際には「別冊なかむらりょうこ」を名乗っている。

「別冊なかむらりょうこ」が誕生するまで

『みい子で〜す!』から始まった少女漫画ライフ

田舎: お久しぶりです!先日は、Comeeの特集『別冊なかむらりょうこが厳選!少女漫画50選』にご協力してくださってありがとうございました!

なかむら: いえいえ、50作品選ぶのめちゃくちゃ楽しかったです!ありがとうございました。今日もよろしくお願いします!

田舎: こちらこそ、よろしくお願いします。では早速ですが……なかむらさんが少女漫画にハマったきっかけをお聞きしたいんですけど、初めて読んだ少女漫画って覚えてますか?

なかむら: 小学館の『ちゃお』でやっていた『こっちむいて!みい子』の前身の『みい子で〜す!』だと思うんですよ。で、そのあと『あさりちゃん』にハマりました。
幼稚園の頃だったんですけど、その頃って恋とか何もわからないから、なんか変な顔とかをしてくれるような漫画ばかり読んでましたね。

田舎: ギャグとかコメディ色が強めの少女漫画が最初だったんですね。

なかむら: そうそう!ストーリー性もありつつ、ギャグとかコメディがあってクスッと笑えるような。で、たまに泣ける回とかもあるんだけど、その頃はまだ小さいからちょっと理解できなくて。

 

 

なかむら: そのあと魔法少女アニメの『魔法のプリンセス ミンキーモモ』を、「少女が魔法の力で変身したりするのが、なんて可愛い世界なんだろう」って思って見ていたら、『美少女戦士セーラームーン』が始まって。

田舎: 僕たちモロにセーラームーン世代ですもんね。

なかむら: ド世代ですよね!そのあとくらいに『りぼん』『ちゃお』『なかよし』を姉・友達・私でぐるぐる回して読んで小学校低学年くらいを過ごしていた時に、ちょうど90年代『りぼん』アニメの全盛期が訪れるんですよ!『ご近所物語』とか『ママレード・ボーイ』とか。

田舎: なつかしい!『こどものおもちゃ』とか。

なかむら: そうです!そんな感じで子供の頃からずーっと少女漫画が身近にありましたね。でも単行本はあんまり買ってもらえないから、月1回発売される雑誌を買ってもらって読んでました。たまにお金持ちの友達の家に遊びに行って漫画読ませてもらったり、近所の公民館に漫画コーナーができた時にはそこにいって読んだり。で、その公民館の漫画の中にいきなり『別冊フレンド』とか、小学館系のお姉さん向けの漫画とかがあって衝撃を受けましたね。

田舎: 『別冊フレンド』とか、小学館の『Sho-Comi』とかって『りぼん』『ちゃお』『なかよし』より、ちょっと刺激が強い漫画が多いですもんね。

『りぼん』『ちゃお』『なかよし』卒業or進学 (稀に留年も!?)

田舎: ちなみに僕は10歳くらいから「りぼんっ子」でした。今もですけど。

なかむら: 『りぼん』『ちゃお』『なかよし』の中で、なんで『りぼん』だったんですか?

田舎: 初めて読んだ少女漫画誌が妹から借りた『りぼん』だったからです。その当時連載されてた『グッドモーニング・コール』の、中学生の男女がルームシェアしちゃうっていう設定に子どもながらにすごくドキドキしたのを覚えています。漫画を読んで「ワクワク」じゃなくて「ドキドキ」や「キュンキュン」を初めて感じたのが『りぼん』でしたね。でも『ちゃお』と『なかよし』も読んでましたよ!『エンジェルリップ』とか。

なかむら: 出た!私めちゃくちゃ大好きなんですよ!ちょっと語っていいですか!?

田舎: どうぞ(笑)

 

 

なかむら: その前にまず『りぼん』『ちゃお』『なかよし』の特色を語りますね!
『りぼん』は一番現実世界に近くて、学園系の漫画が多くて、女の子が3人組くらいでいて、主人公が平々凡々な女の子で、背の高い友達と太ってる友達がいる、みたいな。それが『りぼん』。

田舎: 今も昔も『りぼん』はそういう作品が多いですね。

なかむら: で、『なかよし』は、『美少女戦士セーラームーン』とか『魔法騎士レイアース』みたいな色分けされた女の子戦士達が世界を救う。だけど、そのために必要なのは自分の心の成長であって、心の成長が世界を広げてくれてる、みたいな作品が多くて。

田舎: そうですね、『りぼん』よりちょっとだけ対象年齢が低い分、ファンタジー色が強めというか。

なかむら: そうそう!で、私達が読んでいたときの『ちゃお』って、『なかよし』と『りぼん』のちょうど中間くらいで。例えば、学園から生まれたアイドルとかアクターズスクールの話とか、実際に私達が生きている現実世界なんだけど、その中でも少女たちの憧れの世界みたいなのを描いてくれてて。

田舎: たしかにそうですね、『エンジェルリップ』もまさに。

なかむら: ですよね!『エンジェルリップ』はまさに“現実世界だけど少女たちの憧れ”の、芸能界の話で。魔法のリップを塗ったら過去のトラウマが消えて、自信のある自分になれるっていう、「もしかしたら自分の小学校生活の中でも起こるんじゃないか」みたいな、現実的なワクワクとトキメキをくれてたのが、『エンジェルリップ』であり『ちゃお』だったんですよ。突然ちっちゃな妖精みたいなのが現れて「あなたは戦士なんだよ」って変身させられるとかじゃなくて、一本のただのリップですからね!

 

みきなのお父さんはモデルクラブの社長。みきなも小さい頃は売れっ子の子供モデルでした。だけど、ある事件がきっかけでカメラ恐怖症になってしまい、モデルを続けられなくなってしまったのです。それから10年、一流だったお父さんの会社も今はすっかり経営不振。なんとかしたいと思うみきなですが、未だにカメラ嫌いは直っていません。そんな時、仲良しの華おばあさんから、つければきれいになれるという幻のエンジェルリップの話を聞きます。冗談だと思っていたみきなですが、ある日みきなのもとへ羽根のついたリップが送られてきます。半信半疑に、みきながそれを使ってみると…!?●収録作品エンジェルリップ/みきなのプチモ同行取材記!待望の第1巻!!

(C)あらいきよこ/小学館
引用元:Comee.net

 

田舎: めっちゃわかります!レイアースとかセーラームーンほどのファンタジーではなくて、ギリギリ手の届きそうなファンタジーというか。

なかむら: そうなんですよ!!!あと、恋愛をしなくてもヒロイン達がキラキラしてる感じも、めちゃくちゃいいなと思って。

田舎: いいですよね。僕は『りぼん』がメインでしたけど、それぞれ違う楽しみ方があったから『ちゃお』『なかよし』も読んでました。ただ、『りぼん』は今でも買ってます。

なかむら: 今でもってすごいですよね。

田舎: みんな徐々に『りぼん』『ちゃお』『なかよし』を卒業して、『別冊フレンド』とか『マーガレット』とかに移行していくじゃないですか。

なかむら: ですね。ちょっとお姉さん向け漫画に《進学》するか、そのまま少女漫画を《卒業》するかみたいな時期が来ますからね。

田舎: 僕は進学も卒業もせずにずっと『りぼん』に留年中なんですよ(笑)

なかむら: え、じゃあもう20年くらいずっと?

田舎: はい。もちろん『りぼん』作品以外も読みますけど、主に『りぼん』をずっと太い軸としてる感じですね。

『ガラスの仮面』との運命の出会いが人生を変えた

田舎: なかむらさんにも《進学》するタイミングとかきっかけってありましたか?

なかむら: 私は小学校5年生のときに図書室で『ガラスの仮面』と出会ってしまったのがきっかけでした

 

(C)美内すずえ/白泉社
引用元:Comee.net

 

なかむら: 『ガラスの仮面』を初めて読んだときの衝撃がいまだに忘れられなくて。私が求めていたすべてのものが詰まっていたんですよ。
超絶貧乏な北島マヤが実は才能の塊で、すごく恵まれていてサラブレッドでホープで、この子がいれば女優界は安泰だって言われて、しかもすべてを持っていると思っていた姫川亜弓さんが、マヤを見るたびに「私は何も持っていない」と感じるんですよ!
持たざる者と持つ者の逆転劇ですよね。あの世界に完全に囚われちゃって、まだ今も作品は完結していないですし。

田舎: 多大な影響を受けたんですね。

なかむら: そう!ガラスの仮面を読んだ時に、少女漫画の奥深さを垣間見てしまったというか、そこから猛烈にあらゆる少女漫画を読んでみたいと思うようになりましたね。

田舎: なかむらさんにとって『ガラスの仮面』は人生を変えた作品だったんですね。思い返せば僕も『ガラスの仮面』をきっかけに『りぼん』以外の作品にも興味を持つようになりました。すごい影響力ですよね、まさに伝説の少女漫画ですよ。

なかむら: もう、大・大・大好きな漫画です!

田舎: なかむらさんは『ガラスの仮面』以外にも、Comeeの50選に選んでいただいた『かげきしょうじょ!!』とか『P.A.』とか、お芝居系の漫画がお好きなんですね。

なかむら: そうなんですよ!!あと神尾葉子さんの『キャットストリート』とかも好きです!!

田舎: 僕まだ読めてないんですけど『キャットストリート』もお芝居系なんですね。

なかむら: お芝居系です。あとは、お芝居系じゃなくても、みんなからナメられてる主人公が実は一番の天才だったっていう逆転系のストーリーが大好き。だから少年漫画とか青年漫画もそうで、例えば『BLUE GIANT』とか、何の変哲もないと思われていた男の子がみんなから凄いって言われるみたいな展開がめちゃくちゃ好きなんです。

田舎: めちゃくちゃわかります!読んでて気持ちいいですよねー!『ガラスの仮面』もそうですし。

なかむら: ですよね!!そういう逆転系の中でも、やっぱりお芝居系の漫画が好きですね。『ガラスの仮面』の影響で小学校のときに演劇クラブを作ったんですよ、自分で。

田舎: えーー!すごい行動力ですね!!

なかむら: 実際にある『白雪姫』とかの脚本を書き直して、私が主役の白雪姫をやる、みたいな。

田舎: 自分で作ったクラブだから自分の好きなようにできたんですね(笑)僕も『ガラスの仮面』を読んでからお芝居にめちゃくちゃ興味が湧きましたけど、行動には移してないです。

なかむら: けっこう漫画の影響受けて何かやっちゃうみたいなのあるんですよ。他には『ご近所物語』に影響されて服を全部切り刻んじゃったりとか。

田舎: えっ、服を切るんですか?切るだけ??笑

なかむら: はい。縫う技術はなかったので切り刻むだけでした。

田舎: 影響受けてるなぁ……。

なかむら: あとは『天使なんかじゃない』を読んで生徒会に入ったり、『あさきゆめみし』を読んで文学部日本文学科入って源氏物語学んだり。

田舎: けっこう人生に関わるレベルの影響も受けてますね。笑

かむら: 田舎さんは何か漫画に影響受けてやっちゃったこととかありますか?

田舎: 『愛してるぜベイベ★★』で高校生の結平ゆずゆの親代わりになって幼稚園に送り迎えするじゃないですか。あれにすごく憧れて、高校生のときに勝手に妹を送り迎えしてましたね。妹、中学生でしたけど。

なかむら: キモ!(笑)でも妹さん中学生だったら嫌がるんじゃないですか?

田舎: めちゃくちゃ気持ち悪がられましたよ。

なかむら: 理由とか話しました?

田舎: はい。ちゃんと『愛してるぜベイベ★★』に憧れてるから、って言いましたよ。

なかむら: 気持ち悪いお兄ちゃんだな(笑)

 

読むだけではなく作るにも挑戦!

田舎: それはそうと!(強引に切り替える) 以前、月に200冊ぐらい読んでるって言ってらっしゃったかと思うんですけど、今も読んでらっしゃるんですか?

 

なかむら: いや、最近は読めてないですね。でも、読み切りとか月刊誌とかも合わせて200作品とカウントするのであれば、目には入っているかもしれないです。ただ、今は東村アキコ先生のところでアシスタントをしているので、特典として先生の作品が見れるっていうのがあります(笑)でもやっぱり「漫画を作ってみたい」という欲も浮かんできてますね。

田舎: ご自身で作られたりする予定もあるんですか?

なかむら: そうですね。少女漫画で受けるようなインパクトをイラストとか絵本で描いたり、少女漫画と映画をつなぐ脚本を書いたりとか、そっちの作りたいっていう思いがあります。なので、少女漫画を「描きたい」っていうよりも、少女漫画に触れ続けて「作りたい」が本望です。あとは4コマ漫画とかは描いてみたいです。

田舎: そうなんですね

なかむら: 漫才が好きだからこそ手が出せないのとちょっと似ているかもしれないんですけど、少女漫画に関しても、好きだからこそ私は入りたくないってところまでいってるかもしれないです。

 

まとめ

少女漫画の出会いから今に至るまでの少女漫画ライフを熱く語ってくださった、なかむらさん。

最後に、芸人でありながら今は漫画家のアシスタントをされている中で、芸人と漫画家、同じ表現者として通じる部分について聞いてみました。

 

なかむら: 「通じる」まで言っていいのかわかんないですけど、漫画ってもうパーフェクトな作品だなって思うんですよ。漫画家さんは1枚の紙とペンのみでストーリーや絵・構成・演出の全てを作り上げてるんですね。登場人物たちが生きる道をペンと紙のみで描いてるっていうのが、天才の極みの芸。しかもそれを読者にとんでもないスピードで消化されていくんですよ。何日も何十時間もかけて描いた1話がほんの数分で読まれちゃうじゃないですか。
一方で芸人もネタを考える作家的なところがあります。それをさらに自分で表現して、どうやったら人にもっと伝わるのかっていう演出も自分で考えて。そしてそのネタを猛スピードで消費していくっていうところが通じるところなのかなとも思います。
芸人さん・漫画家さん双方のたゆまぬ努力と、好きだからこそできる感じは美しすぎてまばゆいなって思いますね。

 

両方の仕事に誇りと尊敬の念を感じる、こんな回答をしてくださりました。
少女漫画と共に人生を歩み、今では好きが仕事にもつながり、活躍されているなかむらさんの今後に期待が膨らみますね!

次回記事では、Comeeで特集した『別冊なかむらりょうこが厳選!少女漫画50選』の話や、今イチオシの漫画の話など、漫画を存分に語っていただきます!
少女漫画好きな方、別冊なかむらりょうこファンの方は必見です!
お楽しみに!!

 

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