自虐ネタ、あるあるネタ満載!関東地方を知れるご当地漫画3選

自虐ネタ、あるあるネタ満載!関東地方を知れるご当地漫画3選
     

大学卒業以降職を転々としたが、幼い頃から三度のメシより本が好きなことを思い出し、自分には物書きしかないと一念発起。
現在はフリーライターとしてひた走る。
漫画は少女漫画を中心にオールジャンル読むが、闇が深いものとミステリー要素があるものが考察しがいがあって好き。

   

同じ土地にずっと暮らしていた時は当たり前だと思っていたことでも、その地を離れた時に初めて実感できる地元の慣習ってありますよね。

そんな故郷のあるあるネタを面白おかしくまとめたのが「ご当地漫画」です。

実際に住んでみないと分からないようなご当地情報や、「本当にこんなことがあるのか⁉」 と信じられないようなネタもたくさんあります。

今回は映画化もした話題の作品をはじめとしたご当地ネタや県民性を知れる作品の中でも、関東地方を題材としているものをご紹介します。

『翔んで埼玉』

TV番組で紹介されると共に大きな話題となっている「翔んで埼玉」の全3編! 魔夜峰央先生が埼玉県在住だった当時、埼玉県全体をおちょくった快作です。(この作品は「やおい君の日常的でない生活」に収録されています。重複購入にご注意ください。)

(C)魔夜峰央/白泉社
引用元:Comee.net

ご当地漫画ブームの火付け役と言われているのが『翔んで埼玉』です。

『パタリロ!』の作者である魔夜峰央(まやみねお)先生が描いた作品で、2015年にテレビで取り上げられたことで話題となり、2019年には実写映画化もされることが決まっています。

実際に作品が描かれたのは1982年~1983年のことで、当時新潟県から埼玉県に引っ越してきたばかりの作者が「自分が実際に住んでいる場所をおちょくるのが面白い」と考えて描いた作品です。

埼玉県をこれでもかというほどディスった内容となっています。
まず冒頭からして、「ご存知ない方も多いと思いますが、東京都のとなりに埼玉県というところがあります」というナレーションから始まり、「埼玉県はいまだに年貢を払い、牛や馬に乗って生活している未開の地」として紹介されます。
東京都民からは蔑まれ、東京に行くには通行手形を持って関所を通らなければならず、都内に入ってからも勝手な行動は許されず、高級百貨店をうろついただけで拷問され、埼玉県に強制送還されるような扱いを受けています。

主人公は都内の名門学院に転入した麻実麗(あさみれい)という美しい男子生徒。
アメリカからの帰国子女として人気になりますが、留学前は、埼玉県の所沢にある名家で生活をしていた埼玉県民でした。
権力を理由に威張り散らす東京都民や、やられてばかりの埼玉県民を理解できずにいましたが、自身も埼玉県民であることがバレたことで埼玉県民がどんな扱いを受けているのかを実感した麗は、「埼玉県解放軍」のリーダーとなり、日本の身分制度の改革を志します。

耽美な絵柄ですが、真面目に会話をする登場人物たちのやり取りが面白いシュールな作品です。
埼玉でしか見つかっていない病原菌である「サイタマラリヤ」が登場したり、食堂で埼玉県民が注文できるメニューが「下水ライス」や「犬のよだれご飯」だったりと、徹底的に埼玉県をディスった作品。
タイトルの「翔んで」が何を意味しているのかは不明ですが、とにかくぶっ飛んだ作品で、ひどいと思うよりも先に、面白いと感じてしまいます。
随所に登場する小ネタや、「埼玉なんて言っているだけで口が埼玉になるわ!」といった切れ味抜群のセリフも楽しむことができます。

私も20年余りを埼玉で過ごした埼玉県民です。
埼玉はもちろん良いところもありますが、遊ぶ時はやっぱり東京まで出ますし、都民がわざわざ埼玉まで来るような用事は、さいたまスーパーアリーナでライブを見る時くらいではないかと思います。
そんな東京に対しての自虐精神をうまく言い当てている点が、埼玉県民にも人気の秘密ではないでしょうか?

『お前はまだグンマを知らない』

チバ県からグンマ県に引っ越すこととなった神月。引っ越し先への移動中にネットでグンマを調べてみると、そこに現れたのは恐るべき内容ばかり! 「地球上唯一残された秘境」「とりあえず一番いい装備で行け」等々。一体グンマとはどんな地なのか? 彼の身に何が降りかかろうとしているのか? グンマ在住の作者が圧倒的熱量で描き出す知られざる「グンマの真実」。全国区で話題集中! 100万PVを突破した今一番話題のWEB漫画がついに刊行!!

(C)井田ヒロト/新潮社
引用元:Comee.net

作者の井田ヒロト先生が実際に住んでいた群馬県の経験を元に描かれた作品です。

最初は1ページのおまけ漫画で群馬県の紹介をしていたが、人気が出たため、群馬を舞台にした作品を連載が決定しました。
2017年にはドラマ化、映画化、2018年にはアニメ化がされた人気の漫画。

ちなみに作中に登場する県名がすべてカタカナ表記なのは、訴えられないようにするためとのことです。

高校生の神月紀(かみつきのり)はチバ県からグンマ県に引っ越すこととなりました。
県外から来る者にとってのグンマは、「地球上に唯一残された秘境」や「グンマに行った友達とその後連絡が取れません」という情報が流れる不穏な場所。
グンマに住む人々の異常なまでの郷土愛ゆえに独自の文化や風習があり、それらを知らずにいた神月は、初めはクラスメイトからも受け入れられず、他の県のスパイとして倦厭されるほどでした。
順応性の高さから次第にグンマの生活に対応し、グンマの特殊な文化を知ることになり、トチギ県やイバラキ県、ニイガタ県などの隣接する県との抗争にも巻き込まれるようになります。
グンマ県での高校生活を描いた漫画です。

『おまえはまだグンマを知らない』の魅力は、グンマ県のあるあるネタが豊富なことです。
グンマでの始業、終業時の号令は「起立、“注目”、礼」。
転校初日でグンマの号令を知らない神月は、それだけで抗争中のトチギ県のスパイと断定され、特産品の「ひも川うどん」で拘束されたり、グンマ県の特徴をまとめたご当地カルタである「上毛カルタ」を暗唱できるかどうかや、グンマ県民以外が食べると死に至る「焼きまんじゅう」をよそ者のあぶり出しに利用されたりします。

とにかくぶっ飛んだネタが満載で面白いです。
しかし、号令や”ひも川うどん”、”上毛カルタ”、”焼きまんじゅう”などのネタは実際に群馬県にあるものばかり。
実在する物の豆知識や実際の歴史などをうまく生かしてストーリーを展開させているため、群馬県を知るきっかけにもなりますし、元ネタを知っている人は、より共感しながら楽しむことができます。
また、登場人物たちもグンマへの愛にあふれたキャラの濃い人たちばかり。

群馬県のネタを楽しみに漫画を読み進めるのも良いですが、ストーリー展開も非常に気になる作品です。

『東京都北区赤羽』

2015年1月から放送された「山田孝之の東京都北区赤羽」の元ネタ本!連載を打ち切られ、ほぼほぼ無職となってしまった清野とおるが、心機一転、東京都北区赤羽にお引っ越し。この地で居酒屋“ちから”のマスターとホームレスのペイティさん、後の“赤羽の二大カリスマ”と運命的な出会いを果たす。
※単行本未収録エピソードあり
<第1話 居酒屋ちから(沖縄から来た娘)8P>
※Bbmf製作版「東京都北区赤羽」の内容が含まれます。

(C)清野とおる/双葉社
引用元:Comee.net

タイトルの通り、東京都の赤羽を舞台にした作品です。
作品の愛読者であった俳優の山田孝之さんがこの作品を題材にしたドラマの主演を演じたこともあり、話題となりました。

作者の清野とおる先生ご本人が主人公で、赤羽で一人暮らしを始めたことをきっかけに赤羽の珍名所や、実際に起こった出来事を紹介するエッセイ漫画です。

意味不明なメニューを掲げ、初対面の作者の手相を見て、「何年か後に自殺する」と告げる店主のいる居酒屋や、スナックでカラオケを歌った直後に、隠し撮りされていた自分の歌う姿を店中のテレビに放映される居酒屋、どの階段を使ってもフェンスに阻まれてお参りすることができない神社など、珍名所が続出します。

まさかこんな町が東京にあるなんて……と、話だけ聞いても信じられないような場所ばかりが描かれますが、この作品は、ノンフィクションでありのままの赤羽の姿を描いているということで、ほとんどの描写にモザイク処理がされていたり、登場人物の写真が登場したりと、非常にリアル。

「訴えられたら負ける可能性大なので、なるべく訴えないでください」という但し書きがあるほどです。

読んだら赤羽に行ってみたくなること間違いなしです。
東京新聞によると地元赤羽の本屋では『ワンピース』よりも売り上げがあるそうで、ガイドブックとしても使える作品です。

ご当地漫画はなぜ人気なのか?

ご当地漫画は、舞台となった地域を中心に人気になるのが特徴で、例えば『お前はまだグンマを知らない』は群馬県で、『翔んで埼玉』は埼玉県が他県に比べて圧倒的な売り上げを伸ばしています。

ご当地漫画は他県の住民から見ると、そんなことある訳がないと思うような突飛なネタも扱われていますが、その地をよく知る人間から見れば、馴染みの地名や食べ物などの固有名詞が生かされたネタとなっています。
小ネタがわかるからこそ、それに関係した思い出も膨らみ、より楽しんで作品を読むことができるので、今はその地に住んでいないという方も住んでいた頃を思い出して懐かしい気分に浸ることができます。

パロディ作品を見た時と同様に、そのネタを知っているという親近感と、そのネタをうまく活用した意外性がより面白さを生んでいるのでしょう。

まとめ

今回ご紹介した作品の主人公は、いずれもその地にやってきたばかり。
そのため、他県の方も、主人公と同じ気持ちでご当地ネタに驚いたり、新しい知識を知ったりできるのが面白いです。

今まで知らなかった地名や特産品にも親近感を持てるようになるので、旅行前に読んでみるのもおすすめです。

旅行の予定がなくても、読んだらきっと行ってみたくなりますよ!

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