【インタビュー】読者から共感の嵐!大人気web漫画家・森もり子先生の素顔に迫る!

【インタビュー】読者から共感の嵐!大人気web漫画家・森もり子先生の素顔に迫る!
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。
   

田舎はるみの漫画家さんインタビュー企画、第4弾!!

以前Comee mag.で紹介記事を書かせていただいた『大人のズル休み』

 

今回はその作者の森もり子 (@mori_MORIKO_)先生にインタビューさせていただきました。

 

サイン色紙とサイン本をいただきました!

 

名前だけ聞くと女性の漫画家さんかと勘違いしてしまいがちですが、実は森もり子先生は男性なんです!

名前の由来や作品についてなどいろいろとお話を聞かせていただきました。

 

【プロフィール情報】


森もり子
会社員時代に自作のLINEスタンプ『もっと私にかまってよ!』がクリエイターズスタンプで売上1位になり、それがきっかけで会社を辞めて漫画家としてデビューすることに。
漫画デビュー作は『返事をくれない彼氏を追い込んでます。』
その後『さよなら、ハイスクール』『どうせ片想いで終わりますけど?』など多数の書籍を発売。
現在はAlicyにて『大人のズル休み』を不定期連載中。
『ヤングマガジン』にて『ギャルと恐竜』の連載も決定している。

 

森もり子としてデビューするまで

きっかけはなりすまし!? 女性の名前で活動している理由

田舎: 森先生、はじめまして! 以前Comee mag.の『大人のズル休み』の紹介記事を書かせていただきありがとうございました。すごく共感する部分が多くて面白かったので、記事を書くのもすごく楽しかったです!

森: 素敵な記事をありがとうございました。今日もよろしくお願いします。

田舎: 今日は森もり子先生に関することをいろいろとお聞きしたいのですが……、まず最初に、森先生は男性だと公言されてるじゃないですか。なのにどうして“森もり子”という女性の名前を名乗ってるんですか?

森: 元々漫画を描く前からTwitterのアカウントを持っていて、漫画とかイラストとかは関係のない“ネタアカウント”として、OLになりすましてツイートとかしていたんですよ。ネカマってやつです(笑)

田舎: あはは(笑)元々はネカマアカウントだったんですね。

森: そのアカウントから自作のLINEスタンプを出したらけっこう売れて、そのまま漫画の仕事をいただいたので、名前を変えるタイミングがないまま今に至るって感じです。本当はもう嫌なんですけど……。

田舎: 嫌なんですか?

森: はい。男性であることを公表したのも、フォロワーさんを騙しているみたいだなと思って申し訳なくて。まあ実際に騙していたんですけど(笑)男性だってことは公言してるんですけど、やっぱりなかなか信じてもらえなくて。「またまたご冗談を」みたいな感じで……。

田舎: 完全に女性だと思い込まれちゃっているんですね(笑)確かに僕も最初に森先生のTwitterのプロフィールに「男性です」って書いているのを見たとき、半信半疑でした。女性の名前だし、女性目線で女性の心情やあるあるを描いている漫画が多いなと思ったので……。

森: そもそもLINEスタンプが女性のキャラクターでTwitterも女性としてやっていたので、いただく仕事が女性を主人公にするものが多かったんですよ。だから自然とそうなっているだけで、特に「女性の気持ちを描くぞー!」と意識したことはないんです。

田舎: なるほど! じゃあ“森もり子”という架空の人物がそのままデビューしちゃったっていう感じなんですね。

人生を大きく変えた“LINEクリエイターズスタンプ”

田舎: 漫画家を目指したのはLINEスタンプが売れたことが大きなきっかけになったんですか?

森: 元々僕は漫画家を目指していたわけではなくて、普通にサラリーマンをやっていたんですよ。その時に一般の人もLINEスタンプを作れる“クリエイターズスタンプ”っていうのが始まったので、OLになりすました森もり子のTwitterアカウントで試しに作ってみたらバズって、漫画の仕事が来るようになって。 最初は4コマ漫画を描いていて、そのうちストーリーものを描くようになり、ここ2〜3年くらいでやっと漫画家を名乗っていいのかなと思えるようになってきました。

田舎: じゃあ小さい頃からずっと漫画家を目指していたとかではなかったんですね。

森: そうです。元々絵を描くのは好きで絵はよく描いていて、デザイン系の大学にも行ったんですけど、特にイラストで食べていこうとかそういうのは無理だと思ってたので、漫画家になりたいとかは思ってなかったですね。絵が好きな子供が「漫画家になれたらいいなー」って思うくらいのレベルの気持ちは小さい頃にありました。

田舎: ということは学生時代から漫画家を目指して投稿したりとかではなく、本当に試しに作ってみたスタンプが人生を大きく変えたって感じなんですね。

森: それは間違いなくそうですね。本当に運が良かったです。ちょうどLINEクリエイターズスタンプが始まった最初の2週間くらいずっと1位だったので、テレビとかで「今LINEスタンプが一般の人でも作れるようになりました、今の1位はこれです」って紹介してもらえたり、Yahooニュースのトップになったりしたんですよ。そこである程度注目をしてもらえた、っていう幸運は大きいですね。

田舎: LINEスタンプの初代王者だったんですね! それがきっかけで出版されたのが『返事をくれない彼氏を追い込んでます。』ですよね。

 

彼氏が好きでたまらないOL、もり子。深すぎる愛情のままに、今日も彼氏を追い込んでます! LINEで朝から晩までメッセージを送り続け既読放置は絶対に許さない!

(C)森もり子
引用元:Comee.net

 

森: そうです。LINEスタンプが売れたおかげで、いくつかの出版社から「このスタンプを元に漫画描きませんか?」って連絡をもらって。それが漫画家としての全ての始まりですね。

田舎: LINEスタンプを作ろうと思ったときから、そのまま何か仕事に繋がれば、とかまで考えていたんですか?

森: 最初は「ある程度お金が入ればいいな」くらいにしか考えてなかったです。そのためにはできるだけスタートダッシュを切って最初に上位になっていれば注目されるかなとは思っていたけど、まさか1位になれるだなんて……。 それである程度の収入があったので、もう会社辞めてもいいかなって思ってやめました。

田舎: 羨ましいです(笑)そこから漫画家としての道を歩み始めるわけですね!

多彩なジャンルの作品たちに挑戦

人間の業を肯定する漫画『大人のズル休み』

田舎: 僕ずっと『大人のズル休み』を楽しみに読ませてもらっているんですけど、さっき先生が「“女性の気持ちを描く”ということにそこまで意識してない」とおっしゃってましたが、どういうコンセプトで描いてるんですか?

森: 最初は“大人になりきれない大人”っていうのをテーマに描こうと思って描き始めました。自分が28歳のときに描き始めたんですけど、「20代後半くらいの年齢って意外とまだ子供だな、でも大人なんだよなー」っていう、モヤモヤした感じを描ければいいなと思って。だから自分とほぼ同じような目線でキャラクターを作りました。

田舎: たしかに、主人公の年齢と森先生の年齢が同じくらいに設定されてますよね。同じような目線ということは、ご自身がモデルみたいになってるということですか?

森: モデルではないんですけど、でも、年齢を合わせることで自分と一緒に主人公も成長してるので、自分の私生活の変化によって主人公もちょっとずつ変わっていってるんじゃないかなって思う時はあります。昔だったらこんな台詞言わせてなかったなぁとか。でも自分と全然違う部分もあるんですけどね。「何言ってんだろう、この人」って思いながら描いてる時もあります。

田舎: すべてがというわけではないけれど、ある程度は主人公に森先生自身が投影されているんですね。

森: はい。でもリアリティがありすぎるようなきつい漫画にはしたくなくて、「人ってダメだけど、ダメなのもしょうがないよね」「みんなそれで支えあっていくしかないよね」っていう内容にしたかったんです。だから最初、「会社をズル休みする漫画とか面白いかもしれないですね」って編集の人と喋っていて、タイトルを1日中かけてずっと考えていて『大人のズル休み』というのが出た時に、“大人がズル休みをする”っていう話だけど“大人である自分をズル休みする”っていう意味もあるなと思って。そう思って描き始めて、だんだんなんとなくこういう事が描きたいんだなっていうのが自分の中で固まってきました。

田舎: それはどういうことだったんですか?

森: “人間の業を肯定する”みたいなことを描きたいなと。

田舎: なるほど! 僕32歳なんですけど、僕も大人になりきれない大人だと思うんです。だから共感する部分がとても多くて、でも先生の『大人のズル休み』は決してズル休みを推奨するというわけでは決してなくて「たまには息抜きしてもいいんじゃないか」っていうことだと思うんですけど、それに僕はすごく励まされました。

 

 

田舎: 『大人のズル休み』が掲載されているAlicyというサイトのターゲットはアラサー女子ということですけど、そのへんは意識されましたか?

森: 女性読者がメインになるということで一応主人公は女性にしました。でもこれまでも女性向けの媒体で描いてきたんですけど、特に意識したことはなくて、誰が読んでも共感できるような……極端に言うと、高校生が「明日学校行きたくないなー」って時に読んでも「大人がズル休みしてるんだから休んでもいいよね」ってちょっと楽になれる漫画になればいいなと思って描きました。

田舎: ストーリーのネタは先生の実体験とか普段考えていることが元になっているんですか?

森: そうですね、それがメインになっています。あとは、人と話していて「なるほど」と思ったこととか、「なんか今の会話、噛み合ってなかったけど漫画にしたら面白いかな」というのはすぐiPhoneにメモするようにしています。一人でいる時も漫画にできそうな会話を考えてメモすることもありますね。

田舎: 常にアンテナを張っているんですね! 僕、この作品の中ですごく好きな台詞があるんですよ。第4話で主人公がズル休みした時の「私が休んだところで、誰かに迷惑がかかるだけだ」って、すごい台詞だなと衝撃を受けました!

 

 

森: 台詞は、できれば毎回1~2個ぐらいは読んだ人の心に引っかかるようなものを入れるように意識しています。

田舎: たしかに毎回印象的な台詞がありました! 第1話の「私が怒ってんのは機嫌が悪いからなの!?」っていうシーンも、すごく深いなって考えさせられました。機嫌が悪くて怒っているんだけど「“機嫌が悪いから怒ってる”とは思われたくない」、って複雑なんだけどたしかに分かる気がするというか。絶妙なあるあるというか。第1話のあの台詞から僕は『大人のズル休み』にドハマりしたんですよ。

 

 

過去最高傑作の『さよならハイスクール』

スクールカースト最底辺の高校生、朝倉は文化祭実行委員に任命されたことをきっかけにクラスの雰囲気と秩序の崩壊を目論み、カースト上位の美少女・伊藤マユミと付き合う計画を立てる。順調に思われたカースト崩壊計画だが、ある事件をきっかけに意外な方向へ…!? 奇想天外な学級崩壊悲喜劇、開幕!「返事をくれない彼氏を追い込んでます。」LINEスタンプで超注目のWEB作家が描く初のストーリー作品!

(C)森もり子
引用元:Comee.net

田舎: 高校生のスクールカーストをテーマに描いた『さよならハイスクール』ってすごく斬新な内容で、僕は1巻からどんどん引き込まれていきました。森先生の他のエッセイ漫画とは少し違ったテイストなのかな、とも思うのですが。

森: そうですね。今まで描いてきた他の4コマの作品とかにも、本の始まりから終わりまでの間にストーリーはあるんですけど、でもやっぱり4コマの連続なので、この『さよなら、ハイスクール』では終始一貫したストーリー漫画として、物語をしっかり作ることに挑戦しました。

田舎: なるほど!

森: 個人的にはすごく売れてほしいなと思ってる作品です。今まで自分が描いた漫画の中で一番面白いと思っているので。

田舎: 過去最高傑作なんですね! こちらは先生と主人公の目線を合わせた『大人のズル休み』とはキャラクターの年齢も舞台も全然違う作品になっていますが、キャラクターたちはどうやって生まれたんですか?

森: あんまり良くない手法なんですけど、自分はキャラクターから話を作るタイプではなくて、「こういう物語を描きたい、そしたらこういうキャラクターが必要だ」っていう逆算でキャラクターを作っていってるんです。

田舎: ストーリーに合ったキャラクターを後から考えるって感じですか?

森: そうですね。『さよならハイスクール』で言うと、単純にスクールカーストものを描きたかったのと、その中でテーマとして「人が自分の役割に縛られている」というのを描きたかったんです。そうすると、スクールカーストの一番下の生徒がメインキャラで、一番上の生徒は男女2人ずつぐらいかな、一番下には主人公と会話する相手が1人欲しいな、それは女の子にするか、みたいな感じで。それからスクールカーストについて書いてある本を読んで、カーストの上にいるのはギャルっぽい子とかサッカー部の子とか、ギャルじゃないけど純情っぽくてみんなから好かれるタイプの女の子とかで、運動部だけど卓球部の子は下の方かな、とかいろいろ考えました。

田舎: そうやって、作品の世界に必要な人物を生み出していくんですね。

言ってしまったら炎上!?『言うほどじゃないけど』の難しさ

田舎: 違う作品の話に変わりますけど、『言うほどじゃないけど』は読んでいて気持ちよくて夢中で読んじゃいました。

 

Twitterで話題のツッコミ漫画! “意識低い系”たちの逆襲!
ふとした時に訪れる「言うほどじゃないけど、言わずにはいられない」シチュエーションにズバッと切り込む“意識低い系本音漫画”。建前だらけの社会の常識や理不尽にイライラが溜まったら、これで息抜きどうですか?

(C) 2015 Moriko Mori
引用元:Comee.net

 

田舎: どの話もすごく共感できてすごいなって思ったんですけど、あの作品はどうやって生まれたんですか?

森: あれは最初に出版社さんから「何を描きたいですか?」って聞かれたときに「会社嫌だったなぁ、でもそんなにムカついているわけじゃないし別にいいか」みたいなモヤモヤを日々感じてるなぁって思ったので、タイトル通り、言うほどじゃないけど心の中に引っかかってることを言っちゃう漫画を描きました。特に「人を斬る!」みたいなことをしてるつもりはないんですけど。

田舎: 痛快なところがたまらなく面白いですよね。

森: でも、実は途中から何回か炎上してTwitter上では一部の人から嫌われちゃったんですよ。

田舎: ええ!? 炎上ってどんなコメントが来たんですか?

森: 「性格悪い」とか「それくらいちゃんとしろ」とか(笑)こっちは(取り上げている事象について)本気で怒っているわけではないんですけどね。

田舎: みんなが思っていることを代弁してみた、みたいなイメージですよね。

森: そうなんですけど、うまく受け取ってもらえないことがあるんですよね。気をつけて描いて、炎上しないだろって思ったものでも、何万リツイートもされちゃうと2〜3個はきついコメントが来るんですよね。

田舎: 見ている人が多くなればなるほどそうなりますよね。

森: キャラクターの発言を全部“作者の意見”だと捉えられちゃうんですよ。自分でも、さすがにここまでは僕は思わないけどなって思いながら大袈裟に描いていることとかも中にはあるんですけど、それがうまく伝わらずに自分の意見だとされてしまうのは大変です。

田舎: 森先生の思惑とは違う形で伝わっているということですか?

森: そうですね、「ウケるかな」とか「これ面白いかな」ぐらいの気持ちで描いたものに対して「性格悪い」とか「それは違うだろ」って言われちゃうと……(笑)でもそれも自分の表現の仕方が悪かったのかなって、もっと頑張らないとって思いましたね。

 

漫画を通して読者に言いたいことを伝えるのって難しいんですね……!

 

漫画を描くときに気をつけていること

田舎: 他に漫画を描くときに気をつけている事や工夫している事はありますか?

森: この表現が誰かを傷つけてしまうんじゃないか、とかは考えます。男女差別とか偏見を助長してしまうんじゃないか、とか。LINEスタンプも「女の人ってこういう感じだよね」って意味に捉えられるのがすごい嫌で。そうじゃなくてあのスタンプの場合、ただあの女の子が重いだけで、たまたま重い人が女の子だったっていうだけなので……。

田舎: そうですよね、たまたまメインのキャラがそういう女の子だっただけで。

森: 他にもけっこう気を使うのが、例えば夫婦の漫画を描くときに、奥さんが料理していて旦那さんが座ってるコマを描くとしたら、「“女の人が料理をするのが当たり前”っていう偏見だと思われないかな」って悩んじゃったり。だから男女の立ち位置が入れ替わっても話の内容が変わらないところは男女入れ替えたりしています。

田舎: なるほど。

森: こういう作風ですけど、「男心」「女心」っていう言葉は絶対に使わないし、「男ってこうだよね」「女ってこうだよね」とかは絶対に言わないように気を付けています。

田舎: フォロワー数が多い分、注目されるからこそいろんなことに気をつけないといけなくなりますよね。

今後の活動で考えていること

“描くこと”にこだわらず“原作者”として

田舎: 今後、漫画家としてどういうことをしていきたいとかありますか?

森: 今後は漫画原作の方を積極的にやっていきたいなと。Twitterにも載せているんですけど、トミムラコタさんと『ギャルと恐竜』っていう漫画を今描いてるんです。

https://twitter.com/cota0572/status/1010534259881201664

森: 僕がネームを描いて渡して、それを元に描いてもらっているんですけど、それがもうヤングマガジンで連載決まってるんですよ。

田舎: えっ!おめでとうございます! 『ギャルと恐竜』もすごい面白いですよね。今後は原作をメインでやっていくんですか?

森: ひとまず自分が絵を描くものはちょっと減らして、原作をメインでやっていきたいなっていう感じですね。『ギャルと恐竜』以外にも、別の漫画家さんともタッグを組んで連載を目指しているところです。

読者さんの応援が作品の誕生に繋がる! クラウドファンディングにも挑戦

森: あと、『ギャルと恐竜』のトミムラコタさんと一緒にクラウドファンディングで漫画を作ろうとしています。『漂流くん』っていう漫画なんですけど。トミムラコタさんのボツになった漫画を前に見せてもらった時に「面白いからこれ漫画にできたらいいのにね」っていう話をしていて。そしたらいろいろあってそれを一緒に組んでやることになりました(笑)『ギャルと恐竜』とは別でクラウドファンディングも成功すればいいなと思っています。

 

 

田舎: クラウドファンディングですか! すごいですね、ファンの方の応援がそのまま作品の誕生に直結するわけですね。いろんなことに挑戦していますね!ご自身で漫画を描くことはもうほとんどしなくなるんですか?

森: やりたいのはやりたいです。Webの連載とかではなくてTwitterにたまに気軽に載せるような漫画をやりたいです。余裕ができれば。今はいろいろな準備とかでそれどころじゃないんですけど。

田舎: いろんなことを今やろうとしているからとても忙しそうですよね。トミムラコタさんと一緒にやろうと思ったのは理由があるんですか?

森: トミムラコタさんがネーム描くのはあんまり好きじゃなくて、僕は絵を描くのが嫌いだったので、ある時「二人でやればちょうどいいよね」っていう話になったんです。お互い苦手な部分を補い合って好きなことだけできるので。それで、元々コタさんが作っていた恐竜のキャラを元にネームを描いて渡して描いてもらってTwitterに載せて……ってやっているうちに連載が決まったんです。

田舎: 苦手なことを補い合って好きなことだけするって、すごく楽しそうですね! Twitterに載っている分を読みましたけどめちゃくちゃ面白かったので、すごく楽しみです! クラウドファンディングの『漂流くん』も面白そう。

森: 『漂流くん』はいわゆる商業誌とかには載らないタイプの、何とも言えないジャンルの……ギャグと下ネタとシリアスと謎、みたいな漫画です。すごく面白いと思います。

田舎: クラウドファンディングをやってみようと思ったのは何か理由とかあったんですか?

森: クラウドファンディングでやる場合、一長一短ではあるんですけど、編集の意見が入らないから自由にやりたいことを出来るというのはあります。長さにしても形式にしても自由にやらせてもらうので、1話4ページを20話で終わらせるって雑誌とかではあんまりできないことなので、そういう面白さもあると思います。既存のジャンルに分類しづらいような漫画にしますので、是手助けをしてもらいながら形にできればと思っています。

 

クラウドファンディングへの真剣な想いを熱く語っていただきました。

 

ガチガチの戦略ではなく、やりたいことをやっていきたい。

田舎: いろんなことに挑戦されている森先生ですが、webやSNSで活動する上での戦略的なことを日頃から考えているんですか?

森: 考えてない人よりは考えていると思いますけど、考えている人よりは考えてないと思います。考えすぎると楽しくなくなっちゃうし、やれることの幅も狭まっちゃうんですよね。例えば単純に、もし僕がLINEスタンプを出したときからずっとあのキャラクターで重い恋愛をテーマに描き続けていたら、「重い恋愛と言えば森もり子だ」っていうイメージを作ろうと思えば作れてたと思います。でも、そしたら『さよなら、ハイスクール』とか『ギャルと恐竜』は描けてなかったですね。

田舎: ガチガチに戦略を固めてやっていたら今の森もり子作品は生まれてなかったかもしれないんですね。

森: 育児漫画とか家族漫画とかひとつのテーマに絞って戦略的に描いている人のことを僕はすごく尊敬はするんです。でも、自分はすぐに飽きちゃうので……。なので、戦略的にやるとしても、「ギリギリ死なないようにギリギリ露出していたい」とか「この仕事はやっといた方が次に繋がるかな」とか、そういう打算的なことしか考えてないです。戦略的にここを目指して、そのためにはこういうサービスを使って、ここでマネタイズする、みたいな方法っていろいろあると思うんですけど、とりあえずはちゃんと自分が好きにやれる余地を残しておきたいですね。

田舎: ある程度自由度を残しておくんですね。

森: だから酔っ払った時に変なツイートして朝になって消す、っていうのをやっちゃうんですよ(笑)本当に戦略的にやってたら絶対そんなことしないと思うんですけどね。

田舎: あはは(笑)でもそういう隙を見せちゃうところもファンの方にとって森先生の魅力のひとつなんじゃないですかね。

今の漫画業界について思うこと

田舎: ちなみに、漫画家として活動される中で何か今の漫画業界について思うことはありますか?

森: 最近Twitterとかでよく見るんですけど“編集不要論”っていうのがあって。「出版社の編集さんってどういう立場の人なのかな」ってことなんですけど。例えばTwitterでバズっている漫画を本にして売るとなったとき、書籍化されますっていう告知も宣伝も全部作者自身がやっていて、本にして売れたお金の何%かが作者に入ってくる。もちろん流通に乗せてくれるとかはあるんですけど、それにしても「出版社は本当に出版してるだけじゃん、編集って意味ないんじゃないか」っていう意見もあって、これから出版業界どうなるんだろうってなってるんです……。でも個人的には編集の人ってすごい重要だと思ってて、人にもよりますけど、原稿を見せて意見を聞くとアドバイスくれるし、それに合わせて直すと絶対面白くなるんですよ。あといろんな編集の人に会ってみても、結構みんな危機感持ってやっているので、「漫画業界・出版業界やばいんじゃないの」って言ってる人もいますけど、もしかしたらこれからもっと面白くなる可能性もあるんじゃないかなと僕は思ってます。

田舎: なるほど! 世間の人たちが危惧しているほど漫画業界は暗くないということですね。

森: あと最近すごく思ったのが、昔は漫画を出版社に持ち込みして担当がついて、っていう流れだったので、そうなると担当が作者より立場が上になりがちなんですよね。それが師弟関係みたいになってうまく働くのかもしれないですけど。でも今の時代って、SNSで声をかけられて漫画を出すってなると、編集の人と対等な立場でいられるのかなっていうのはあります。出版社の方から声をかけてきてくれているのもあって、対等なコミュニケーションができると思うんです。それがいい場合も悪い場合もあるとは思いますけど。そういった意味では編集と作者の関係も時代によって変わってきているんじゃないかなと思います。

田舎: 確かにそういう関係性の方が今までになかった新しいものができる可能性もありますよね。

森: そうですね。だから漫画の可能性は広がっていってるんじゃないかなと思います。……と、ポジティブにまとめてみました(笑)

田舎: 貴重な意見をありがとうございます。それでは、最後にファンの方に一言お願いします。

森: これから新しいことを色々始めていきます。確実により良いものを作れるようにはなっていくと思いますし、少しずつ腕も上がってきていますので、どうか一つ今後とも応援よろしくお願いします。

田舎: 今日はありがとうございました!とても楽しかったです!!

まとめ

個人的にずっと気になっていた“森もり子”という名前由来や、漫画業界に対する前向きなご意見など、貴重なお話をたくさん聞かせてくださいました。

また、今回もComee宛にサイン本とサイン色紙を書いてくださりました!

 

色紙の下書き線は、あえて消さずに残してくださいとお願いしました。

 

目の前でどんどん色紙が出来上がっていくところに思わずカメラをパシャり……!

 

先生ありがとうございます!

原作やクラウドファンディングなど、様々な新しいことにチャレンジされる森先生。
これからのさらなる活躍も楽しみですね!

気になった方はTwitterで今後の森先生の情報をチェックしましょう!

どの作品もオススメですが、僕が個人的に特に好きなのは『さよなら、ハイスクール』と『大人のズル休み』です。

是非読んでみてください◎

 

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