「レンタル」した兄は少女の心を癒せるのか!?『レンタルおにいちゃん』は、続きが気になるおすすめ漫画

「レンタル」した兄は少女の心を癒せるのか!?『レンタルおにいちゃん』は、続きが気になるおすすめ漫画
     

大学卒業以降職を転々としたが、幼い頃から三度のメシより本が好きなことを思い出し、自分には物書きしかないと一念発起。
現在はフリーライターとしてひた走る。
漫画は少女漫画を中心にオールジャンル読むが、闇が深いものとミステリー要素があるものが考察しがいがあって好き。

   

『レンタルおにいちゃん』は、一色箱(いちいろはこ)さんのTwitter(@Ichiro_hako)で連載を開始し、今では『ガンガンpixiv』での連載や単行本の発売もされている話題の作品です。

一色箱さんは、恋愛アドベンチャーゲーム『スチーム・プリズン』のキャラクターデザインと原画や、アニメ化もした『博多豚骨ラーメンズ』のイラストも担当し、美麗なイラストを数多く手がけています。

両親を亡くした小学生の叶実(かなみ)と、叶実から頼まれた時だけ「兄」として接する「レンタルおにいちゃん」の青年・旭 慎(あさひ まこと)の関係を描いた作品で、健気な叶実の姿と、叶実の心の傷を癒すために優しい時間を提供するストーリーが切なくて感動すると話題を呼んでいます。
登場人物の複雑な心情が丁寧に描かれていて、2人の関係や、叶実と実の兄の関係がどうなっていくのか、非常に続きが気になる作品です。

あらすじ

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

作品の冒頭では、かわいい妹と妹思いのカッコイイ兄が仲睦まじく一緒にデパートをめぐる様子が描かれます。
見ていてほっこりするシーンですが、無情なアラームが鳴ると彼女らの関係は終了してしまいます。

妹は「おにいちゃん」にお金を渡し、2人は別々の家へと帰ります。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

ステキな兄妹に見えていた2人は、実は本当の兄妹ではなく、お金を払った時間だけ兄妹を演じることができる「レンタル」という形で繋がった関係なのです。
実は妹・叶実には、血の繋がった実の兄がいますが、両親が事故で亡くなってから兄は変わってしまいました。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

部屋に引きこもるようになって、叶実の言葉を無視し、暴力を振るうこともあるのです。

小学生の叶実は、そんな現実に耐え切れるわけもなく、1人公園で泣いていました。
「レンタルおにいちゃん」と出会ったのもその時で、偶然公園の前を通りかかった慎が、1人で泣いている叶実を心配して声をかけました。

叶実が唯一の肉親である兄との不仲により独りぼっちなってしまったことを知った青年・慎は、少しでも叶実の寂しさを埋められれば、心の傷が癒せれば、と思い、叶実が必要とした時に「おにいちゃん」として側にいることを約束しました。

無邪気なままではいられなかった叶実

まだ小学生にもかかわらず、両親を亡くし、大好きな兄が変わってしまうのを目の当たりにしてしまった叶実。
本当は辛くて寂しい毎日を送っていましたが、人前でその気持ちを表に出すことはなく、いつも1人で泣いていました。

クラスの子達に両親がいないことで陰口を言われてもグッとこらえ、両親のいる子達を羨ましく思ってもそれを言葉や表情には出すことはなく、他の子達の輪を乱さないように自分の気持ちを殺して対応します。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

教室ではすごく綺麗な姿勢で小さく座る叶実の後ろ姿がよく描かれていますが、陰口を言われたことに対するショックや、心の中に湧き上がるモヤモヤとした気持ちをギュッと押し殺しているであろうことがヒシヒシと伝わってきます。

授業参観の日には、「最近あった家族の思い出」について書いた作文をみんなの前で発表するという授業が行われます。
両親がおらず、兄との仲も悪くなってしまった叶実には辛い課題ですが、文句1つ言わず、兄との楽しい思い出の作文を読み上げます。
「兄の優しさや兄が大好きという気持ちがよく伝わる」と評価される“完璧”な作文でした。
しかしそれは、「レンタルおにいちゃん」との1日をイメージして書いた架空の思い出でした。

今の叶実にとって実の兄との関係は、他人には決して言えないもの。
そのため、嘘の作文を作るしかなかったのです。
しかし、叶実が「レンタルおにいちゃん」との思い出の中で感じた、楽しい気持ちは本物であり、「本当は実の兄とこんな1日を過ごしたい。こんな関係に戻りたい」という願望が書かれています。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

叶実は、自分の気持ちを表に出すことは滅多にありません。
自分の気持ちを表に出すことはわがままなことだと思っているからです。

どんなに寂しくても、両親が亡くなったこと、兄が変わってしまったことを受け入れるしかなく、子供のままでいたい気持ちをグッとこらえているのです。
そのため、無邪気に希望やわがままを言うことができる「レンタルおにいちゃん」との時間は、今の叶実にとって唯一の辛さを紛らわす時間なのです。

 

「レンタル」が始まった理由とは?

叶実が優しかった頃の兄に似た青年・慎と出会ったのは、自分の気持ちを抱えきれなくなり、公園で1人で泣いていた時でした。
慎は、叶実の事情を聞くと、寂しい時や辛い時に兄の代わりとなって叶実の傍にいることを提案してくれました。
そんな慎に対し、叶実はお金を払って一緒に過ごす時間を得る「レンタル」という形をとることを持ちかけたのです。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

それは、叶実が、まだ実の兄と元の関係に戻ることができるという希望を捨てずにいるから。
また仲良くなれるかどうかわからない実の兄との関係を諦め、「レンタルおにいちゃん」に寂しさを埋めてもらうことは簡単です。
同じ状況であれば、多くの子供は意図せずとも他の大人に頼ることを選ぶのではないでしょうか?

しかし、叶実はあえて「レンタル」という形式をとることで、「おにいちゃん」が実の兄ではないということを忘れないようにします。
叶実の本当の望みは、その場しのぎで寂しさを埋めることではなく、実の兄とまた昔のような関係に戻れることなのです。
「レンタルおにいちゃん」と過ごす時間は、叶実にとって本当に楽しい時間ですが、レンタルの時間の終了を告げるアラームが鳴るたびに、「レンタルおにいちゃん」が本当の兄ではないこと、そして実の兄とはうまくいっていないことを痛感させられる悲しく寂しい時間でもあるのです。

「レンタルお兄ちゃん」はどんな人?

叶実に優しい時間を提供してくれる青年・慎は、以前の実の兄を思い出させるような優しい存在です。
小学生の叶実にとっては、現在一番頼れる大人であり、授業参観にも実の兄の代わりとして呼んでいます。

しかし、慎もまだ大学生。
公園で1人で泣いていた叶実の姿を見て、自分が家族とうまくいっていなかった過去を思い出し、叶実の「レンタルおにいちゃん」として傍にいることを決めますが、それが本当に叶実にとって良いことなのか悩み続けています。

 

(C)Hako Ichiiro / SQUARE ENIX

 

慎は自分が不仲だった家族との関係を修復した話をしますが、それを聞いた叶実は、「おにいちゃんみたいになりたい!」と、兄を喜ばせるために家を掃除したり、めげずに話しかけ続けたりと頑張りすぎたことで兄に強く拒絶されてしまいます。
慎の話は、叶実を元気付けるために付いた嘘でしたが、叶実が悲しむのを見て、自分が対応を間違えたことを素直に認め、叶実と真摯に向き合おうとしたところが素敵です。
決して完璧ではないけれども、叶実の“兄”として頑張ろうとする点に好感が持てて応援したくなります。

まとめ

可愛い笑顔の裏に兄との絆を諦めまいとする健気で強い思いをもつ少女・叶実と、彼女の傷を少しでも癒そうとする青年・慎の関係は、優しく、切なさを感じさせます。

今後、叶実と慎の関係はどうなっていくのでしょう?
そして、叶実が兄との関係を修復し、本当に幸せな笑顔を見せられる日は来るのでしょうか?

『レンタルおにいちゃん』の更新情報は、一色箱(いちいろはこ)さんのTwitter(@Ichiro_hako)で随時確認できます。

 


9月21日には単行本2巻の発売!
単行本限定の描き下ろしも80P以上とたっぷり収録されているとのことで、発売が待ち遠しいです。

 

両親の他界…優しかった兄の豹変…独りぼっちで傷ついた少女は昔の兄の優しさを求め、“おにいちゃん”をレンタルする―――お金で。「レンタルでも、私は“家族(ぬくもり)”がほしい。」pixiv&Twitterの超話題作が待望の書籍化!!! 本書限定70P以上の描き下ろしを収録!!!

(C)2018 Hako Ichiiro
引用元:Comee.net

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