『絶望に効く薬』が教えてくれる、現代社会を生き抜く知恵とは?

『絶望に効く薬』が教えてくれる、現代社会を生き抜く知恵とは?
     

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いま、皆さんは様々な悩みを抱えてはいませんか?

将来のこと、家族のこと、仕事や勉強のこと、人間関係……現代社会は悩み事がたくさんあります。
そして、それを何でも相談できる人が周囲にいない、という方もいることでしょう。
そんな時は様々な分野で成功している方の話を参考にするのも1つの手段でしょう。

今回は様々な分野で活躍する人にインタビューをし、それをまとめたドキュメンタリー漫画『絶望に効く薬』を紹介します。

作品紹介とあらすじ

 

▼第1話/漫画家・山田玲司[そして、ぶざまに戦え]▼第2話/漫画家・みうらじゅん[マイブームの狼を撃て]▼第3話/「はねるのトびら」メンバー・秋山竜次+虻川美穂子[『はねるのトびら』の殺気]▼第4話/占い師“新宿の母”栗原すみ子[マザーテレサは座らない]▼第5話/漫画家・井上雄彦[孤高の侍 パスを出す]▼第6話/海洋冒険家・白石康次郎[海のYEAH!!]▼第7話/カリスマホスト・七海龍一[カリスマホストの恩義]▼第8話/逗子市長・長島一由[渚のシンドバッド]▼第9話/水中写真家・中村征夫[ヘドロの海のネプチューン]▼第10話/プロサーファー・木下デヴィッド[波の上のアイルトン]▼第11話/文化人類学者「グレートジャーニー」関野吉晴[僕はここにいるかい?(前・後編)]●あらすじ/夢の中で手塚治虫から「人々に直接会って、絶望に効くクスリを探すんだ」と啓示を受けた作者・山田玲司。毎回「希望を持っている人」と1対1のトーキングバトルをするべく、編集長に企画を申し出たところ、なぜか1回目は作者自身の半生をさらけ出すはめに…(第1話)。●本巻の特徴/迷走を続ける日本社会を救うため(?)、様々な業界でオンリーワンな活躍を続ける人々を直撃する革命的対談漫画・第1集。雑誌掲載時にはない各話に対応する取材後記も収録。

(C)山田玲司/小学館
引用元:amazon.co.jp

山田玲司が各界の注目人物にインタビュー

本作は年間3万人が自殺を選ぶという現代社会を憂い、その絶望に効く薬を探そう、という趣旨の作品です。
作者である山田玲司さんが、漫画界のみならず経済界、芸能界、政治など様々な分野で多くの功績を残した人の元を訪れます。
そして、人生で経験した苦難や、その乗り越え方、あるいは仕事で大切にしていることなどをインタビューしていきます。
誰でも知るような大物芸能人や漫画家、大物政治家なども登場しますが、中には一般企業の社員さんなど、あまり馴染みのない人物も紹介されています。

本作は基本的にはインタビューの相手1人につき、1話から2話で掲載されています。
(最長で4話掲載されたときもありましたが、それは編集部内でも相当揉めたというエピソードが載っています)
また、インタビュー形式なのでどこから読み始めても問題ありません。
実際に、私は非常にトリッキーながらも最終巻である15巻から読み始めました。
その理由は最終巻ということもあり他の巻より分厚く、知っている方が多く、一番興味のあった太田光さんの名前があったからです。

それでも読みづらかったり、作品に集中できないなどの問題は全くありません。
描かれている多くの方々の人生観に感銘を受けて全巻揃えてしまうほどハマったので、皆さんも好きな方や興味のある方の巻数から手に取るのもいいでしょう。
ちなみに、初期と中期以降で少しだけテイストが違い、後期になると山田玲司さんもより突っ込んだことを尋ねていくようになった印象があります。

金言、至言に満ちた作品

この手のインタビュー作品では人選が偏ってしまったり、あるいは問題がある発言などはカットされてしまったりすることもあります。
その結果、ありきたりな説教や人生訓の印象を抱く方もいるかもしれません。
しかし、本作は様々な方にインタビューをしており、人選に偏りは見受けられません。
また、相手が誰でどんな発言をしようとも、けして否定的なことは書きませんでした。

中には過激な発言を繰り返す方もいます。
私が印象に残ったのは絵本作家の五味太郎さんの回ですが、ここで紹介される五味家の家訓が強烈です。

一つ、他人に厳しく自分に甘い
一つ、他人が何を言おうが聞くな
一つ、バカは感染する

どうでしょうか? 一般的に語られていることとは真逆ですよね。
山田玲司はこの家訓を『人の意見に流されず、自分で考えるようにしろ』というものだと解釈しています。

もちろん、このような過激な意見ばかりではないですが、常識とは真逆のようにも受け取れる発言を堂々と話す作家や文化人がいるということを知ることはとても大事なことです。
自分を束縛する社会の常識から解放されて、だいぶ楽な気持ちになる方もいるのではないでしょうか?

人に歴史あり

本作に登場する登場人物たちの多くは、今でこそ功績を讃えられていますが、決して順風満帆な人生を送ってきたわけではありません。

歌手の加藤登紀子さんが藤本敏夫さんと結婚する際、藤本さんは学生運動によって刑務所に収監されていました。
それでも加藤さんが妊娠したこともあり、獄中結婚を決意しました。
また、宗教評論家で作家のひろさちやさんは家に泥棒が入り1億円以上の金品を盗まれますが『仏様が置き場所を変えただけ』と受け止めて、本人は笑い飛ばしています。
映画監督の森達也さんはもともと俳優を目指していましたが、ネコに引っ掻かれて化膿し、せっかく掴んだ役を手放してしまいました。
その作品は大ヒットして代役の佐野史郎さんがブレイクを果たす結果となりました。
ハリウッドで活躍している女優のシャーリーズ・セロンさんは15歳の頃、アルコール依存症であった父親に暴力を振るわれる日々を過ごしており、娘の命の危機を感じた母親によって、目の前で父を射殺されるという過去をもっています。

人生は波乱万丈である、なんて簡単には言えないような出来事がこの本にはたくさん収録されています。
数々の危機や人生の苦難にどう立ち向かったのか、参考にされるといいのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?
このようなインタビュー形式の漫画は手に取る機会がない、という方もいらっしゃるかもしれません。
本作に収録されている人生観やお話は、参考になることもきっと多いでしょう。
ぜひお好きな巻からでかまいませんので、お手にとってみてください。

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