非道徳的な人間を独自の正義感で裁く『予告犯』。リアルな問題提起で考えさせられる漫画。

非道徳的な人間を独自の正義感で裁く『予告犯』。リアルな問題提起で考えさせられる漫画。
     

自分のブログhttp://www.kujoyugo.com/)で漫画考察記事を書いています。
子供の頃からたくさんの漫画を読み漁ってきて、コミックスの買いすぎで実家は漫画喫茶状態でした。
同じ漫画好きであるみなさんのお役に立てる記事を書いていきます!

   

昨今、SNSの流行により、インターネット上で不謹慎な発言をして炎上するという事件が珍しくありません。

法的に裁けるようなものではなくても、その投稿を見た一部の人を傷つける発言をしていることが多々あり、そのために非難や中傷が殺到してしまいます。

『予告犯』ではこういった現実にもあるような事件をフィーチャーし、リアルな問題提起をしている漫画です。
お話として盛り上がり面白いのはもちろん、読むと価値観が変わることがあるかもしれません!

 

あらすじ

インターネット動画投稿サイトで犯行予告動画を投稿する謎の男。果たして予告された事件は起きるのか…!? 高度に情報化された現代のテロリズムを描く、緊迫のサスペンススリラー開幕!!

(C)筒井哲也/集英社
引用元:Comee.net

 

動画投稿サイトに、新聞紙を頭に被って犯罪予告をしている動画を投稿している、通称・シンブンシ
主にテレビやSNS上で失言し炎上騒ぎとなった者に犯罪予告し、その失言を皮肉るような方法で制裁を加えていました。

シンブンシの行いは犯罪行為であるため、批判も当然多かったのですが、シンブンシの制裁を楽しむ人が増え、徐々にシンブンシの支持が増えていきます。
やがてインターネット上ではカリスマのような扱いとなり、社会現象になってしまいます。

次第に犯行内容がエスカレートしていくシンブンシを逮捕するため、ネット犯罪への対策部署として立ち上げられた、警視庁のサイバー犯罪対策課が動き出します。

リアリティのある事件

シンブンシが主にターゲットとして狙うのは、現実にもあるような、テレビやSNSで失言し炎上した人物。

たとえば、集団食中毒事件を起こしながら、メディアの前で逆切れして非を認めなかった食品加工業者に対しては、「食品の扱いを知らない奴らにはきっちり火を通してやる」と予告して放火事件を起こしています。

店の調理器でゴキブリを揚げて、SNSに投稿して炎上した外食店のバイト店員には、拉致して無理矢理ゴキブリのフライを食べさせるという制裁を加えています。

他にも、ニュースで報道された事件の被害者に「被害者も馬鹿だから自業自得」などと心ない発言をSNSに書き込んだ人物に、その被害者と同じ目に遭わせるなど、現実によく見かけるような非道徳的な人物に制裁を加えているのがシンブンシの特徴。

リアリティのある事件だからこそ、本作の出来事を現実に投影して考えさせられてしまいます。

予告犯の制裁は犯罪的であるものの爽快感もある

予告犯の制裁は、インターネット上で非難の的となっている人物に対して行われることが多いため、インターネット上ではシンブンシを支持する人もたくさんいます。

その制裁内容も、他人を笑いものにした人にはその人と同じ境遇になるように制裁を加えるといった、相手への皮肉にもなるような制裁方法であるため、爽快感を感じる人もいます。

シンブンシの制裁対象は、多くの場合、法律で裁くことはできません。
だからこそ、代わりにシンブンシが裁く姿に爽快感を覚える人が多いのです。

予告犯の強い信念に惹かれる

本作はシンブンシと、サイバー犯罪対策課の二つの視点で物語が展開されていきます。

シンブンシには強い信念があり、ある目的があって予告犯として活動しています。
その目的が明かされるのは物語のラストですが、物語の途中で彼の過去が回想シーンで描かれます。

シンブンシは社会的弱者が強者に利用され食い物にされている現状を憎んでいます。
彼自身も、かつて派遣社員として派遣先にいた会社に良いように利用されて捨てられた経験がありました。

やっていることは犯罪行為であるものの、彼と同じような経験をした人や、現在誰かに虐げられている人、つらい境遇にいる人であれば、そういった人たちのために立ち上がっている彼を賛同したくなってしまう魅力があるのです。

本作を読んでシンブンシに共感できるかどうかは人によって違うと思いますし、あくまでフィクションのキャラクターであるからこそ賛同できるというのはあると思います。

しかしダークヒーローのような存在であるシンブンシの行動や信念には、現実社会の問題を改めて考えさせられる魅力があります。
彼が最終的に何を求めて予告犯として活動しているのか、是非自分の目で確かめてみてほしいです!

まとめ

社会派の作品に興味がある人には是非ともオススメ。全3巻と短いので手に取りやすく、物語のテンポがスムーズで面白いです。

短い巻数でありながら、ドラマ化、映画化も果たしている人気作です。
この機会に読んでみてください!

 

インターネット動画投稿サイトで犯行予告動画を投稿する謎の男。果たして予告された事件は起きるのか…!? 高度に情報化された現代のテロリズムを描く、緊迫のサスペンススリラー開幕!!

(C)筒井哲也/集英社
引用元:Comee.net

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