『薬屋のひとりごと』と『本好きの下克上』から見る、“なろう系小説”が原作の漫画作品の魅力とは?

『薬屋のひとりごと』と『本好きの下克上』から見る、“なろう系小説”が原作の漫画作品の魅力とは?
     

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いま、漫画界には新たな波が来ています。
近年、漫画やアニメ、ライトノベルなどの業界で注目を集めるのが「小説家になろう」という小説投稿サイトから生まれた作品たち、通称「なろう系」の作品たちです。

今回は漫画業界を語る上で欠かせない存在となってきた、なろう系原作の漫画作品を2作品紹介します。
どちらも、なろう系の特徴である転生や、知識を生かして出世する要素を備えながらも、他の漫画作品にはあまりない魅力を持った作品です。

『薬屋のひとりごと』の紹介

最初に紹介する作品は『薬屋のひとりごと』です。
本作は作者の日向夏さんが2011年10月に『小説家になろう』に投稿し、人気を博した作品です。
2012年に小説の単行本が発売、2017年からは『月刊ビックガンガン』と『月刊サンデーGX』の2誌でコミカライズ作品が連載されています。

本作の主人公である猫猫(マオマオ)は薬師として花街で働く少女ですが、人さらいに誘拐されてしまい、後宮に売り払われてしまいます。
仕方なく目立たぬように後宮で働いていましたが、薬や毒への卓越した知識から、後宮内で起こっていた幼い皇子が次々衰弱していくという事件を解決します。
それにより後宮の管理を担当する宦官の目に止まり、数々の難事件を解決していくことになる、ミステリー仕立ての作品です。

中国の都を思わせる架空の都市を舞台に、陰謀が渦巻く後宮で頭脳を発揮!
しかし、なるべく目立たぬように気をつかいながら日々を過ごす猫猫の様子が可愛らしく、漫画版はコロコロ変わる感情豊かな表情も作品の魅力のひとつです。

『本好きの下剋上』の紹介

続いて紹介する『本好きの下剋上』は香月美夜さんが2013年9月に『小説家になろう』へ投稿し、2015年の10月からニコニコ静画にて漫画版が掲載されています。

本を愛す本須麗乃(もとすうらの)は、念願の図書館司書として就職先が決まりますが、地震によって死亡してしまいます。
しかし、気がつくと異世界の女の子マインへと転生していました。
転生した先の世界は貴族が支配する、中世のような都市エーレンフェスト。
どうしても本が読みたいマインですが、この世界では紙や本はとても高価です。
そしてマインの家は質素な生活を営む庶民階級であり、紙を買う余裕はありません。
そのため、紙を自分で作ることを決意し、やがてエーレンフェストの社会を出世していきます。

本作の見どころの1つが、体の弱いマインが本を作るために現代の知識を活用する点です。
古代エジプト文明にて、パピルスという植物から作られていたパピルス紙の製造に着手したり、メソポタミア文明で用いられた粘土板を作り、紙の本の代わりにしようとしたりします。
本の原型になったものを作ることにより、人がどのような手段で言葉や史実を伝えてきたのか、その歴史を教えてくれる作品になっています。

なろう系小説原作漫画の魅力とは?

それでは、なろう系小説が原作の漫画作品の魅力とは何でしょうか?
出版社としては、すでに人気もありネームバリューもある作品の漫画化は、比較的書籍化するリスクが低いというのもあるでしょう。

では、読者としてはどうでしょうか?
なろう系小説というと、先ほど紹介した『本好きの下剋上』をはじめ、アニメ化も果たした人気作品である『転生したらスライムだった件』などのように、異世界に転生する作品が多い印象があります。
現代人が異世界に転生するという非日常感や、現代の知識を駆使して特別な存在になるというのも、大きな魅力です。

しかし、それ以上に私は、それまでにあまり無かった漫画作品が次々と生まれているように感じており、そこが最大の魅力だと考えます。

今回紹介した2作品ですが、王道少年漫画のような派手な戦いのシーンなどはありません。
「中国のような世界の後宮で働く薬師の女の子」や「異世界で本を作るお話」は、持ち込み企画などであれば、少し突飛すぎて編集部も困惑してしまうかもしれません。

しかし、一度ネットを中心に人気を集めて話題になることで、漫画化のハードルは低くなり、今までにない物語が世に出ます。
その結果、漫画文化自体の多様化にもつながるのではないか……そんな期待に胸が膨らむ作品たちです。

まとめ

いかがでしたか?

なろう系小説原作漫画にも色々な作品があり、その多様性に驚く方も多いのではないでしょうか?
特に近年はアニメ化なども果たす作品が多く、注目度も増している印象があります。
ぜひ皆さんも手にとってみてください!

また、漫画業界の変化について語った記事はこちらも読んでください。

人気シリーズのスピンオフ作品のグルメ化が止まらない!

 

【記事内で紹介した書籍】

「小説家になろう」発! ヒーロー文庫の大人気タイトル『薬屋のひとりごと』が、待望のコミカライズ! 中世の宮中で下働きをする少女・猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていた彼女が、帝の御子たちが皆短命であるという噂を聞いてしまったところから、物語は動き始める。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める猫猫の運命は――…!?

(C)2017 Natsu Hyuuga/SHUFUNOTOMO Co.,Ltd.┴(C)2017 Nekokurage┴(C)2017 Itsuki Nanao
引用元:Comee.net

 

 

大ヒットラノベ、待望のコミカライズ化!

誘拐された挙句、とある大国の後宮に売り飛ばされた薬屋の少女・猫猫(マオマオ)。年季が明けるまで大人しくしようと決めていた猫猫だったが、あるとき皇帝の子どもたちが次々と不審死することを知る。好奇心と少しばかりの正義心、そして薬屋の知識を使い、その謎を調べ始めてから猫猫の運命は大きく変わって…? “なろう”発の大ヒット異色ミステリー、待望のコミカライズ登場です!!

(C)日向夏・倉田三ノ路・しのとうこ/小学館
引用元:Comee.net

 

 

累計10万部突破の人気小説『本好きの下剋上』がついにコミック化! 目指すは図書館司書。本好きの冒険開幕!!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー! 【内容紹介】小説投稿サイト「小説家になろう」発の人気作品『本好きの下剋上』がついにコミック化!幼い頃から本が大好きな、ある女子大生が事故に巻き込まれ、見知らぬ世界で生まれ変わった。 貧しい兵士の家に、病気がちな5歳の女の子、マインとして…。おまけに、その世界では人々の識字率も低く、書物はほとんど存在しない。いくら読みたくても高価で手に入らない。マインは決意する。ないなら、作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書。本に囲まれて生きるため、本を作ることから始めよう!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー!!書き下ろし番外編「変になったマイン」も収録。

(C)2015 Suzuka/Miya kazuki
引用元:Comee.net

 

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