【インタビュー】50匹の猫との生活!? 猫嫌い一家に生まれた動物好き漫画家・鈴尾粥先生の猫ライフ

【インタビュー】50匹の猫との生活!? 猫嫌い一家に生まれた動物好き漫画家・鈴尾粥先生の猫ライフ
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。
   

「鈴尾猫の会」やTNR活動について

TNRのやりがいと大変さ

 

©鈴尾粥/comico

 

田舎: TNRの活動のことも聞かせて頂きたいんですけど、遠くまで行かれたりもするんですか?

鈴尾: TNRは避妊・去勢手術して元の場所に戻す形なので、ほぼ地元でしかやらないですね。捕まえに行ってもその日に全部捕まらないことがざらなんですよ。 何ヶ月もかかってあの子だけがまだ捕まらないとか。

田舎: なるほど。何度も通われるんですね。

鈴尾: 週1回、毎週毎週頑張って捕まえに行っても結局捕まらず手ぶらで帰ってくるってことも結構あるんですよ。なのでやっぱり地元じゃないとできないですね。「かわいそうな猫がいるので保護して下さい」って相談をもらって遠くまで行ったりすることもありますけど、手術してリターンするっていう活動は地元付近限定ですね。

田舎: 離れた地域に何度も通われたりするってなると大変ですもんね。

鈴尾: しかも病院に運ばないといけないので。遠くに行って猫を捕まえて、戻ってきて病院で手術してもらってってするのも一苦労ですし。野良猫の避妊・去勢手術をやってくれる病院ってちゃんとあるんですけど、嫌がられてしまうところも結構あって。

田舎: そうなんですか!?

鈴尾: はい、「野良猫はちょっと……」ってところも結構あって。あと手術代もピンキリなんですよね。普通に手術すると2万円ぐらいかかるんですけど、安くやってくれるところは5000円くらいのところもあって。

田舎: そんなに変わるんですね!

鈴尾: 野良猫だからって言ってくれる先生がいるんですよ。本当にありがたいです。

田舎: でも、どこでも気軽にできるってわけじゃないんですね。

鈴尾: そうですね。なのでやっぱり遠くの方からの依頼だと、その地域のボランティアさんに相談してもらうしかない場合もあります。

田舎: TNR活動をしていて一番嬉しかった事や印象に残っている事はありますか?

鈴尾: やっぱり活動に共感してもらえた時は嬉しいですね。TNRの活動とかでなく、野良猫に餌をあげてるだけの人の中には「自分が餌をあげて猫が増えたり子猫が増えて、その猫たちがどこかに行っちゃったり交通事故や病気で死んじゃったとしても、それは自然なものだ」っていう考えがあったりして。だから「なんでわざわざ人の手を加えて手術するの?」っていう人もいるんですね。その中でも「餌をあげるだけじゃダメだと思っていたけれど、それ以上のことはどうしていいかわからなかった。ありがとう」って言ってくださった方もいるので。「これで安心してご飯をあげ続けられるわ」って言ってもらえて嬉しかったです。

田舎: ちゃんと喜んでくれる方もいることが嬉しいですね。それはやりがいを感じますよね。逆に苦労された事や大変だった事ってありますか?

鈴尾: やっぱり手術費用とかは、寄付も貰ってるのであれなんですけど、誰が出すかっていうのは難しいところですよね。餌をあげてる人は、ノータッチで何もせずお金も出さず、でいいものなのか。頑張って出してもらった方がいいのか。

田舎: あーーなるほど。たしかにそうですよね……。

鈴尾: そうなんですよ。かといって無理やりお金を出してもらうものでもないですし。

田舎: 作中でも飼い主の方がお金がないから払えないっていう事件がありましたが、飼い主の方が居るのに先生やボランティアの方が費用を出すこともけっこうあるんですか?

鈴尾: そういう時もあります。時と場合によっては、ですけど。もう私としては「猫が助かればいいや。これ以上可哀想な猫が増えずに、この子が普通に暮らしていければいいや」みたいな感情なので。

田舎: 保護するわけじゃなくて、手術だけして飼い主のところに戻すんですか?

鈴尾: そうですね。TNRの場合もそうなんですけど、ボランティアをしてる方の多くは、できれば保護したいと思ってるけど、引き取るにはもう色々限界なんですよね。致し方ないから元の場所に戻しますが、本当は自分の家に引き取ってあげたいんですよね……。

田舎: そうでしょうね。絶対心配ですよね 。

鈴尾: 本当はリターンしたくないんです。交通事故とか病気とか、猫が嫌いな人にいじめられてるとか、餌をあげてる人に何かあれば、ご飯ももらえなくなっちゃったりとかするわけですし。

田舎: 里親さんが見つかるのが一番なんですね。

鈴尾: 本当にそうですね。

田舎: ちなみにペットショップで猫を買った場合って何十万円とかってするじゃないですか。地域などの保護団体から引き取る場合は、どれくらいのお金がかかるんですか?

鈴尾: 保護団体にもよるんですけど、気持ちの寄付をいただいているところがあったりとか。私の場合は一律5000円の寄付をもらうようにしていて、それはワクチン代と手術の一部負担とそこまで行く交通費も含めて一部負担して欲しいと思っていただいています。あと、タダってなるとやっぱり軽い気持ちも生まれてしまうことがあるので。命の重さや、活動にお金がかかっていることもちゃんと理解してもらうべきだと思って。そういうこともあって設定しているところは多いんじゃないかと思います。

田舎: 絶対その方がいいですよね。タダっててなると、「ちょっと猫飼ってみようかなぁ」って気軽に引き取ってしまう人も出て来ちゃったりしますよね。

鈴尾: ぬいぐるみをお店で買うようなレベルで引き取られちゃうと、こちらとしても困るなというのがありまして。 里親募集って2回ぐらいしか会わないので本当にその人がいい人なのかを知るっていうのは微妙なところで……こっちも大事な子をあげる気持ちとしてはできるだけやっぱりちゃんと費用も負担してもらって、契約書もちゃんと交わしたいと思いますね。

田舎: 里親さんの見極めがとても重要で大変なことなんですね。

豊橋での活動状況

田舎: 今、豊橋では何人ぐらいの方が活動されてるんですか?

鈴尾: 私が知る限りでは3団体あって。そのうちの2団体は各10名ずつぐらいはいると思います。もうひとつはご夫婦でやられてるんですけど、その方達は本当にすごくて、300匹ぐらいは保護しています。

田舎: えー!300匹の猫……まったく想像できないです!(笑)ちなみに他の皆さんはどのくらい飼われているんですか?

鈴尾: だいたい20匹以上ぐらいは各自自宅で保護しています。10匹超えたらあっという間ですよ(笑)20、30と……。

田舎: こうなってくるともう多すぎて変わらないかなみたいな?

鈴尾: 感覚が麻痺してきちゃって!(笑)

田舎: やっぱりそうですよね。300匹もそうですけど、50匹も僕には想像できないですもん。先生の「鈴尾猫の会」っていうのは団体としてやってるんですか?

鈴尾: そうですね、個人団体と言うか個人ボランティアなんですけど。

田舎: どこかに所属してるといわけではないんですよね?

鈴尾: はい。たまに知り合いとかが手伝ってくれたりとか、里親さんの所に運転を交代して一緒に行ってくれたりとか、忙しすぎる時はたまにお掃除をしに来てもらったりとかしてもらってるんですけど、基本は一人で全部やってます。

田舎: 大変そうですね。

鈴尾: そうですね。もうちょっと減らしていかないといけないんですけど。

田舎: でもほっとけないんですよね。

鈴尾: そうなんですよ。どうしても可哀想な猫がいる情報が入って来ちゃうんですよね。もう助けたくてもどうしようもできないので、できるだけそういう情報が入ってこないように避けてはいるんですけど。

田舎: でもやっぱりこういう作品を描かれているので「猫のことは先生に相談しよう」ってなっちゃうんでしょうね。

鈴尾: 相談をもらうと「うちは無理です」ってなかなか言えない状況もあって……。もちろん言うときもあるんですけど。東北の方から相談が来たり、Web漫画なので読者さんが幅広くて沖縄や北海道からも連絡が来たりするんですけど、

田舎: 各地から連絡があるんですね。

鈴尾: ありますね。「地域毎にボランティアをしてる方がいるので一度相談してみてください」って言って解決する場合と「連絡したけどやっぱりダメだった」ともう一度相談がきたり、「うちの地域ではボランティアがないです」っていうのがあったり。

田舎: さすがに北海道から沖縄までてなると一人では抱えきれない問題ですね。

鈴尾: そうなんです……。聞いちゃうと「そんなひどい状況で見過ごすわけには……」って気持ちになってしまって……気づいたら50匹ですね(笑)

田舎: ということは遠くから保護された子もいるんですか?

鈴尾: いますね。佐賀とか、新潟や青森なんかも行きました。でもやっぱり50匹が限界です(笑)

田舎: むしろもう限界超えてるくらいの感じじゃないですか?

鈴尾: 超えてます!(笑)

田舎: 現状の日本だと終わりのない大変な活動ですよね。

鈴尾: そうですよね。本当に捨てる人がいなくならない限りは。野良猫が公園とかにいるのを見て、捨てていいものだと思って悪気なく捨ててる人もいるんですよ。

田舎: なるほど。そこで生きていけると思ってしまうんでしょうね。

鈴尾: 保健所に連れて行かれれば一発アウトなので、それよりはいいと言えばそうなんですけどね。

今後の創作活動について

田舎: 今後、『猫絵日記』以外の漫画も描かれる予定はありますか?

鈴尾: 描きたいです! でも今はスケジュールがパンパンなので、もう少し描くスピードを上げてからですね。エッセイとは言ってますけど、エッセイだから描けない部分ってあるんですよ。その人が実際に存在してるので、あんまり悪く描いちゃうのはダメだし、「こんな酷い人がいたんです!」っていう事も描けないですし……。だから、そういった描けない部分をフィクションとして描きたいなっていう気持ちがあります。

田舎: じゃあ、フィクションとして描くとしても猫を題材とした漫画を描かれるんですね。

鈴尾: 多分そうですね。こういう活動をしている人たちをテーマに創作漫画を描いてみたいなっていうのがあるんです。『comico』の読者さんは比較的若いってお話を先ほどしましたけど、『猫絵日記』の読者様は10代ぐらいの方はそこまで多くないんですよ。20代後半〜40代くらいの読者さんが多いと思うんです。

田舎: なるほど。

鈴尾: でも創作漫画であればもっと若い読者さんたちにも届けられるかなと思っていて。

田舎: たしかに若い子たちには創作の方が届きやすいかもしれないですね。

鈴尾: 例えば、“高校生が部活で猫ボランティア部を設立”みたいなのをちょっと考えてるんですけど、時間を見つけて描ければいいなっていう。

田舎: いいですね。すごく楽しみです。じゃあ新作を描くとしても題材はやはり “猫”なんですね!

鈴尾: なんか頭の中が猫でいっぱいなので猫から離れた漫画は描けないんじゃないかなっていう感じです(笑)

田舎: 例えば恋愛漫画とかバトル漫画みたいなのは描こうとは考えていないんですね。

鈴尾: 描くとしても猫は絶対出てくると思います。「また猫出てきたよこれ」みたいな(笑)

田舎: それでは最後に、今後の意気込みを聞かせてもらってもいいですか?

鈴尾: 今一応267話目まで公開されているんですけど、『comico』が続く限り、細く長く続けていけたらなと(笑)なるべく頑張って続けていきたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします。

田舎: もう267話にもなるんですね。週刊連載ですか?

鈴尾: そうです。なので1年で50話ぐらい。それが今5年以上になるので……。

田舎: すごい!! 『comico』初期メンバーの方で今でも連載が続いてらっしゃる方は鈴尾先生以外にもいらっしゃるんですよね?

鈴尾: いますいます。初期からずっと続いている作品はだいぶ少なくなってきましたけど。

田舎: そうなんですね! 今後も『猫絵日記』を楽しみにしております。今日は本当にありがとうございました!

鈴尾: ありがとうございました!

まとめ

 

いかがでしたか?

鈴尾先生は現在も、50匹の猫と暮らしながら、猫漫画の連載とTNR活動を行っております。

まさに猫づくしの日々!

インタビューをしていて、鈴尾先生の猫に対する大きな愛情がいっぱい伝わってきました。

TNRのことや野良猫のリアルな実態など、今まで僕が知らずに生きてきたことをたくさんお聞きすることができて、僕自身とても勉強になりました。

鈴尾先生の『猫絵日記』は本当にたくさんの人に読んでほしい漫画です!

猫が好きな人も、そうじゃない人でも、ほんとにみんな読んでください!

可愛い猫たちの写真や絵に癒やされながら、とても大事なことが勉強できる漫画です◎

 

Comee宛に色紙も描いてくださりました!ありがとうございます!

 

さらに鈴尾先生が、漫画好きのためのSNSアプリ「Comee」の公式ユーザーになってくださいました!

Comeeで鈴尾先生をフォローすると、先生の好きな漫画がわかります!

是非、先生の読んだ漫画や読みたい漫画をチェックしてみてください◎

 

『猫嫌いの家に生まれた猫好きが猫と暮らす絵日記』はマンガ・ノベルサービス『comico』にて毎週金曜日に好評連載中!

作品ページURL:http://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=36

 

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公園に生息する野良猫を保護し、去勢避妊手術を行った後、元の場所に戻すTNR活動。病気や怪我のケアに、里親探し。野良猫撲滅を目指す著者・鈴尾粥が猫一色の日常をコミカルに描きます。同居猫はどこまで増え続けるのか!?


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