以前Comee mag.でも紹介させていただいた、Twitterへの投稿が大反響を呼び書籍化された『バイトの古森くん』や、『後輩くんは甘やかしたい』の作者、せかねこ先生にインタビューさせていただきました!
『バイトの古森くん』はなんと2巻の発売が決定したということで、今回は『バイトの古森くん』の話を中心に『後輩くんは甘やかしたい』の事やせかねこ先生自身の事まで色々と聞かせてもらいました。
そして! ここでしか手に入らない超激レア(!?)なプレゼント企画もさせて頂けることに!
応募方法は記事の最後にありますので是非最後までご一読を!
ゆるくて不思議なせかねこワールドへようこそ!
【プロフィール情報】
せかねこ
Twitterに投稿したエッセイ漫画『バイトの古森くん』で2017年12月デビュー。
読者からの親しみを得る優しい絵柄とほのぼのとした世界観の漫画が特徴。
Twitterへ投稿した創作漫画『後輩くんは甘やかしたい』も今年6月に書籍化されている。
名前は、アーティスト『SEKAI NO OWARI』と猫というご自身が好きなものを掛け合わせてつけたとのこと。
『バイトの古森くん』のこと
古森くんも変だけどせかねこ先生も変!?
河野: よろしくお願いします。
せかねこ: よろしくお願いします。
河野: ちょうどさきほどTwitterの投稿を拝見させて頂いたのですが……緊張されてるんですか?
前にバイトの古森くんについての記事を書いていただいたcomeeさんに取材を受けることになりました。取材とかされたことないからもうずっと吐きそうです!!!お手柔らかに!!!
滅多に会わない担当さんとも久しぶりに会って打ち合わせをします!!!お手柔らかに!!!https://t.co/snaUt8Z0KF— せかねこ (@sekaneko13) 2018年11月9日
せかねこ: 今日は久しぶりの打ち合わせと初めてのインタビューなのでダブルで緊張してます……(笑)
河野: 実は僕もちょっと緊張していまして(笑)お互いお手柔らかにということで。
せかねこ: はい。お手柔らかに〜(笑)
河野: デビュー作でもある『バイトの古森くん』はせかねこ先生の実話ベースですよね?
せかねこ: そうですね。
河野: 『バイトの古森くん』を描き始めたきっかけを教えてください。
せかねこ: 「こんな変な人が世の中にはいるんだよ〜」って事を伝えたくて描いてみたのが最初ですね(笑)それがまさかこんなこと(書籍化)になるなんて……。
河野: ご自身でも驚きですよね。
せかねこ: こんなに反響を頂けると思っていなかったので驚きましたね。
河野: 現実世界での古森くんとの付き合いはどれくらいになりますか?
せかねこ: 意外と短いですよ。1年半くらいですかね。出会った時からずっと漫画の中のあのまんまで、変な人です(笑)
河野: 『バイトの古森くん』を読ませていただいた時から思っていたのですが、せかねこ先生自身もかなり変わった方って言われませんか?(笑)
せかねこ: それは各方面から言われますね。でも私はまだ認めていません(笑)
河野: 最初は古森くんの事を高校生だと思っていたんですよね?
せかねこ: ずっと高校生だと思っていました! 最初はシフトがかぶらなかったんですよ。漫画でも描きましたけど、初めてシフトが一緒になって古森くんを見たときに、地元の高校のジャージを着ていたので。年上と知ったときは驚きでしたね。
河野: 高校のジャージを着ていたら勘違いしちゃうのも無理ないですよね。
せかねこ: その高校のジャージって生地がいいんですよね。古森くん曰く、生地がいいのに使わないのはもったいないし、納品された品物のダンボールを持ったりする時に汚れたりすることもあるので当時のジャージを再利用してるらしいです(笑)
河野: 僕も高校の頃のジャージを寝る時に着ることはありますけど、職場には着ていかないですね(笑)作中で異動のお話がありましたよね。確か、A、B、C店と3店舗ありましたが変わらず今でもC店勤務ですよね?
せかねこ: そうですね。変わらずC店で働かせてもらっています。でも未だにオーナーから「今から〇〇店にヘルプ行ってもらえる?」とか言われますけどさすがに断っています。
河野: 漫画のお仕事だけで生活できるほどになれば漫画一本にされる予定などもあるんですか?
せかねこ: いやぁ……どうでしょう。チヤホヤしていただけているのも今だけだと思っていますので……(笑)
河野: いやいや!(笑)絶対そんなことないですよ!
悪い大人に騙されないように……書籍化までの道のり
河野: 初めてTwitterでいわゆるバズみたいなものが起こった時はどんな心境でした?
せかねこ: 「うわぁ!通知止まらない!怖い!何が起こっているんだ!?」って思いました(笑)たしか7万いいねくらい伸びたんですよ。「こんなのおかしい!」ってパニックでしたね(笑)とんでもない量のリプライを頂いて、初めて否定的なコメントももらってしまって。
河野: 作風的にそういうコメントは来なさそうですけど、やっぱりそういうこともあるんですね。
せかねこ: 今はほとんど無いですけどね。でもそれ以来私、リプライを見るときもスマホを遠ざけて薄目でスススッとスクロールするので(笑)それっぽいコメントが目に入ったら閉じちゃいます(笑)
河野: あはは!(笑)でも応援コメントの方が圧倒的に多いですよね?
せかねこ: そうですね。ありがたいです。それこそ本当に最初の投稿の時から今でも応援してくれてる方もいて。応援コメントは本当に嬉しいです。
河野: 書籍化に至った経緯はTwitterからですか?
せかねこ: そうです。KADOKAWAさんの他にも3社くらい声をかけて頂きまして。突然のことでしたしすごく怖くて「どの出版社さんを信じていいのかわからない!」ってなりました。
河野: 悪い大人が騙そうとしてくるかもしれませんもんね!(笑)
せかねこ: そうです!(笑)私、イタズラが怖いのでTwitterのDMも開放してなかったですし、アドレスも載せてなかったんですね。Pixivにメッセージをくれた方もいたんですけど、私Pixivあんまりログインしてなかったんで気づかなかったんですよ。そしたら今の担当さんからリプライで連絡が来まして。
河野: とりあえず話だけでも聞いてみようか、みたいな?
せかねこ: そうですね。「KADOKAWAって聞いたことあるぞ!」と思って(笑)
変人だらけ!?せかねこ先生の職場
河野: 『バイトの古森くん』にも出て来るパートさんはまだいらっしゃいますか?
せかねこ: います。多分あの人はずっといます。ずっといるって自分で言ってましたから(笑)
河野: 仲は良いんですか?
せかねこ: プライベートの付き合いは無いですね。たまに「せかねこさんと仕事だけの付き合いじゃなくて普通に遊んだりする友達になりたいんだよね」って言われるんですけど、やんわりと断っています(笑)
河野: なんでですか!?(笑)いいじゃないですか!いい人なんですよね?
せかねこ: すごく綺麗な人だしいい人なんですけど、変な人なんで(笑)なんか大変なことになりそうだなって思って。
河野: そうなるとせかねこ先生の職場は変な人しかいないことになりますよ!(笑)
せかねこ: そうなんですよ。今まで3店舗全ての異動がありましたけど、今働いているC店が一番変ですもん(笑)こんな職場もあるんだなって思っています。
河野: 店長さんもですか?
せかねこ: 店長もだいぶおかしいです(笑)
河野: でもすごく楽しそうな職場ですよね!
せかねこ: それはすごく良く言われますね。でも楽しい話しか載せていないので、仕事としての辛い部分もありますよ(笑)楽しくない部分は描いてないだけです。まぁでも楽しい職場ではあるんですけどね(笑)
河野: 平和な日常をお届けしたいですもんね。
せかねこ: そうです。仕事のつまらない部分を描いてもみんな見たくないだろうから描かないようにしていますね。
河野: そういう意味では、描き下ろしの異動のお話は仕事の辛い部分を描いた唯一のところですよね?シリアス寄りと言いますか。
©Sekaneko/KADOKAWA
せかねこ: あそこは単行本を出すに当たって、打ち合わせで「長編を入れましょう」ってことになりまして、長編で描けるお話はアレだなと思ったので、ちょっと重めの話ですけど入れさせてもらいました。
河野: あの時は辞めてもいいかなって気持ちがあったんですよね?
せかねこ: ですね。本当に辞めようと思っていました。でも結局辞められなかったのは自分がどれだけ怒っていても他の社員さんの優しい声とかを聞いちゃうと「ごめんね」って思えたからなんですよね。「あなたもそうしたくてそうしてる訳じゃないのに、こっちばっかり怒ってごめんね」って。
河野: 人には人の都合があるというか。
せかねこ: まさにその通りです。
河野: その時に辞めずに残るきっかけの一言をくれたのは古森くんですよね。
せかねこ: ……。何か言ってたっけ……?(笑)
河野: ほら、アレですよ(笑)「辞めちゃってもいいんじゃない?でも、今せかねこさんが思ってる事は伝えた方がいいと思うよ」みたいな事を。
©Sekaneko/KADOKAWA
せかねこ: あーそうですね! 「どうせ辞めるなら言いなよ」って言ってくれましたね!あの時は相談できる相手もいなくて、古森くんは同じ目線で考えてくれてたんだなって思います。
河野: いい話だなぁ。
初公開!実写版せかねこ折り紙!
河野: 2巻の表紙とかってもう出来ているんですか?
せかねこ: ちょうどさっき渡されまして。これがそうですね。
©Sekaneko/KADOKAWA
河野: おぉー! いい表紙ですねぇ。あ! 表紙に折り紙の事が描いてある! 実は今日折り紙持ってきたんですよ!
せかねこ: 嘘だー!(笑)なんでですか!
河野: せっかくなんで、せかねこ先生に鶴を折ってもらおうと思いまして(笑)
せかねこ: えー! 先に練習したかった……(笑)
河野: 練習は無しの一発勝負でいきましょう!(笑)
(せかねこ先生、鶴を折り始める)
せかねこ: この三角まではわかるんだよな……。
河野: そこまでは割と誰でもわかりますよ(笑)漫画の中で折られた時はやり方を見ながら折ったんですか?
せかねこ: 何も見てないです。高校生の時に友達に教えてもらった記憶を思い出して折ってみたら全然折れなかったんです(笑)どっかで戸惑うポイントがあるんだよなぁ……。
河野: 古森くんは手先が器用なんですか?
せかねこ: すごい器用ですよ! 古森くんは虫とかドラゴンとか作るんですけど、独自のこだわりを持っていて絶対に折り紙を一枚しか使わないんですよ。
河野: 折り紙って一枚で折るものじゃないんですか?
せかねこ: YouTubeとかで折り紙の動画を見ると 2、3枚使った大作みたいなのも結構あるんですよ。でも、古森くんは絶対に一枚で作れるものしか作らないってこだわりがあるみたいです(笑)
河野: そうなんですね! ちなみに今度発売される2巻にも折り紙のエピソードはあります?
せかねこ: ありますよ。
河野: うわぁ! めっちゃ楽しみです! せかねこ先生、できました?
せかねこ: 一応……。惜しいところまでは出来ました……! どうですか!? 近くないですか!?
河野: 近いんですけど何か違いますね!(笑)完成品と並べると全然違いますけど、せかねこ先生の折った鶴は独特な可愛らしさがありますね!(笑)
せかねこ: ピンクだから可愛く見えてるだけですよ……(笑)折り紙なんか誰も教えてくれないからなぁ……(笑)
おでん爆発事件とパスタ火柱事件の真相!
河野: 『バイトの古森くん』の単行本の最後で、せかねこさんと弟さん、弟さんの親友の苗田くんのお話を読んでいて気になったんですけど、おでん爆破事件とパスタ火柱事件の事を教えてください。
©Sekaneko/KADOKAWA
せかねこ: 高校生の時にお母さんの作ってくれた朝ごはんがおでんだった事があるんですよ。お母さんは仕事で先に出ちゃっていなかったので、温めて食べようとレンジに入れたんです。温め終わってさぁ食べようと卵を箸で持った瞬間に「パーンッ!!」って爆発した事件です(笑)
河野: 卵はレンジで温めたらいけないらしいですね。その時お怪我は無かったですか?
せかねこ: 怪我は無かったんですが、飛び散った卵で制服が汚れました(笑)生卵はレンジに入れたらダメでゆで卵は大丈夫だと思ってたので衝撃でしたね。
危ないからやっちゃダメですよ!(笑)
河野: やらないので大丈夫です!(笑)パスタ火柱事件はどのような?
せかねこ: そのまんまの事件です(笑)小さい鍋でパスタを茹でていたら鍋に入りきらなかったパスタに引火して火柱になるっていう。さらに、この間そうめんで全く同じ事件を起こしてしまいました……(笑)
河野: あはは!(笑)言い方は悪いですけど、学習しないですねー!(笑)せかねこ先生は周りの方から天然ってよく言われますか?
せかねこ: 天然とは言われないんですよ。「抜けてるね」か「バカだね」って言われます(笑)
河野: 天然より直接的な言葉ですね(笑)
せかねこ: 優しい人は「変わってるね」って言ってくれます。でもそれって多分「バカだね」って意味だと思うんですけど……(笑)
河野: そんなことないですよ!(笑)
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