【新刊発売記念インタビュー】アイドル?バーチャルYouTuber?いやいや漫画家なんです!“男の娘”ジャンルで大人気の作家・佃煮のりお先生の正体に迫る!

【新刊発売記念インタビュー】アイドル?バーチャルYouTuber?いやいや漫画家なんです!“男の娘”ジャンルで大人気の作家・佃煮のりお先生の正体に迫る!
     

月刊誌で漫画を連載していた元漫画家で現よしもと芸人。よしもと漫画研究部の作画担当。

   

計算された可愛らしさ!漫画制作の裏話

超多忙!?ハイスピードな作業の理由

高橋: 先生は本当にすごくたくさんの活動されてますけど、お休みってとれてるんですか?

佃煮: 最近は週に1日くらいは休暇をとって遊びに行くようにしてて、来週は3日間休暇にして遊びに行こうとしてますね。そこは配信を休ませていただいて。

高橋: あれだけ色々活動されて休暇も取れるって、スケジュール管理をちゃんとされているってことですね。

佃煮: そんな事ないですよ。最近も連載原稿脱稿したんですけど、めちゃくちゃギリギリのスケジュールで、土日にイベント出演が両日あって、最後のほうは24時間くらいずーっと描き続けてて……。

高橋: 1話にかかる時間ってどれくらいなんですか?

佃煮: えーっとそうですね、私ショート漫画が得意で、今もショート漫画を、1話12ページっていう単位で描かせていただいているんですけど、だいたいプロットは時間がかからないので数時間で作ってて、ネームが1日かかるか、かからないかくらい。下書きがはやければ2日くらいで描いて、ペン入れも早ければ3日4日くらいです。

高橋: えええ!めっちゃ速いですね!

佃煮: 速いほうだとは思いますね。1週間ちょっとで1話は出来上がるので……。いずれ週刊連載をやりたいって思ってて、そのために速く描く練習をしているんですよ。

高橋: プロットはどのように書かれてるんですか?

佃煮: プロットはテキストで台本形式みたいに書いています。同人の時からずっとそれだったんで、それ以外の作り方がわからないんですよ。プロットはテキストで書いて、そのあとネームにして、下書きしてペン入れしてって感じですね。

高橋: どの作業が1番大変ですか?

佃煮: なんだかんだで多分下書きですね。下書きが決まらないとペンも決まらないので。逆に下書き綺麗に描けたらペンも早いんですよ。下書きがフニャフニャってなってると、なんだこの絵は、この絵描いたの誰だ……みたいになって。

高橋: 単行本の巻末の下書きを見ると、凄く細かく描かれてるなと思ったのですが……。

佃煮: あれは載せる事前提で描いているのでかなり丁寧に描いてるんですよ。Kindle版を買うとネームと下書きがついてくるっていう電子特典があるんですけど、そっちを見ていただくとそんなに綺麗ではないですね(笑)ネームの絵が汚いって当時『わぁい!』の編集長さんに言われました。

高橋: あはは(笑)

下着やお風呂シーンは女性ならでは!?

高橋: 男の娘と女の子の身体の描き分けの方法というか、こだわっているところはありますか?

佃煮: 女の子ってやっぱりお腹のくびれっていうのが出ると思うんですけど、男の娘って出ないんで、まっすぐ描くようにはしていて、あとはなるべく肩幅を若干固めというか、女の子はなで肩でいいと思うんですけど、男の娘はちょっと上に出てる感じというか。

高橋: ちょっと骨ばった感じですね。

佃煮: そうです、肩の骨が出てる感じにしてます。

高橋: 私は先生の描く腹筋とか、肋骨の感じが凄くいいなぁと思ってました。

佃煮: ほんとですか。それはここ1年くらいで描き方変えたんですよ。男の娘の絵が上手な人を参考にして。私の男の娘の描き方は今までなってなかったなって思いながら。

高橋: あと、私、先生の作品で好きなポイントが、下着がめっちゃ可愛いっていうところなんですよ!

佃煮: 下着の描写が細かいって言ってもらうこと多いですね。正直あんまり意識した事はなくて。でも自分自身が女性なので、下着とかも買うじゃないですか。だから自然と「下着ってこうだよね」っていうふうに描いているだけだと思うんですけど。

高橋: 愛音ちゃんっていうロリ顔の、ギャルのキャラクターが登場するじゃないですか。男性の作家さんだったら、その子の下着をもっと可愛い感じで描くと思うんですよ。

佃煮: え、そうなんですか?

高橋: ちょっと夢見ちゃうっていうか、人によっては白で描いちゃったり……。

佃煮: ギャルの下着は豹ですよね。豹かゼブラですよね。

 

©佃煮のりお/白泉社

 

高橋: そうそう! あと私、男性の描く萌え漫画で気になるのが、お風呂とか温泉とか入る時に髪の毛をまとめずにそのままお湯に全部つけちゃうっていう……。

佃煮: ああ~!

高橋: それをのりお先生はお団子にしたりしてめっちゃ可愛く描いてくれるから。

佃煮: そうなんですよね、実際髪を垂らしたほうが絵的には映えるんですよ。だから迷うんですよねいつも。でも垂らさないよな~みたいな。

高橋: 垂らすと髪の毛が傷んじゃうのでなかなかしないですよね。

佃煮: 傷んじゃうし、温泉に入る時は周りの迷惑にもなるから、お湯につけちゃダメって思って……家のお風呂とかのシーンだとおろしててもいいんですけど、銭湯でおろすのはマナー違反だなって思って……。

高橋: そうですね。ちょっと違和感が。

佃煮: 一応お団子とか、2つ結びとかにして。

 

©佃煮のりお/白泉社

 

高橋: でもそれはそれで、キャラクターの違う髪型が見れて嬉しいですね。

佃煮: 確かに。読者さんはけっこう「この髪型も可愛い」って言ってくださるので、そこで楽しんでもらえるなら逆に良かったかなって思います。

そんなところまで!更なる作画へのこだわり

高橋: 他にこだわって描いてところはどこですか?

佃煮: 毎回、どのコマも顔が可愛く描くようにはしてます。私の漫画ってどのコマを見てもかなり丁寧に描いてあって、雑に描いてあるところがないようにしてるんですよ。丁寧に描かれた絵のほうが読者さんも嬉しいに決まってるので。だから、どこのコマ見てもどこのコマを切り取られたとしても、見栄えがする絵にはしてるかなって思います。

高橋: 素晴らしいですね! 線もめっちゃ綺麗だし、髪の毛の処理も細かいし……。

佃煮: ありがとうございます。髪の毛の処理がマジで大変なんですよ。

高橋: のりお先生は黒髪の処理の仕方が作品ごとに変わっていってるじゃないですか。

佃煮: そうなんですよ!

高橋: あれは流行に合わせてっていう事なんですか?

佃煮: 寧子お姉ちゃんはエロ漫画系の塗りにしてて。

高橋: ちょっとツヤっとした感じの。

佃煮: そうですそうです、一回黒で描いた後に、トーンを貼って、削って、白を足して……みたいな処理の仕方をしてるんですけど。エロ漫画ってあれが結構主流になってるんですよ。やっぱり巨乳キャラを描くっていう部分で、エロ漫画とかを読む層にも読んでほしかったので、エロ漫画により近い処理の仕方をして、エロ好きな人にも来てほしいな~なんて思ってて。

高橋: へぇ~!

佃煮: やっぱり黒髪ロングってエロ漫画だとほんとにもう1番売れるっていう売れ線のキャラクターなので。

高橋: だから寧子お姉ちゃんは黒髪キャラにしたんですか?

佃煮: そうなんです、黒髪キャラが売れるマストって言われてて、研究結果をもとに黒髪ロングにしてます!

高橋: なるほど。そこも自身の研究データに基づいて描かれてるんですね!

佃煮: 黒髪ロングも正直、描くの苦手だったんですよ。難しいんですよ、黒髪ロングって。頭がツルっとしてるから、髪とかくくってると簡単なんですけど、ツルっとしてると絵が下手だから丸く描けないっていう。めちゃめちゃ練習しましたね。頭が大きくなっちゃったりとか、へこんじゃったりとかするので難しいんですよ。

高橋: わかりますわかります! ごまかしが効かないんですよね。

佃煮: そうなんです。ほんとに画力が出ちゃうんで……。

高橋: 私はグラデトーンで誤魔化してました。

佃煮: あ! グラデはいいですね! 絵が下手でもなんかそれっぽくなるっていう……! 誤魔化す方法ばっかりだんだん上手になってきちゃって。

高橋: 萌え系の絵柄ってそうなりますよね。

佃煮: そうですよね~。やっぱり皆さんベタを貼らないっていうか、ベタを塗っちゃうとバレるからやらないというか……双葉さんは結構ベタを入れる事を意識してて、なるべく以前の作品よりは多目に入れるっていう……あとペンを太めにするっていうのは意識してます。

高橋: そうだったんですね!

佃煮: そうなんです。やっぱり青年誌になるので、萌え系ではなく青年誌なので、青年誌の漫画見た時にみんなペンが太いんですよ。私漫画が下手だからペン太くできないって思って、最初細く描いたんですけど、載った時浮くよなって思って。前作の『ヒロインボイス』より4倍は太くしてますね。

高橋: そんなに!

佃煮: 最初0.8ミリくらいのペンで描いてたんですけど、今は4ミリとかですね。かなり太くなってるはずです。

高橋: 雑誌でパラパラめくった時に、ベタが多いと目もひきますしね。

佃煮: そうなんですよ、黒髪ヒロインにしたのはそういう理由もあって、ベタいっぱい貼れると画面が引き締まるから、そういう意味でも黒髪ロングはいいなって思って。

高橋: 何より可愛いですしね。

佃煮: やっぱり映えますよね。処理もあれだけこだわってると目をひくので……。描いてるからこそわかってくれる部分があると嬉しいですね。

 

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