【インタビュー】漫画家・伊藤正臣先生の『マグネット島通信』&『恋とマコトと浅葱色』、W連載中の2作品の制作秘話!

【インタビュー】漫画家・伊藤正臣先生の『マグネット島通信』&『恋とマコトと浅葱色』、W連載中の2作品の制作秘話!
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。
   

田舎はるみの漫画家さんインタビュー企画、第◯弾!

今回はデビュー以来いろんな雑誌・媒体で多数の作品を生み出し続けている、伊藤正臣先生にお話を伺うことに。

現在連載中の『マグネット島通信』や『恋とマコトと浅葱色』の2作品の制作秘話を中心に、今後の展望なども語っていただきました!

 

【プロフィール情報】

伊藤正臣
2005年に第65回少年チャンピオン新人漫画賞で奨励賞を受賞。
2007年に週刊少年チャンピオンより『伝説の男マネさるたひこっ!』で漫画家デビュー。
その後、『片隅乙女ワンスモア』(幻冬舎コミックス)、『タネも仕掛けもないラブストーリー』(集英社)、『人魚姫の水族館』(白泉社)など多数の作品を連載。
現在は、「MANGA ZERO」にて『マグネット島通信』、「LINEマンガ」にて『恋とマコトと浅葱色』をW連載中。

 

集大成的な作品とも言える『マグネット島通信』

空から謎の金属片が降る島・磁辺島。タイ語翻訳家をしている本山田は、叔父の空き家を借り、都会から磁辺島へ移住することとなった。海が見える景色、豊かな自然、ゆっくりと流れる時間、人懐っこい島民との触れ合い。そんな新しい生活に心踊らせていたところ、島の空から謎の金属片が落ちてきた。それ以外にも見つかる島の謎。島の秘密が解き明かされていく、新感覚! SFファンタジー×アイランドストーリー!!

引用元:Comee.net

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 こだわって描いた、夏の島の空気感

田舎: 今日はお忙しい中ありがとうございます! よろしくお願いします。

伊藤: よろしくお願いします!

田舎: 早速質問させていただきますね。伊藤先生と言えば、今連載中の『マグネット島通信』や『恋とマコトと浅葱色』や過去作品でも、作中にファンタジーやSFの要素が含まれているのが特徴かなと思うのですが、何かこだわりがあるんですか?

伊藤: 僕は元々SF作品が好きで、特に石黒正数先生※代表作『それでも町は廻っている』などSF作風で知られる漫画家の作品が大好きなんですよ。なので、少し不思議なSF要素は自分の作品にも入れたいなと思って描いています。

田舎: 不思議な設定はどうやって思いつくんですか?

伊藤: 担当編集さんがけっこうアイディアを出してくださるので、一緒に案を出し合って作っていってますね。

田舎: 担当さんとの打ち合わせの中で一緒に作り上げていくんですね。そういう時って、まったくゼロの状態から始めるんですか?それとも、「こういうものを描きたい」というのはある程度固まっているんですか?

伊藤: 最近では「こういうの描いてみたいな」っていうのがあるんですけど、今までは新作を描く時はとりあえず新しい担当さんに、「どういうものを描けばいいですか?」ってまず聞いてから考えることが多かったですね。

田舎: 自分が何を求められているかを先に聞くということですね。

伊藤: そうですね。『マグネット島通信』の場合は、担当さんから「島モノどうですか?」って最初に言われて考えました。

田舎: そういう経緯があったんですね。島モノを描く際に一番こだわったことは何ですか?

伊藤: やっぱり舞台となる夏の島の空気感を出す事にこだわりました。漫画を読みながら島の旅行を疑似体験してもらえたらな、と思います。

田舎: たしかに、海の爽快感や風鈴の懐かしさなど、いろんな場面で夏気分を味わいながら読ませていただいてます! 伊藤先生にとって『マグネット通信』はどのような作品ですか?

伊藤: 夏・SF・海などなど・・・僕の好きなモチーフを全部詰め込んだ今の僕の集大成的な作品です。

田舎: 集大成……! かなり思い入れも深い作品なんですね。

登場人物たちがハッピーエンドを迎えるように

田舎: 読者様に一番注目してほしいのはどういうところですか?

伊藤: 全部、と言いたいトコロですが、連載では丁度今クライマックスを迎えるところで色々と伏線を回収しています。いろんなものがスッポリと収まるラストに注目してもらいたいです。小説で言う、ラストの1行部分でまた驚きを用意しています。

田舎: それはすごく楽しみですね! ちなみに主人公がタイ語の翻訳家という設定はどこから生まれたんですか?

伊藤: 単純に、僕がタイ好きなんです……(笑)そんな頻繁には行ってないんですけど、6回くらい行きましたし、タイ料理とか美味しくて大好きです。

田舎: タイが好きすぎてタイ語の翻訳家を主人公にしちゃったんですね!(笑)

伊藤: 思いついたものをそのまま描いてる感じです(笑)でも、そうやってたまたまなんとなくで決めた設定が上手くストーリーと噛み合わさる時があるんですよね。

田舎: そういうときはやっぱり楽しいですか?

伊藤: 楽しいですねー。「あれ?たまたま噛み合った!」って。実は最初の段階では、主人公は陶芸家で陶芸をするために島にやってくるっていうプロットもあったんですよ。でもそれがなんとなくタイ語の翻訳家に変更されて。そしたら今、翻訳のスキルを活かして暗号を解読するという展開になってるんですよ。たまたまですけど、翻訳家にしておいてよかったなぁって思います。多分漫画家さんはみんなこういう体験をしたことがあると思うんですけど。

田舎: 偶然バシッとハマるみたいな。

伊藤: はい。運がいいんですよね(笑)

田舎: 上手くハマった瞬間はやっぱりすごく気持ち良さそうですね! 『マグネット島通信』を読んだ方に、「こんなことを感じてほしい」と意識して描かれた事などはありますか?

伊藤: 前述した島の風景を味わっていただければ~というのが大きな部分ですが、キャラクターに関して言うと、それぞれが都会への憧れとかコンプレックスとか、承認欲求があったりして、どこか読者様にも思い当たるフシがあるんじゃないかと思います。この作品を読むことで読者様の何かが解決する訳ではないと思いますけど、漫画ではそれぞれがハッピーな着地点を迎えられるようにしたいと思っていますので、それを見て良かったなと思ってもらえたら嬉しいです。

田舎: めちゃくちゃ思い当たるフシあります!(笑)これから登場人物たちのハッピーな着地点を楽しみにしながら読みますね!

『恋とマコトと浅葱色』は苦労することがたくさん!

 

『恋とマコトと浅葱色』はLINEマンガの無料連載にて毎週月曜日に更新中!

作品ページURL:https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000320

テーマは“時代を超えた恋”

田舎: 現在連載中のもう1つの作品、『恋とマコトと浅葱色』についても色々ご質問させてください。ずばり、『恋とマコトと浅葱色』の一番の注目ポイントはどこでしょうか?

伊藤: 主人公“マコト”と新選組・“原田左之助”の、スマホ越しに見る時代を超えた恋。この恋の行方が担当さんから頂いた作品のテーマでもあります。ぜひ楽しみにして最後まで見てもらいたいです。

田舎: 二人の恋の行方が最初のテーマだったんですね!

伊藤: 最初に担当さんから、「幕末と現代など、時代を隔てた話を描いてほしい」って言われたんです。そのときに担当さんがラストシーンを考えて持って来てくださって、「こういう漫画をいつか読みたいと思っていた」って言われたので、「じゃあそれを描きましょうか」っていう感じで始まりました。

田舎: ラストだけ聞いてそれで描こうかって思って始められるのがすごいですね! ラストシーンということは、第1話にも出てくる、左之助とマコトのあのシーンですか?

伊藤: そうです! 結末を先にチラッと見せてる、あのシーンです。

田舎: ということは、あのシーンから構想が始まって、今はあのシーンに向けて話が進んでいってるんですね。読んでてすごくワクワクするので毎週楽しみです。

史実に基づいて描きながらもオリジナル要素を

田舎: 『恋とマコトと浅葱色』は歴史も扱っていますが、調べ物とか大変だったんじゃないですか?

伊藤: 僕はそこまで大変な思いはしてないと思います。歴史監修でついてくださっている山村竜也先生という方が大河ドラマなどの監修もやっているすごい歴史作家さんで、その方にいろいろ教えていただきながら描いているので、なんとか描けていますね。

田舎: なるほど! そんな心強い協力者がいらっしゃると安心ですね! でもお話を考えているのは伊藤先生ですよね?

伊藤: はい、流れは自分で考えてます。打ち合わせのときに「こういう流れを描きたいのでこういうシーンが必要です」って山村さんに伝えて、その歴史の部分を教えていただいたり、僕がぼんやりと描いたものを「ここが違う、ここが違う」って指摘して直してくださったりするんです。

田舎: そういえば個人的に気になったんですけど、八木邸で鴨居に左之助が刀痕をつけるシーンがあるじゃないですか。マコトは左之助が刀痕を付けるところを目撃しているけど、史実ではそういう説はないって作中でも言われていますが、あれはどういうことですか?

伊藤: 実際にあの刀痕を誰がつけたのかっていう史実に関しては、有力な説はあるけど決定的なものはないらしいんですよ。だから左之助がつけたということにして描きました。監修の山村さんは「史実とは違うことは描かない」というポリシーを持っていらっしゃるんですけど、僕はそれを如何にかいくぐってファンタジーにするか、というところにこだわって考えています。

田舎: 歴史好きの読者にはたまらない小ネタですよね。不確定なものに関しては伊藤先生のオリジナル要素も入れられるけど、基本的には史実に基づいて忠実に描かれているんですね。

伊藤: そうなんです、忠実に描くのはけっこう大変ですよ。

田舎: 特にどういった部分で苦労されてますか?

伊藤: 歴史モノ自体は、僕がおそらく描かないと思っていたジャンルなので、全部苦労してますね。刀も、刀の持ち方も、全部初めてなのですごく苦労して描いています。

田舎: うわー大変そうですね……。でも歴史モノの中にも先生の好きなSF要素があるのでそれは楽しいんじゃないですか?

伊藤: はい、それだけが救いです(笑)

田舎: 先ほどSF要素は入れたいと仰っていましたが、SFを描く上で工夫されることや気をつけていることはありますか?

伊藤: 1作品につき、SF要素を1個だけにしようっていうのは気をつけています。基本的には、1作品に色々なことを詰め込み過ぎないようにして、不思議な要素は1個だけで、あとはその要素の影響で日常がどんな風になるのかなというところを考えていますね。

田舎: たしかに、『恋とマコトと浅葱色』も、“スマホを覗くと過去が見える”ということだけですもんね。

伊藤: その通りです。その一点で日常がどう変わるのか、というところを考えて描いています。

 

1話で見切らず最後まで読んでほしい!

田舎: 現在連載中の2作品は結末はもう固まっているのですか?

伊藤: 両方とも、もう決まってます! それに向けて、引き延ばすことなく進めていこうと思って描いています。

田舎: 他に描いてみたい題材など、新作のアイディアはありますか?

伊藤: 実は結構あるんですよ。描きたいものがいくつかあるんですけど、今は描けないし、どうしようかなと思っているところです。

田舎: 早くそっちも描きたいな、という気持ちもありますか?

伊藤: そうですね、それは思ってます。

田舎: もし今の連載が終わってもまた新作が待っているということで、楽しみにしてますね!それでは最後に、最近の漫画業界について何か思うことはありますか?

伊藤: 最近では漫画アプリやWeb漫画のサイトがいっぱいあるので、みんな漫画家になりやすくなったな、とは思いますね。デビューや連載をしやすくなったというか。

田舎: 間口が広がったということでしょうか?

伊藤: はい。ただ、間口が広がってしまった分、読者さんに漫画を見つけてもらいにくくなったなというのはすっごく感じています。

田舎: なるほど、良くもあり悪くもあるんですね。

伊藤: 読者さん目線で言うと、いっぱいある漫画の中から自分の好きなものを選べるからいいと思うんですけどね。普段漫画をあまり読まないライト層の読者さんになると、売れている漫画しか読まなかったりもするじゃないですか。

田舎: たしかに、コアな漫画とかマイナーだけどめちゃくちゃ面白い作品などは見つけてもらいにくいですよね。

伊藤: そうなんですよ。初速が売れないとなかなか難しいんだなというのはすごく実感させられていますね。それはちょっと痛いなと思います。最初が面白くないと売れないっていう話があるんですよ。1話や1巻が面白くないとダメっていう。

田舎: 続きを読みたいと思わせないといけないということですか?

伊藤: そうなんですよ。ただ僕の漫画は、全部最後まで読んで面白いっていう漫画なので……(笑)だから、もし最初はつまらないなって思っても、我慢して読んでいただきたい! 最後までとは言いませんが、1話で見切らないでくださいと言いたいです(笑)

田舎: 読者の皆さん、伊藤先生の作品は見切らずに最後まで読みましょう! ありがとうございました!

伊藤: ありがとうございましたー!

まとめ

いかがでしたか?

この記事を通して、少しでも伊藤正臣先生の作品の魅力が伝わっていれば嬉しいです。

 

ちなみに伊藤先生は現在W連載中でほとんどお休みが取れないそうなのですが、今回のインタビューやコミティア出展など何か予定がある日は「予定があるから漫画を描けない」と自分に言い訳をして無理やり休んでいるとのこと(笑)

作画中にもBGM代わりに録画しておいたテレビドラマを流したり、ゲーム実況動画を流して自分がゲームをした気分になったりすることで、仕事をしながらも息抜きをしているそうです。

 

記事内で紹介した『恋とマコトと浅葱色』はLINEマンガで無料配信されており、『マグネット島通信』はコミックスが現在2巻まで発売されています。

現在連載中の『マグネット島通信』と『恋とマコトと浅葱色』は、どちらも伊藤先生らしい不思議な世界観で描かれていて、今後の展開が気になって仕方ない漫画です。
是非読んでいただきたい!

連載中の2作品以外にも、過去作品ももちろん傑作だらけなので是非チェックしてみてください!

個人的には、浦島太郎伝説とタイムリープものを掛け合わせた『片隅乙女ワンスモア』が大好きです!

 

そして伊藤先生から、『恋とマコトと浅葱色』のマコトと左之助の超美しいイラスト色紙をいただきました。

尋常じゃないくらい綺麗です! お宝!

大事に大事に飾らせていただきます!!!!

 

【伊藤正臣先生の情報はコチラで!】

 

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引用元:Comee.net

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引用元:Comee.net

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引用元:Comee.net

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