2018年、SNSや都内を中心に駅の看板などで大きな話題になった『さよならミニスカート』という作品をご存知でしょうか?
まだ1巻が2018年11月に発売したばかりですが、異例の宣伝量以外に、『りぼん』の編集長・相田聡一氏が大絶賛したことでも話題を呼んでいます。
なぜそれほど注目を集めるのか、考えていきましょう。
『さよならミニスカート』のあらすじ紹介
本作は作者の牧野あおいさんが『りぼん』9月号から連載を開始しています。
周囲の女子生徒がスカートを履いている中、主人公の神山仁那(かみやまにな)は唯一スラックスを履いている女子生徒です。
そのため、周囲からも少し変わった女の子として扱われています。
実は仁那は以前人気アイドルグループ「PURE CLUB」にて不動のセンターである雨宮花恋(あまみやかれん)として活動していました。
しかし握手会にて男に刃物で傷つけられてしまい、犯人は逃走してしまいます。
そしてそのショックによりアイドルとしての活動を辞めてしまいます。
同じクラスで柔道部に所属している男子生徒・堀内光(ほりうちひかり)は、学校でも一人浮いた存在である仁那を気にしています。
男子生徒たちは仁那がスラックスを履いているために男子と間違える中、光だけは彼女が雨宮花恋だったと見抜きます。
なぜ光は仁那の過去を知っていたのか?
仁那を襲った犯人は誰だったのか?
謎が謎を呼ぶ展開も魅力的な作品です。
女の子に向けられた宣伝文句
本作の宣伝ではこの一文が特に目を惹きます。
“この漫画に無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。”
これはどういう意味でしょうか?
作中では仁那がスラックスを履いていることに対して疑問を持つ生徒は少なくありません。
光と同じ柔道部の男子は「俺、あーいう女一番苦手」という無神経な言葉を発しています。
しかも男子のみならず、同性である女子からも「男になりたい系?」という、半分馬鹿にしたような非難の声がありました。
本来スカートを履くか否かは個人の自由です。
本作の学校でもスラックスをスカートのどちらを着ても構わないという校則があります。
しかし、男子はスラックス、女子はスカートという無言の圧力があり、それに逆らうような行動をすると男女両方から非難される風潮があるようです。
ですが、女子のスカート姿にも大きなリスクがつきまといます。
クラスメイトである長栖美玖(ながすみく)は学校の誰もが憧れる可愛らしい女子ですが、不審者によって太ももを触れられる性犯罪の被害にあってしまいます。
本人は「太ももを触られただけだ」と笑顔でいますが、当然のことながら嫌な思いをする人の方が多いでしょう。
ミニスカートは単なるファッションであるはずなのに、それが性的な目で見られてしまうことも少なくありません。
女の子らしい格好をしないと女性らしさを問われ、女の子らしいファッションをすると、男性から性的な目で見られたり、性被害にあってしまったりと問題に巻き込まれる。
必ずしも起こることではないですが、すべての女性が起こりうる話。
これが本作のキャッチコピーの意味と考えられるでしょう。
社会性を持つテーマを発表する覚悟
本作を連載開始する際に、相田編集長は「このまんがに関しては、は何があろうと、読者のみなさんに面白さが伝わるまで、連載を続けていきます」という宣言をしています。
連載が始まる前の作品に、編集長がここまで言い切ることは珍しいケースです。
現代では性に対する意識が多様化しており、多くの意見があります。
しかし、いまだに保守的な考えをする人も多く、女性が性犯罪に巻き込まれた時に「そんな短いスカートでいるからだ」と言い放つ人もいます。
今作のようにメッセージ性の強い作品に対しては、様々な声があります。
時には批判的な声にも負けずに連載を続けていく、それだけの思いを表明する必要がある作品でもあります。
『りぼん』という少女向け雑誌の中で、このような社会性のある作品が連載されているということ自体が、少女たちに対するメッセージになっています。
まとめ
いかがでしたか?
少し前には『週刊少年マガジン』にて聴覚障害といじめを扱った『聲の形』が連載され、大きな話題を呼びました。
漫画は娯楽的な面が強い文化ですが、本作などのように教育的、社会的な意味合いの強い作品が連載されることは、少年少女へのメッセージ性でも、漫画の多様性の面でも重要です。
まだ1巻が発売されたばかりですが、ぜひお手にとってほしい作品です。
『聲の形』の記事はこちらです。
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