『少女終末旅行』は滅びゆく世界の中で人生の意味をどのように描くのか?

『少女終末旅行』は滅びゆく世界の中で人生の意味をどのように描くのか?
     

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人類がほぼ絶滅した世界で自分は何をして生きるだろうか? ということを考えたことはないでしょうか?
今回は終末の世界において旅をする2人の少女を描いた『少女終末旅行』を紹介し、人生の意義について少し考えていきます。

『少女終末旅行』のあらすじ

本作は作者のつくみずさんにより2014年2月21日から2018年1月12日まで、新潮社のwebサイト『くらげパンチ』で連載されていました。
2017年の10月から12月までテレビアニメも放送されています。

文明が崩壊した後の終末世界を舞台に、主人公のチトユーリの少女2人が、廃墟都市を旅する物語です。

都市は巨大なタワー状になっており、2人は特にあてもなく上を目指して旅をします。
廃墟と化した都市は元々現代よりも科学力が高い文明だったと思われ、魚の養殖場などは自立型のロボットが管理しています。

かつての人が暮らしていた痕跡を発見したり、様々な人と出会いや別れを繰り返しながら2人は旅を続けていきます。
可愛らしい2人の何気ないやり取りにほっこりとする一方で、崩壊した都市が舞台ということもあり、物悲しい印象も与える作品です。

終末世界を生きる登場人物たちがもつそれぞれの目標

本作の登場人物は非常に少なく、アニメもキャストがチト役の水瀬いのりさんと、ユーリ役の久保ユリカさんだけという回も少なくありませんでした。
そんな中、2人は旅の道中で出会うタイミングはそれぞれ異なりますがカナザワイシイという人物に出会います。

カナザワという男性の目的は荒廃した世界の地図を作ることでした。
もはや読む人もいない世界でも、カメラを持ちながら旅を続けています。
2人の旅の手助けをしますが、しかし高所に登るための昇降機に乗っている最中、バランスが崩れた際に地図を全て落としてしまいました。
彼が一生懸命作ってきた地図はなくなり意気消沈しますが、やがて2人と別れると見知らぬ土地を目指して去っていきます。

イシイは2人よりも年上の女性で、旧空軍基地で飛行機を修理していました。
2人の手伝いもあり飛行機が動くようになり、彼方先に見える別の都市へと向かうために飛び立っていきます。
しかし、すぐに故障してしまい飛行機は落下します。
イシイは緊急用のパラシュートが開き無事でしたが、別の都市へ向かうことはできなくなりました。

人生の意味とは何か、考えさせられる作品

カナザワとイシイのエピソードから、一生懸命取り組んできたことが結局失敗してしまい、どことなく虚しさを覚える方もいるかもしれません。
しかも終末世界なのでインフラも停止しています。
チトとユーリもなんとか食料を探して生き延びていますが、それもいつかは尽きるでしょう。
本作は“少女終末旅行”というタイトルの通り、少女達が終末世界を旅する物語であり、同時に少女達が自分たちの終末へ向かう物語でもあります。

本作では奇跡のようなことは起こりません。
この世界の住人達は遅かれ早かれ終末の時が約束されています。
そういう世界では、もしかしたら何をやっても無駄だと考える方もいるかもしれません。
しかし、本作に登場するキャラクターはそれぞれの人生に独自の意味を見出しています。

チトとユーリであれば上層階へ行くことです。
カナザワは地図を作り、イシイは飛行機で別の都市へ行く。
その先に何があるかはわかりません。
全くの意味のない行動になるかもしれません。
さらに、カナザワとイシイはその生きる意味であった地図や飛行機を失ってしまいます。

生きる意味を失った2人の表情はそれでもどこか晴れやかなものでした。
本作は、人はなぜ生きるのか?
その生きる意味をなくした後、人はどうするのか? という、とても難しいテーマを突きつけるような作品です。

まとめ

いかがでしたか?

今回語った“人が生きる意味とは何か?”という問いはとても観念的なお話で漠然としています。
もちろん、人によって答えは違うでしょう。
そんな難しいお話は苦手という方もいるかもしれませんが、基本はユーリとチトの可愛らしい終末世界の旅と日常の物語です。
2人のほっこりとした仕草に癒されますので、ぜひ気軽にお手にとってみてください。

 

 

文明が崩壊した終末世界。ふたりぼっちになってしまったチトとユーリは、愛車のケッテンクラートに乗って広大な廃墟をあてもなくさまよう。日々の食事と燃料を求めて移動を続ける、夢も希望もない毎日。だけどそんな「日常」も、ふたり一緒だとどこか楽しそう。一杯のスープを大事に飲んだり、まだ使える機械をいじってみたり……何もない世界だからこそ感じる想いや体験に出会える、ほのぼのディストピア・ストーリー。

引用元:Comee.net

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