【インタビュー】ダブル発売記念! 『学び生きるは夫婦のつとめ』『こわもてかわもて』の作者・小雨大豆先生にお話を伺いました!

【インタビュー】ダブル発売記念! 『学び生きるは夫婦のつとめ』『こわもてかわもて』の作者・小雨大豆先生にお話を伺いました!
     

COMEE Mag. 編集部です!

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こんにちは、Comee mag.編集部です。

昨年からComee mag.でオリジナル漫画『ジャ女と野獣』の連載をしてくださっている小雨大豆先生。

いつも『ジャ女と野獣』の打ち合わせを楽しくさせてもらっているのですが、今回、小雨先生が連載されている『学び生きるは夫婦のつとめ』2巻と『こわもてかわもて』1巻の単行本発売が迫っているとのことで、作品のことを色々と聞かせてもらいました!

もともと小雨先生の他の作品を読んで、「是非Comee mag.で連載をしてほしい!」とお願いした経緯もあり、Comee mag.編集部は小雨先生の1ファンでもあります(笑)

根掘り葉掘りと質問をして、たくさんの面白いお話を聞かせていただきました。

最後には豪華プレゼントキャンペーンもありますのでお楽しみに!

 

 

小雨大豆

ブログ型物語「フィオナ旅行記」で商業デビュー。
代表作には、ニコニコ静画で累計再生回数800万回を突破する大人気作品『九十九の満月』がある。
現在は『ツイ4』にて『学び生きるは夫婦のつとめ』、『コミックガルド』にて『こわもてかわもて』、『Comee mag.』にて『ジャ女と野獣』を同時連載中。

はじめに

編集部: 小雨先生、いつも漫画の連載ではお世話になってます! こうして改めてインタビューさせていただくことになり少し緊張しますね(笑)

小雨: ですね(笑)

編集部: 今日は2月に単行本が発売される『学び生きるは夫婦のつとめ』と『こわもてかわもて』の2作品に関してのお話をメインでお伺いできればと思っていますので、よろしくお願いいたします。

小雨: ありがとうございます。お願いします。

待望の2巻発売!『学び生きるは夫婦のつとめ』

オトに注目! 2巻の意気込み・見どころは?

編集部: 改めてですが、『学び生きるは夫婦のつとめ』の単行本2巻が2月9日に発売されましたね。おめでとうございます!

小雨: ありがとうございます!

編集部: 2巻発売されるにあたっての意気込みなどはありますか?

小雨: 今回の意気込みはすごいですよ!(笑) なぜなら今回は『学生夫婦(学び生きるは夫婦のつとめ)』の2巻に合わせて、『こわもてかわもて』も発売できるようにスケジュールを調整しました!

編集部: なるほど! そうすると『こわもてかわもて』で小雨先生を好きになった方にも、この機会を逃さずにアプローチできますね。もちろん逆もまた然りですし。

小雨: 同時発売にすることで2巻の売上を落とさないように超消極的な攻めをやっているので(笑)

編集部: 結構ビジネス的なお話ですね(笑) 大丈夫ですか?

小雨: あはは! まぁいいんじゃないかな、面白いし(笑)

編集部: 意気込み溢れる2巻の見どころを教えてもらってもいいですか?

小雨: 2巻では主人公のオトの子ども時代のエピソードをメインで描いているんですけど、最後がよかった……本当に最後がよかったですね! 内容わかって読み返しても「ああ……!いい話を描く……!」と自分で思いましたね(笑)

編集部: めちゃくちゃ早く読みたいです!(笑)

小雨: いやぁ、「4コマなのに上手いことやらせるなぁ……」って思いました(笑) どうです? キレイな自画自賛……!

編集部: あはは(笑) 1巻は学校生活のシーンが多かったですが、2巻は家族の話が多いんですよね?

小雨: そうですね。

編集部: 他にも1巻と比べて、何か変化とかってあったりしますか?

小雨: んー、1巻の終わりか2巻の冒頭ぐらいでちょっとだけ絵柄を変えましたね。

編集部: え!

小雨: 人生で初めて絵柄を変えた気がします。ちょっと顔が丸くなりました。2巻を見ると後半からオトももうちょっとイケメンになってます(笑)

編集部: ごめんなさい! 気付けてなかったです!

小雨: あはは(笑) 読んでる人はそんなに気にならないと思いますけど(笑)

編集部: 読み返してみます!

小雨: 是非比べてみてください。

広島男児×ロシア乙女の夫婦生活!? 作品の誕生秘話を聞いてみました!

編集部: 小雨先生はもともとこの『学生夫婦』のお話の設定をどうやって考えられたんですか?

小雨: 4コマ漫画だとギャグだけの話になっちゃうと思って、ちょっとしたシリアスっぽい要素も入れたかったんです。でも暗くならないようにしたいとも思っていたので、こういう形になりました。

編集部: なるほど。主人公の鬼城御伽(おにじろおとぎ)と鬼城ポリーナの夫婦は、広島男児×ロシアの乙女という組み合わせになりますが、こちらは?

 

 

小雨: ロシアはなんとなくロシアにしたいなって思ったんですけど(笑)、広島男児はアシスタントさんが広島出身で。

編集部: そうなんですね!

小雨: 「広島弁好きだけど、監修してくれる人が居ない!」って思っていたらちょうどいいところに広島出身の人が居てくれて。頻繁に広島弁が出てくるのは全部アシスタントさんのおかげなので、例えばもしアシスタントさんが居なくなっちゃったりしたら急に方言もおぼつかなくなります……(笑)

編集部: あはは(笑) 急に違和感のある広島弁になっていたら、そう察しますね(笑) ポーニャ(ポリーナ)はロシア人ですが、オト(御伽)との出会いはアメリカですよね。

小雨: そうですね、はい。

編集部: じゃあポーニャはロシア生まれだけど育ちはアメリカなんですね。

小雨: そうですね。

編集部: 二人の出会いは素敵な偶然だったんですね。登場キャラクターたちはみんな名前が斬新ですけど名前はどこから?

小雨: ロシアではあだ名みたいな感じで本名と違う呼び方をすることがあるんですけど、その中でルールがあるみたいでして。「〜〜ニャ」みたいなのがあるんです。

編集部: 可愛いですね。

小雨: ね。その中でも「アーニャ」って名前が可愛いなと思ったんですけど、ロシアのキャラクターで「アーニャ」って名前はすでにいくつかで使われているみたいで。他のはどうも馴染めなかったんですけど、唯一「ポリーナ」で「ポーニャ」はいいかなと思って。

編集部: 響きも可愛いですよね。他にも候補はあったんですか?

小雨: んー、「アーニャ」以外だと「カチューシャ」とか……。でも全部もうすでに使われているんですよ。当時すごく調べたんですけど、名前の候補も見てみると、日本人の耳であんまり違和感がない響きっていうのも3パターンぐらいで。

編集部: なるほど、日本人からも愛着が湧きやすくて、覚え易いような名前がいいですもんね。今回の作品は海外の要素を入れたのは何か意図があったんですか?

小雨: えーっと……日本人が高校でただイチャイチャしていると角が立つかもしれない。とかそういう理由があった気がする……(笑)

編集部: なるほど!(笑)

小雨: 海外と日本であれば「文化の差じゃない?」ってなるというか、THE・リア充みたいなのが出ないように気を使って国際結婚にしたと思います。

編集部: 確かに日本人が公衆の面前でイチャイチャしていると、それこそバカップルのように見えちゃうこともありますが、外国の人は愛情表現が豊かってイメージもありますし、あんまり嫌な感じに見えないですよね! そういうところも考えられているんですね!

小雨: 確か、そんな感じだったかと……!(笑)

編集部: あはは(笑) ガチガチの恋愛ストーリーにするのとは違うっていうのもあるんですかね?

小雨: どちらかというと、高校生で結婚するっていうのをリアルに考えちゃうと、人によって色んな印象を受けてしまうかもしれないと思って。もちろん理由があるから結婚しているわけなんですけど、国際的な冒頭にすることであんまりうがっためで見られないような感じにしようと考えましたね。

編集部: なるほど。確かに高校生同士で結婚するカップルってあまりいないですもんね。

黒歴史と白歴史! 制作のウラ話

編集部: 『学生夫婦』って基本的には4コマ漫画の形を使われているので、毎回完結して次の話になるじゃないですか。毎話毎話どのようにエピソードの設定を考えてらっしゃるんですか?

小雨: 初めて4コマを作った時に、一つテーマがあれば短時間で1,2本は作れると思いまして。今まで長期連載ものを作っていたので、集中してグワァーって話の大きい波やら、筋やら考えていたんですけど、短いお話の時は、散歩しながらオチが浮かんで自分が笑ったものを設定にしてます。

編集部: 長編モノと短編モノで違うんですね。1本テーマを考えるのには大体どれぐらいかかるんですか?

小雨: 基本はご飯会議なので、15~20分で2、3本な気がします。

編集部: えー! すごい! めちゃくちゃアイデア出て、且つサクサク決まっちゃうんですね。

小雨: そんな感じです(笑)

編集部: はぁ〜! すごいですね、めちゃくちゃ!

小雨: うん。もっと褒めてくれていいですよ!

編集部: あはは(笑) でも本当にすごいですよ! 話の中のギャグももちろん考えられているんですもんね。

小雨: あはは! それを「いいえ」と言ったらゴーストライター雇っていることになりますよ(笑)

編集部: そうなんですけど(笑) 毎回毎回のギャグの量が半端じゃないので(笑) しかも、『こわもてかわもて』の方でもギャグ展開があるので、よく毎回エピソードにあったギャグが思いつくもんだなと思いまして!

小雨: 頑張ってます(笑)

編集部: 私の個人的な印象なんですけど、小雨先生はいつも脳内で会話が行われているのかなって思ってるんですよ。

小雨: はーなるほど!

編集部: 例えば『学生夫婦』って「なかがき」とかも書かれてらっしゃっるじゃないですか。登場人物は小雨先生一人なのにノリツッコミが行われていて。なので脳内で会話をしならがらアウトプットされているのかなとか思ったり……。

小雨: なかがきについては書きながら、「確実に数十年後に俺の黒歴史になるな」と思って書いています。

編集部: あはは(笑)

小雨: 完全に書きながら「あーこれは卒業文集でやらかしたやつを俺は後継でまたやっているな」って思ってます(笑)

編集部: 卒業文集、やらかしちゃったんですか(笑)

小雨: え! 卒業文集なんてみんな黒歴史でしょ!?

編集部: 覚えてないですけど、私はすごく無難な感じに書くタイプでしたね(笑)

小雨: そうかぁ。「絶対に恥ずかしくなるやつだ」って思いながら書いてますね(笑)

編集部: あはは(笑) 本編の方もなんですが、もうその時にブワーっと一気に描いてしまって、後からはあんまり見返さないようにされているんですか?

小雨: んー難しいなぁ。あんまり自分が描いた作品は後々に見返さないので、しょっちゅう設定やら名前やらも間違えるんですけど。ただ自分の作品は大好きなので読み返すと「超面白い!」って毎回思います(笑) とにかく描いてる人とセンスが合う……!

編集部: そりゃ小雨先生が描かれているんですもん! センスはぴったりですよ!(笑)

小雨: あんまり見返さないので程よく忘れていて(笑) 話は覚えているんですけど、ところどころ忘れているので、自分で描いた作品なのにすっごい爆笑します。

編集部: どうしてあまり見返さないんですか?

小雨: 好きな曲はあえてあんまり聴かないようにする、みたいな感じなんですけど、伝わりますかね?(笑) すごく好きなご飯でも毎日そればっかりは食べないみたいな。

編集部: あーたまのご褒美的な感じでしょうか?

小雨: そうそう。たまーに読んで「いいな」って思いたいので。

編集部: そのたまにはどういうタイミングなんですか?

小雨: んー大抵……「この設定どうだったかな」って時(笑)

編集部: それで確認するために読んだら面白くて感動するんですね!(笑)

小雨: はい(笑)

編集部: ちなみにそんな中で一番うまくかけたなって思うエピソードとかはありますか?

小雨: やっぱり2巻ですね。2巻の最後のところが本当にちょうどいいって思っています。

編集部: うわー早く読みたいです! ご自分でハードル上げますね!(笑)

小雨: めちゃくちゃ感動して涙する、とかじゃないけどこれぐらいのちょうど良さがいいよね。っていうのを描けたかなって思ってます。

編集部: でもすごくわかります。小雨先生の描かれる話って、余韻に浸れるちょうど良さみたいなものがありますよね。

小雨: ありがたいです。

編集部: しっとりというか……目の奥がうるうるするんですけど、号泣を全面に出しているわけじゃなくて。なんとなく、読んだ後に「あぁ……」ってなるお話が多いです。

小雨: ありがとうございます!(笑)

編集部: でもやっぱりそういうのを意識されているんですね。

小雨: 恥ずかしい(笑)

編集部: 作品を読んでどういう風に感じて欲しい、みたいなものもあるんですか?

小雨: 色んな漫画家さんがいると思うんですけど、僕自身は「各々好きに読んで!」って感じです。個人的に作品を作る大原則として自分は自分と趣味が合う人に深く刺さるようにと思って作っているので。

編集部: なるほど。

小雨: 読んで面白くないなと思っても「趣味が合わないだけだな」と思って、他のもっと面白い作品を読んで欲しいですね。

編集部: 人によって、好みは様々ですもんね。

小雨: そうそうそう。趣味の合う人にとことん刺さるように。

編集部: 素敵ですね。 ちなみに描いていて一番難しいキャラとかはいますか?

小雨: ないなぁ。あんまりそういう漫画家さんっぽいやつないんですよ。

編集部: じゃあどうやっていつも動かしているんですか?

小雨: まぁ普通に頭の中にキャラクターが生きてる、みたいなのはありますけど、ストーリーの大筋を作ってそこに這わせる感じです。「キャラが勝手に動いて予想外の方向に行っちゃった」みたいなのはあまり多くはないと思いますね。

編集部: おおよそ想定通りに動いてくれるんですね。

小雨: ですね。「あの山向かって」って言えばみんながその山を目指してくれる。

編集部: なるほど。その道中でいい感じにアドリブきかせてくれる、みたいな。

小雨: そうそう。なので、そんなにめちゃくちゃ絵になるエピソードはないですね(笑)

編集部: どうやって出来ているのかが知れてとても興味深いですよ! ちなみに小雨先生的に一番お気に入りのキャラは?

小雨: 花丸くんが好きです。

 

編集部: あー可愛いですよね! 花丸くんだけ絵のタッチが少し違いますよね。

小雨: 花丸くんのデザインもすごく好きだから、これからもいっぱいそういうキャラを使っていきたいですね。

編集部: ちなみに花丸くんって天才なんですか?

小雨: あ、花丸くんは裏設定で「すごく賢い」っていうのがあります!

編集部: そうなんですね! 花丸くんは他にも裏設定はあるんですか!?

小雨: 裏設定までいかないけど、将来的にめちゃくちゃイケメンになります!(笑)

編集部: 天才でイケメン! 美味しすぎますね

 

▶︎Page.2:2月25日発売『こわもてかわもて』については次ページ

 

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