【インタビュー】Twitterで大人気の『パティシエさんとお嬢さん』完結記念!制作秘話や銀泥先生の好きな漫画を公開!

【インタビュー】Twitterで大人気の『パティシエさんとお嬢さん』完結記念!制作秘話や銀泥先生の好きな漫画を公開!
     
元少女漫画大好き芸人。
少女漫画歴22年、生涯で10000冊以上、5000作品以上の少女漫画を読んでいます。
男りぼんっ子です。男目線で少女漫画の魅力を語ります。
   

以前、Comee mag.でも紹介させていただいた、Twitterから書籍化された漫画『パティシエさんとお嬢さん』。

 

 

3/8(金)に、完結巻となるコミックス第2巻が発売されました!

今回は2巻発売を記念しまして、作者の銀泥先生に取材をさせていただくことに。
物語を完結まで描き終えた現在の心境や、銀泥先生が影響を受けた漫画のことなどを存分に語っていただきました!

 

【プロフィール情報】

銀泥
2017年9月4日に自身のTwitterに投稿した「勢いだけで描いた創作男女漫画」が話題となり、37万以上の「いいね」を得る。
2018年2月27日に『パティシエさんとお嬢さん』とタイトルを変え、自身初コミックスとなる第1巻が発売される。

 

最後まで描き終えた心境と読者さんの頼もしい反応

 

― 『パティシエさんとお嬢さん』完結おめでとうございます! 本作は銀泥先生のデビュー作とのことですが、1年半前に最初に書籍化のオファーを受けたときはどのようなお気持ちでしたか?

銀泥: Twitterで大きな反響をいただいて、担当さんからご連絡をいただき、最初の打ち合わせでお会いするまでの時間がとてもスピーディーだったので、実感を置き去りにしたまま漫画の続きを描き始めた感じでした。

勿論プロの編集さんに漫画を認めてもらえて、単行本のお話をいただけたのは夢のようなお話ですごく嬉しかったです。

でも本当にこのお話は元々、最初に描いた4pの漫画で終了の予定だったので、全く続きを描くつもりはありませんでした。
「フォロワーさんの幾人かの人に読んで貰えたら嬉しいな~」というぐらいの気持ちで描いたので、その次には彼女が童顔で彼氏が老け顔のカップルの4p漫画を描いてTwitterにあげようかなと思っていました。
なのでパティシエさんもお嬢さんもキャラクターの名前や詳しい設定などはほとんど決まっていませんでした。

「このチャンスを何が何でもモノにしたい!」という想いがあってお話を受けましたが、内心では不安も凄く大きかったです。
何しろ自分には漫画家としての技量があまりにも無かったですし、この物語の行き着く先も、道筋も、資料集め等もゼロの状態でしたので、今振り返ればよく「描きます! 描かせてください!!」と言い切ったもんだと思います。

でもそんな状態でも続きを描こうと思えたのはやっぱり「続きが読みたい」と言ってくださった読者の皆さんのおかげです。

 

― 実際に単行本が発売されたときはどう思いましたか?

銀泥: 単行本1巻が発売された当初は「満足感や幸福感で満たされるのかなぁ」と思っていたのですが実際は「もっと頑張って描くべきだった!」という反省で一杯でした(汗) やっぱり書店でプロの作家さんの漫画と一緒に並んでいるのを見ると自分の未熟な面がモロに感じられるので、精神的に来るものがありました(汗)

 

― あはは(笑)でももちろん嬉しかったこともありますよね?

銀泥: 色校や出来上がった単行本の見本を貰った時などは「うわぁ~本になってる!!」という喜びが大きくてワクワクしていました。
色々な方の力添えがあってすごく可愛いデザインに仕上げて頂けて、もの凄く幸せでしたね。

その気持ちは今でも変わらず、書店に行くと自分の漫画置いてあるかな、と棚を見に行くぐらい幸せです。

 

― 最終巻となる2巻がついに3/8に発売されますが、現在の心境はいかがですか?

銀泥: 現在は単行本作業も終わり安心しています。
2巻の発売が遅れに遅れ、ゼロサムオンラインでの連載も止めてしまい、関係する方々と担当さんには多大な迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳ないという気持ちです。

でもこうして遅くなりながらも丈士と芙美子のお話を最後まで描き切れて良かったと思っています。
2巻も凄く反省点がたくさんあるのですが、それでも1巻の時には無かった満足感や達成感がありまして、今はこれからも漫画を描いていきたいという気持ちが満ちています!

 

― 素敵なことですね! 『パティシエさんとお嬢さん』は第1話からTwitterでものすごい反響がありましたが、読者さんからのお言葉で特に嬉しかったものや印象に残っているものはありますか?

銀泥: いただいた全てのメッセージが嬉しいです。

皆さんいろんな言葉で漫画の感想やキャラクターの好きな点等を伝えてくださって、その言葉たちが無かったら『パティシエさんとお嬢さん』という漫画は本になっていません。本当にありがたいです!

メッセージとしてではなくても、Twitterの「いいね」が押される事も、自分の漫画に対して肯定的でいてくれる人がこんなにもいるんだという頼もしさになります。半端なく頼もしいです!

『パティシエさんとお嬢さん』について

尊いストーリーの原動力

 

― そもそも『パティシエさんとお嬢さん』という作品はどういうきっかけで生まれたんですか?

銀泥: 元々は少年誌でのデビューを目指していたんですが、血沸き肉躍るような少年漫画らしい少年漫画というものの構想に疲れた時に、ふと妄想したのが始まりだったと思います。
その数年後にTwitterを始めて、二次創作のイラスト等を投稿するようになった後に「オリジナルの漫画を描いてる人とも繋がりを持ちたいな~」と思い、昔妄想していたそのネタを4pの漫画にしたのが第1話です。

 

https://twitter.com/platalodo/status/904431671713292288

 

銀泥: 「創作男女」というハッシュタグを見た時に、この界隈はにぎわっているのかもしれないと思い、「じゃあ描こう! 昔妄想したヤツがあったなぁ~あれなら4pで描けるかも」と、そんな感じでした。

 

― 少年漫画を考える合間に描いた、いわば息抜きみたいな始まりだったんですね! メインの二人のキャラクターを生み出したときのイメージなどはありますか?

銀泥: キャラクターのイメージは、「シュッとした男前と太った女の子」という点に異常なこだわりがありました。
元々ビジュアルや境遇、いろんな面で格差のある二人がお互いの絆だけで結ばれているようなカップルにロマンを感じるので、丈士と芙美子ちゃんはあのようなデザインで描きました。

 

― 芙美子ちゃんのぽっちゃりしてる感じがすごく可愛いですよね! ストーリーはどうやって考えていたんですか?

銀泥: ①描きたいロケーション
②オチでキャラクターに言わせたい台詞、とって欲しいリアクション

このどちらかを決めてからネームを切ります。
多いのは後者です。

やっぱり物語を作る上で、「キャラクターをこう魅せたい!」という想いが一番強い原動力になります。

思い入れが強い回と苦労したポイント

 

― たくさんのエピソードがありますが、先生自身が特にお気に入りのエピソードはありますか?

銀泥: 私としては第1話が漫画の掴みとしてシンプルにまとまっていてキャラクターの個
性も印象付けられているので、(作画は抜きにして)お話の完成度としては一番のお気に入りです。
そして全ての始まりなので特に思い入れが強いです。

 

― 第1話があってこその今ですもんね。 2巻ではお気に入りの回はありますか?

銀泥: 2巻収録では、丈士と芙美子ちゃんの初デートの回も好きです。
水族館も映画館もホテルのビュッフェも描くのは大変でしたが、二人にして欲しいデートをしてもらえたかなと思います。
ブルーとグリーンで色を付けたのが二人らしい初々しいデートのイメージになったので気に入っています。

また2巻では稜と丈士の父親が登場するのですが、お父さんが子どもの頃の稜に語る言葉もとても気に入っています。

 

― 2巻も読むのが楽しみですね! ちなみに作品を描いていて苦労したことは何かありますか?

銀泥: 作品にとって大切なケーキや甘いものを美味しそうに描くことに苦労しました。
ケーキの種類やデザインもなるべく定番のものにならないように気を付けていましたが、どんどん引き出しがなくなっていって、本当にケーキを描くのが大変でした。

 

― 先生が描くケーキは本当にどれもすごく美味しそうで可愛くて、いつも読んだあとには甘い物が食べたくなってしまうほどです(笑) 他にもこだわって描かれたポイントはありますか?

銀泥: 芙美子ちゃんはちゃんとぽっちゃり描く、というこだわりをもっていたのですが、とにかくお話を描き上げることに必死になっていたので、疎かになっている部分もあったと思います。
その辺りは担当さんのチェックをほとんど頼りにしていました(汗)

銀泥先生について

漫画家を志したきっかけは?

 

― 先生は子どもの頃から漫画家になろうと考えられていたんですか?

銀泥: 子どもの頃は「漫画ってコンピューターで描いてるんだろうな」と思っていました。

少し成長して、人の手で描かれているのだと知ってからは、単行本1冊分のページ数を考えるとその労力が想像つかなくて、「人間のすることじゃない、漫画家なんてなるもんじゃない」と真剣に思いました。

でも今思うとあれは「漫画家になってみたい」の裏返しだったんだと思います。

 

― そこから漫画家になろうと本格的に意識したきっかけは何だったんですか?

銀泥: 中学生の時に図書館で借りた「西遊記」を読んだ時、もの凄くワクワクして、自然と自分なりの孫悟空や猪八戒や沙悟浄達が思い浮かびました。
そのオリジナル西遊記を落書きして、色まで塗ったりしているうちに段々と「いつか自分なりの西遊記を漫画にしてみたい」と思うようになったことがきっかけです。

銀泥先生の好きな漫画5選!

 

― 先生は普段どんな漫画を読まれますか?

銀泥: 琴線に触れるものがあれば割とどんなジャンルの漫画も読みます。

自分が描く漫画に集中しようと思ってからはあまり漫画を買わなくなってしまいましたが、最近では「ゴールデンカムイ」は新刊が出たらすぐに買って読んでいます。

アクションのある漫画が好きですね。格好良くて強い男が活躍する話が好きです。

 

― 先生が人生で特別に大好きな漫画や影響を受けた漫画を5作品紹介してください!
(それぞれの作品に対するコメントを原文で記載。)

 

銀泥: 上山徹郎先生の描く人物の体つきの格好良さとコスチュームのデザインなどが衝撃でした。この作品の影響で柳生一族や剣豪などに興味を持つようになりました。また、女体の格好良さというものを感じました。主人公のミツヨシが強くて格好良いのですが、全身黒のコスチュームでありながら頭に大きなピンクのリボンをしているんです。そういうセンスにもの凄く惹かれます。

 

銀泥: 漫画においてこれ見よがしの残酷表現や性描写というもの程、白けるものは無いと思っているのですが、もの凄いバランス感覚の元にグロやエロスやコミカルな面が成り立って重厚な世界観を紡いでいるところがベルセルクの魅力だと思っています。

巨大な剣を背負い、鉄の義手をつけた剣士・ガッツ。彼の行くところ、血の雨が降り、死体の山が築かれる…!大ヒット!!圧倒的迫力の叙事詩!!

引用元:Comee.net

 

銀泥: 初めて漫画の原画を見たのが荒木先生のジョジョ展でした。とにかく色鮮やかで輝いてるカラー原稿に感動して、荒木先生の漫画に取り組む姿勢などを参考にさせていただいています。とても憧れる作品です。

イギリス貴族ジョースター家の一人息子・ジョナサン。紳士となることを目指し不自由ない暮らしを送っていた。だがその生活は「侵略者」ディオ・ブランドーの出現で一変。事あるごとにジョジョを陥れるディオの傍らには、石仮面が不気味にたたずみ……。

引用元:Comee.net

 

銀泥: 『彼方から』『お伽もよう綾にしき』が特に好きですが、ひかわ先生の作品に流れている細やかで傷付きやすい心のまま生きてもいいじゃないか、という空気がもの凄く希望に満ちていて(私の主観でしかありませんが)これこそ漫画の醍醐味だよな!と読んでいて思います。繊細ながらもとてもタフな事も同時に描いているのが本当に大好きです。

下校途中に無差別爆弾事件に巻き込まれ、異世界へ飛ばされた女子高生・典子。見知らぬ森の中で怯える典子を救ったのは、渡りの戦士・イザーク。この2人の出会いから、世界は大きく動き始める――。

引用元:Comee.net

 

銀泥: 読み返す度に泣いてしまうので、気軽に読み返せないぐらい好きな作品です。惣司ろう先生がご病気で亡くなられ、未完のまま7巻が完結巻となるのですがそこに収録されている読み切り『ガンジス川でさようなら』を読んで「読み切りでこういう話が描けるのか」ととても衝撃を受けました。ずっと手元に置いておきたい特別な作品です。

小国のお姫様リリアが嫁いだのは、強い魔力を持ち誰もが恐れる『首なし王』! 文字通りの姿をしている王様と15歳のリリアの結婚は誰もがムチャ婚だと思ったのだが…。リリアのまっすぐな想いに、頑なだった首なし王の心がデレる!? 惣司ろう、待望の初コミックス!

 

最後に

 

― 漫画家として今後「こんなことをしたい」「どんな作品を描いてみたい」などの夢や構想はありますか?

銀泥: 自分一人で閉じこもって描いたネームやキャラクター達が多くいますので、これからはそれを誰かに読んで貰える作品に仕上げてお届けしていきたいです。
そして、もっともっと勉強をして作品の完成度を高めたいです。
ちなみに次は剣豪をモデルにした漫画を描きたいと考えています。

 

― 剣豪ですか! 今作とはまったく違うテーマで楽しみですね! 最後に、読者の方に一言お願いします!

銀泥: 「パティシエさんとお嬢さん」2巻も頑張って描きました! 読者の皆さんに楽しんでいただける作品になっていたら嬉しいです。
こうして2巻目の単行本を出させていただけるのはこの作品を後押しして下さった皆さんのおかげです、本当にありがとうございます!
これからも読んだ人をクスッとさせ、明るく前向きな気持ちに出来るような作品を生み出せるように精進したいと思います。

 

― 銀泥先生、ありがとうございました!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

個人的には、『パティシエさんとお嬢さん』が、元々は少年漫画を描く合間に息抜きで妄想していたものが元になっているということが衝撃でした!
それが多くの人の心を掴んで37万以上の「いいね」を集める大人気漫画になり書籍化されるなんて、とても素敵なことですよね。

本日3/8(金)発売の完結巻では、40ページ以上の描き下ろしが収録されています。

Twitterで約40万人が応援した二人の恋愛を最後まで見届けましょう!

銀泥先生は単行本の作業などでお忙しい中このようなインタビューに応じてくださって、さらには素敵なサイン色紙までご用意してくださいました!

 

 

Comee編集部で大事に飾らせていただいてます!

銀泥先生の次回作にも大注目です!!

 

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©銀泥/一迅社
引用元:Comee.net

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